空間魔法って実は凄いんです

真理亜

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引っ越し終了

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「この家は我が社からお買い上げ頂いた物件でございますよね?」

 パーティーホームに着くなり、不動産屋の担当者が私に聞いて来た。

「はい、その通りです。この物件を買う時にお世話になったんで、今回もお願いした次第です」

「ご利用ありがとうございます。では我が社の方で買い取らせて頂いてもよろしいでしょうか?」

「はい、お願いします。元々そのつもりでしたから」

「畏まりました。金額に関しましては家の中の使用状況を査定してからになりますので、確定しましたらご連絡申し上げます」

「分かりました」

 考えてみれば、この家で暮らしていたのはほんの一ヶ月にも満たない短い間だったなぁ。最後の方はずっとダンジョンに潜っていたしね。

 担当者が帰った後、

「それじゃあセリカさん、ラウムさんの家の引っ越しをお願いしますね?」

「了解です!」

「ラウムさん、今住んでる家は賃貸ですか?」

「あぁ、家というかアパートだからな。賃貸契約を解除してから新しい家に向かうよ」

「そうして下さい」

 セリカさん達と別れた私は、家の中に入って引っ越しの準備を始める。と言っても私とセリカさんはほとんどの私物を空間収納しているので、あっという間に終わってしまう。部屋に出して使っていたのは日用品くらいだ。

「良し、終わり。最後はステラさんの部屋か」

 ステラさんの部屋は本人の性格のせいかきちんと整理整頓されている。私やセリカさんの部屋とは大違いだ。私達なんて脱いだ服その辺りに放りっぱだもんね。この女子力の高さは見習うべきかも知んない。

 ともあれステラさんの荷物を収納し終えた私は、新しいパーティーホームに向かった。結構距離が離れているので辻馬車を利用する。


◇◇◇


 新しいパーティーホームに着いた私は、粗品を持って両隣に挨拶しに向かった。どちらも引退した老夫婦ということで温かく迎えてくれた。

 それからステラさんが希望した部屋に行って荷物を出していると、

「ただいま戻りました」

 ちょうど良いタイミングでステラさんが帰って来た。

「お帰りなさい。早かったですね? ルキノちゃんの具合は如何でしたか?」

「えぇ、大分元気になったようです。経過を診て問題無ければあと二、三日で退院できそうとのことでした」

「それは良かったです。ところでステラさん、部屋のレイアウトはこんな感じで良いですか?」

 私はステラさんの荷物を適当に配置した部屋を見せる。

「ありがとうございます。はい、問題ありません」

「ただいま戻りました~!」

 その時、セリカさん達が戻って来た。

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