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後悔先に立たず

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「ルキノ~♪ ただいま~♪ 良い子にしてた~?」

「お帰りなさい、ママ!...ってなんで血塗れなの!?」

 パーティーホームに戻った私達を出迎えてくれたルキノちゃんが、アスカさんに飛び付こうとして途中で止まった。

 そりゃそうだよね。上から下までアナコンダの血で塗れてんだもん。

「あぁ、ゴメンね~! ビックリさせちゃったよね~! 心配しないで? これ全部返り血だから。ママは無傷だからね?」

「そ、そうなんだ...」

 それを聞いてもまだルキノちゃんは若干引いている。ベビーシッターさんに至ってはドン引きだ。ちなみにベビーシッターさんはアスカさんと同い年だそうだ。

「ほらほら、ルキノちゃんも怖がってるし家の中が生臭くなりますから、皆さんはさっさと着替えて来て下さいな」

 私がそう言うと、みんなはなにやら「なんか納得行かない...」とかなんとかブツブツ呟きながら自分の部屋に戻って行った。

「ねぇ、なんでカリナお姉ちゃんはキレイなままなの?」

「それはね、カリナお姉ちゃんが一番偉いからですよ?」

「そうなんだ~! カリナお姉ちゃんは凄いんだね~!」

 うん、ウソは言ってない。だって私がパーティーリーダーだからね。

「ルキノちゃんは良い子にしてましたか?」

「うん! ルキノ、良い子にしてたよ!」

 ベビーシッターさんの方を見ると頷いているので間違いないようだ。

「そうですか。じゃあご褒美としてママ達が着替え終わったら、みんなでお出掛けしましょうか?」

「ホント!? やった~!」

 無邪気にハシャイでいるルキノちゃん可愛えぇのぉ~♪


◇◇◇


「ねぇねぇ、どこ行くの?」

「まずは冒険者ギルドっていう所に行きます。そこで用を済ませたらみんなでお食事に行きましょうね?」

「そうなんだ♪ わ~い♪ みんなでお食事だ~♪ 嬉しいな~♪」

 今私達はギルドへと向かう道を歩いている途中だ。ルキノちゃんはずっと私と手を繋いでいる。

「ルキノを連れて行って大丈夫でしょうか...」

 アスカさんはちょっと不安そうだ。

「大丈夫ですよ。ウザ絡みされるようなことはそうそうないでしょうし、なんかあったらすぐにルキノちゃんを亜空間に送りますんで心配しないで下さい。任務完了報告と換金のためには一度ギルドに行く必要があるし、どうせなら一人で留守番できたルキノちゃんのご褒美と併せて行っちゃいましょうよ?」

「そうですね。分かりました」

 アスカさんが納得してくれたんで、私達はギルドへの歩みを進めた。

 だがこのすぐ後、私は自分で言ったことを後悔するハメになるのだった...
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