空間魔法って実は凄いんです

真理亜

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緊急クエスト

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 次の日、ダンジョンに再び潜るための装備を充実させるため、早速私達はそれぞれ動き出した。

 セリカさんは食料調達のためレストラン巡りだ。パーティーメンバーが増えたため、収納するメニューを増やしておく必要がある。

 ラウムさんとアスカさんは冒険者SHOPに赴き、傷薬や血止め薬、毒消しなどのアイテムを補充する予定だ。

 そして私とステラさんは冒険者ギルドに向かう。私達への指名依頼が入っていないか確かめておくためだ。それとついでに良さそうな依頼があるかどうか依頼ボードを確認するためもある。

「指名依頼は無いそうです」

 私が受付に確認しに行ってる間、ステラさんは依頼ボードを見て回っていた。

「そうですか。こちらも良さ気な依頼は無さそうです」

「じゃあいったん帰りましょうか」

「はい」

 その時だった。

「諸君! 緊急クエストが発生した! 手の空いてる者は集まってくれ!」

 ギルドマスターの緊迫した声がギルド内に響き渡った。

「緊急クエスト!? なんですかそれ!?」

 私はステラさんに尋ねた。

「ダンジョンでスタンピードが発生したとか、手強い魔物が現れた時とかにギルドが発する特別なクエストのことです」

「なんだか穏やかじゃありませんね...帰っちゃいません?」

 ぶっちゃけ、面倒事には関わりたくないよね。そういうのは強い人達でなんとかして欲しい。

「それはダメです。緊急クエストは基本的に全冒険者が強制参加ですから。少なくともこの場に居る以上は参加する義務が生じます。サボッたりしたのがバレたりしたら、ヘタすりゃ冒険者資格を剥奪されますよ?」

「はぁ...そうなんですね...」

 なんとも間の悪い...さっさとダンジョンに潜っちゃえば良かったね...私達は仕方なしにギルドマスターの後に続いた。

 ギルドの会議室は冒険者達で一杯になっていた。私達も隅っこの方に腰を下ろす。

「みんな、集まってくれてありがとう。早速だがつい先程、王都から少し離れた山岳地帯で竜が現れたとの報告があった。とある冒険者パーティーが運悪く遭遇してしまって、命からがら逃げ出して来たそうだ。竜の種類は地竜。彼らの話によると、地竜は真っ直ぐ王都に向かっているとのことだ。我々はなんとしてもこれを阻止しなければならない。今回のクエストは王家から発せられたものだ。国難レベルと判断されている。王宮からも精鋭の騎士団が派兵されて来るそうだ。国難に対し、我が冒険者ギルドも騎士団と一致団結してこれを阻止せよとの命が王家から下っている。みんな、気を引き締めてことに当たってくれ」

 これは大変なことになって来たぞ...
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