空間魔法って実は凄いんです

真理亜

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新しい住まい

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 私達は馬車を返してから、いったんパーティーホームに戻ることにした。

「そういえばラウムさんってどこに住んでいるんですか?」

「あぁ、私の住所はここだ」

 そう言ってラウムさんはメモ帳に住所を書き込んだ。

「えっ!? めっちゃ近いじゃないですか! ウチと1ブロックしか離れていませんよ!」

「なに!? そうなのか!?」

「えぇ、ウチは三番地ですから。二番地のラウムさんの家とは目と鼻の先ですよ」

「そうだったのか...偶然というのはあるものなんだな...」

 なんだか運命的なものを感じるね。

「ラウムさん、どうせならウチに引っ越して来ませんか? ちょうど部屋が一つ余ってますし。私かセリカさんが居れば引っ越しなんてすぐですよ?」

「確かにそうだな。それじゃあ」

「お二人ともちょっと待って下さい」

「ん!? どうしました!? ステラさん!?」

「アスカさんがパーティーに加わったら、今のパーティーホームじゃ狭くなりますんで、どっちみちまた引っ越すことになるんですよ? 二度手間じゃありませんか?」

「あ、確かに...」

 元気になったらルキノちゃんも一緒に住む訳だしね。

「だったら今から新しいパーティーホームを探しに行くっていうのはどうですか?」

「えぇっ!? セリカさん、今からですか!?」

「えぇ、善は急げって言いますし。引っ越しはルキノちゃんの退院を待ってからにするとしても、場所だけは先に決めておきませんか?」

「それはいいかも知れないな」

「えぇ、私も賛成です」

「分かりました。ではこのまま不動産屋に行きましょう」


◇◇◇


「いらっしゃいませ。本日はどのような家をお探しでしょうか?」

「5人、いえ6人で住む家を探しているんですが」

「6人様ですね。畏まりました。少々お待ち下さい...こちらの物件などは如何でしょうか?」

 不動産屋に紹介されたのは二階建ての家だった。一階に三部屋、二階にも三部屋の所謂6LDKという造りになっている。

 値段は...うん、やっぱりそれなりにするね。今回の儲けの半分くらいは持っていかれそうだ。

 私はステラさん、セリカさんと目を合わせる。二人が頷いたのを見て、

「この物件を見せて貰えませんか?」

「畏まりました。担当者を呼んで参りますので少々お待ち下さい」

 不動産屋の受付嬢が出て行った後、焦ったようにラウムさんがコソッと囁いて来た。

「お、おい! だ、大丈夫なのか!? けけけ結構な金額だったぞ!?」

「心配無用です。実は私達も結構なお金持ちなんですよ?」

 私がそう言うとラウムさんは絶句してしまった。
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