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「ラウムさん! アスカさん! 加勢します!」
「カリナ!? 猪はどうした!?」
「仕留めました!」
「カリナさん、さすがですね!」
「状況はどんな感じですか?」
「見ての通り、膠着している」
「オスよりは弱そうなメスの熊を先に仕留めようと思ったんですが、見ての通りオスが庇うんで中々狙えないんですよ」
なるほど。そういうことか。だから今はお互い睨み合ったまま膠着してるって訳だ。オスはそのデカい体でメスを完全に隠して低い唸り声を上げ続けている。
「私が亜空間からメスの背後に回りましょうか?」
「いや、無理だと思う。メスの背後を良く見てみろ」
「えっ!? あぁ、大きな岩を背にしてるんですか。確かにあれじゃあ後ろの空間に空きが無いですね」
「そういうことだ」
「ラウムさん、熊の頭って硬いんでしょうね?」
「ん!? 頭!? あぁ、そりゃ硬いだろうが、なんでそんなことを今聞く!?」
「いえね、後ろが無理なら頭の上から攻撃しようかなと思いまして」
「えっ!? そんなことが出来るのか!?」
「出来ますよ。ここの空間を支配してますから」
「それ凄いな...」
「なんかもうなんでも有りですね...」
「いえいえ、アスカさん。なんでもは言い過ぎですって」
そんなことを言い合っている時だった。バサバサッという音と共にステラさんが降りて来た。無論、真っ裸である。
「皆さん! 上空から見てました! 戦うのをちょっと止めて下さい!」
そう言ったステラさんは、なにやら茶色いものを二つ抱えている。
「グワッ! グワッ!」
それを見た熊の番が急に騒がしく吠え始めた。
「ステラさん、それは?」
「恐らくあの熊の夫婦の子熊です」
あぁ、子熊だったのか。怯えているようでブルブル震えている。
「上空から隠れているのを見付けたんです。あの熊の夫婦は子熊を守ろうとして襲って来たんだと思ったんですよ」
「なるほど...」
「さぁほら、パパとママの所にお戻り?」
そう言ってステラさんが子熊達を放すと、二匹は両親の元へまっしぐらに走って行った。
するとそれまで唸り声を上げていた熊の夫婦が、途端に『クーン』と優し気な声で鳴き始めて子熊を迎えた。
やがてオスの方が私達を一睨みした後、親子揃って藪の中に消えて行った。
「フゥ...行ってくれたか...」
「良かったです...子熊達がみなしごにならなくて済みましたね...」
一児の母であるアスカさんがしみじみとそう言った。言葉の重みが違うよね。
「本来は魔物である以上、親子共々始末するべきなんでしょうけど、あんな健気な姿を見せられたらしょうがないですよね...」
ステラさんも続いた。確かにそうだよね。いくら魔物だと言っても見境なしに仕留めていいって訳じゃないよね。
それはともかく、ステラさんはさっさと服を着て欲しい。
「カリナ!? 猪はどうした!?」
「仕留めました!」
「カリナさん、さすがですね!」
「状況はどんな感じですか?」
「見ての通り、膠着している」
「オスよりは弱そうなメスの熊を先に仕留めようと思ったんですが、見ての通りオスが庇うんで中々狙えないんですよ」
なるほど。そういうことか。だから今はお互い睨み合ったまま膠着してるって訳だ。オスはそのデカい体でメスを完全に隠して低い唸り声を上げ続けている。
「私が亜空間からメスの背後に回りましょうか?」
「いや、無理だと思う。メスの背後を良く見てみろ」
「えっ!? あぁ、大きな岩を背にしてるんですか。確かにあれじゃあ後ろの空間に空きが無いですね」
「そういうことだ」
「ラウムさん、熊の頭って硬いんでしょうね?」
「ん!? 頭!? あぁ、そりゃ硬いだろうが、なんでそんなことを今聞く!?」
「いえね、後ろが無理なら頭の上から攻撃しようかなと思いまして」
「えっ!? そんなことが出来るのか!?」
「出来ますよ。ここの空間を支配してますから」
「それ凄いな...」
「なんかもうなんでも有りですね...」
「いえいえ、アスカさん。なんでもは言い過ぎですって」
そんなことを言い合っている時だった。バサバサッという音と共にステラさんが降りて来た。無論、真っ裸である。
「皆さん! 上空から見てました! 戦うのをちょっと止めて下さい!」
そう言ったステラさんは、なにやら茶色いものを二つ抱えている。
「グワッ! グワッ!」
それを見た熊の番が急に騒がしく吠え始めた。
「ステラさん、それは?」
「恐らくあの熊の夫婦の子熊です」
あぁ、子熊だったのか。怯えているようでブルブル震えている。
「上空から隠れているのを見付けたんです。あの熊の夫婦は子熊を守ろうとして襲って来たんだと思ったんですよ」
「なるほど...」
「さぁほら、パパとママの所にお戻り?」
そう言ってステラさんが子熊達を放すと、二匹は両親の元へまっしぐらに走って行った。
するとそれまで唸り声を上げていた熊の夫婦が、途端に『クーン』と優し気な声で鳴き始めて子熊を迎えた。
やがてオスの方が私達を一睨みした後、親子揃って藪の中に消えて行った。
「フゥ...行ってくれたか...」
「良かったです...子熊達がみなしごにならなくて済みましたね...」
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「本来は魔物である以上、親子共々始末するべきなんでしょうけど、あんな健気な姿を見せられたらしょうがないですよね...」
ステラさんも続いた。確かにそうだよね。いくら魔物だと言っても見境なしに仕留めていいって訳じゃないよね。
それはともかく、ステラさんはさっさと服を着て欲しい。
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