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呆気ない終息
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またルキノちゃんを怖い目に遭わせてしまった。
だが今はそれを後悔している場合ではない。
「さぁて、まずはてめぇら! 服を脱いでスッポンポンになって貰おうか! ゲヒャゲヒャゲヒャ!」
醜悪な顔で下卑た嗤いを浮かべている連中のリーダーらしき男に応えることもなく、私は泣いているルキノちゃんに向かって「大丈夫」とばかりに笑みを送ってから亜空間に潜り込んだ。
「なっ!? き、消えた!?」
「ど、どこに行きやがった!?」
私の姿が見えなくなって連中が慌てている。私はルキノちゃんを羽交い締めしている連中のリーダーらしき男の背後に回り込み、後頭部を破邪の剣の柄でしこたま殴り付けた。
本当は一思いに始末したかった。ルキノちゃんを二度も怖がらせたことは万死に値するし、こういった輩は生かしておいた方が罪になるとも思った。
だが、さすがに裏路地とはいえ王都の真ん中で人殺しをするのはマズいだろう。例え相手がこんな悪党であったとしてもだ。
「ぐへっ!?」
男は奇声を上げ倒れ込む。私は男の拘束が緩んだ隙を見て素早くルキノちゃんを亜空間に引っ張り込んだ。
「ルキノちゃん、大丈夫ですか!? 怪我してませんか!?」
「うわあああん! カリナお姉ちゃん~! 怖かったよ~!」
「良し良し。もう大丈夫ですからね? だから言ったでしょう? 一人で先に行くと危ないって?」
「ううっ! ごべんなさ~い!」
泣きじゃくって私に抱き付いたルキノちゃんを触診したところ、特に怪我を負った様子はないのでホッと胸を撫で下ろした。
亜空間から外を見ると、さすがは私の頼りになるパーティーメンバー達だ。あっという間に連中を制圧したようだ。
五人居たはずの男共は全員地に伏していた。私はルキノちゃんと一緒に亜空間から出た。
「ルキノ! 大丈夫だった!?」
すかさずアスカさんが駆け寄って来る。
「ママ! うん、平気! カリナお姉ちゃんが助けてくれたもん!」
「良かった...カリナさん、娘を助けて頂きありがとうございます。ほら、ルキノもちゃんとお礼言って?」
「カリナお姉ちゃん、ありがとう!」
「どういたしまして。ところでセリカさんの姿が見えないようですが?」
連中を制圧したのは主にラウムさんとステラさんで、アスカさんはそのどちらにもフォローに入れる位置に居た。セリカさんの姿は最初っから見えなかったと思う。
「セリカさんなら衛兵を呼びに行って貰いましたよ?」
するとステラさんがそう教えてくれた。
「なるほど。抜かり無しですね」
まさに適材適所。私は素直に感心した。
だが今はそれを後悔している場合ではない。
「さぁて、まずはてめぇら! 服を脱いでスッポンポンになって貰おうか! ゲヒャゲヒャゲヒャ!」
醜悪な顔で下卑た嗤いを浮かべている連中のリーダーらしき男に応えることもなく、私は泣いているルキノちゃんに向かって「大丈夫」とばかりに笑みを送ってから亜空間に潜り込んだ。
「なっ!? き、消えた!?」
「ど、どこに行きやがった!?」
私の姿が見えなくなって連中が慌てている。私はルキノちゃんを羽交い締めしている連中のリーダーらしき男の背後に回り込み、後頭部を破邪の剣の柄でしこたま殴り付けた。
本当は一思いに始末したかった。ルキノちゃんを二度も怖がらせたことは万死に値するし、こういった輩は生かしておいた方が罪になるとも思った。
だが、さすがに裏路地とはいえ王都の真ん中で人殺しをするのはマズいだろう。例え相手がこんな悪党であったとしてもだ。
「ぐへっ!?」
男は奇声を上げ倒れ込む。私は男の拘束が緩んだ隙を見て素早くルキノちゃんを亜空間に引っ張り込んだ。
「ルキノちゃん、大丈夫ですか!? 怪我してませんか!?」
「うわあああん! カリナお姉ちゃん~! 怖かったよ~!」
「良し良し。もう大丈夫ですからね? だから言ったでしょう? 一人で先に行くと危ないって?」
「ううっ! ごべんなさ~い!」
泣きじゃくって私に抱き付いたルキノちゃんを触診したところ、特に怪我を負った様子はないのでホッと胸を撫で下ろした。
亜空間から外を見ると、さすがは私の頼りになるパーティーメンバー達だ。あっという間に連中を制圧したようだ。
五人居たはずの男共は全員地に伏していた。私はルキノちゃんと一緒に亜空間から出た。
「ルキノ! 大丈夫だった!?」
すかさずアスカさんが駆け寄って来る。
「ママ! うん、平気! カリナお姉ちゃんが助けてくれたもん!」
「良かった...カリナさん、娘を助けて頂きありがとうございます。ほら、ルキノもちゃんとお礼言って?」
「カリナお姉ちゃん、ありがとう!」
「どういたしまして。ところでセリカさんの姿が見えないようですが?」
連中を制圧したのは主にラウムさんとステラさんで、アスカさんはそのどちらにもフォローに入れる位置に居た。セリカさんの姿は最初っから見えなかったと思う。
「セリカさんなら衛兵を呼びに行って貰いましたよ?」
するとステラさんがそう教えてくれた。
「なるほど。抜かり無しですね」
まさに適材適所。私は素直に感心した。
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