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救助成功
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ステラさんの背に乗り空を飛ぶ。
やがて森の中のちょっと開けた場所に馬車の姿が見えた。
「見付けた! ステラさん、あそこです!」
私は前方を指差す。
「クエッ!」
ステラさんが少し離れた茂みに着陸する。
「ステラさん、中で着替えて下さい!」
私は亜空間にステラさんを引っ張り込んだ後、亜空間を通って現場に急いで向かった。
「ガアァッ!」
望遠鏡で見た通り、血のように真っ赤な体毛に覆われたブラッディウルフの群れが馬車を囲んでいる。
「ハァ...ハァ...このぉ! 近付くな! ハァ...ハァ...クソッ! キリが無い!」
馬車を守ろうとしているのだろう。トンガリ帽子に杖を持った、如何にも魔道士といった格好の女の人がブラッディウルフと対峙している。だが多勢に無勢、相手の数が多過ぎて苦労しているみたいだ。
「燃え尽きろ!」
女の人が火の矢を四方八方に飛ばす。凄い! あれが火属性の範囲攻撃魔法か! 攻撃魔法はイアン様の氷属性のしか見たことがなかったから新鮮だった。
ブラッディウルフの群れが散り散りになる。だが何匹かは火の矢を逃れて女の人に向かって行った。魔法を放ったばかりで油断していたのか、女の人の反応が少し遅れた。
「し、しまった!」
女の人は気付いたがもう遅い。ブラッディウルフが目前に迫る。私は亜空間から出て後ろから攻撃した。
「キャウン!」
今まさに女の人を攻撃しようとしていたブラッディウルフが倒れた。いきなり現れた私に、女の人もブラッディウルフの群れも共にビックリしている。
「へっ!? な、なに!?」
「助太刀します! ステラさん!」
「はい!」
着替え終わったステラさんを亜空間から出した。ステラさんはすかさずブラッディウルフの群れに向かって行く。
「ハァッ! ヤァッ!」
筋力アップの特殊効果付きブレスレットとアンクレットを装備しているお陰か、心無しかステラさんの動きが力強いように見える。あっという間にステラさんはブラッディウルフの群れを蹂躙した。
かく言う私も破邪の剣が軽く感じた。ブラッディウルフの別の群れを難なく蹴散らす。
「どうやら粗方片付きましたかね?」
気が付くとブラッディウルフの他の群れは居なくなっていた。文字通り尻尾巻いて逃げ出したようだ。
「た、助かった...どなたか存じませんが、あなた方のお陰で助かりました。助太刀して頂きありがとうございます」
「いえいえ、お気になさらず。たまたま通り掛かっただけですから」
ウソなんだけどね。『望遠鏡で覗いてたらたまたま見掛けました』なんて言ったら、話がややこしくなりそうなんで適当に誤魔化しといた。
「そうだったんですね。とにかく感謝致します。それじゃあ私は先を急ぐんでこれで」
どうやら信じてくれたみたいだ。女の人は馬車の御者席に乗ろうとしてバランスを崩した。
「危ない!」
私は慌てて体を支えた。女の人は青白い顔色をしていた。
「大丈夫ですか!?」
やがて森の中のちょっと開けた場所に馬車の姿が見えた。
「見付けた! ステラさん、あそこです!」
私は前方を指差す。
「クエッ!」
ステラさんが少し離れた茂みに着陸する。
「ステラさん、中で着替えて下さい!」
私は亜空間にステラさんを引っ張り込んだ後、亜空間を通って現場に急いで向かった。
「ガアァッ!」
望遠鏡で見た通り、血のように真っ赤な体毛に覆われたブラッディウルフの群れが馬車を囲んでいる。
「ハァ...ハァ...このぉ! 近付くな! ハァ...ハァ...クソッ! キリが無い!」
馬車を守ろうとしているのだろう。トンガリ帽子に杖を持った、如何にも魔道士といった格好の女の人がブラッディウルフと対峙している。だが多勢に無勢、相手の数が多過ぎて苦労しているみたいだ。
「燃え尽きろ!」
女の人が火の矢を四方八方に飛ばす。凄い! あれが火属性の範囲攻撃魔法か! 攻撃魔法はイアン様の氷属性のしか見たことがなかったから新鮮だった。
ブラッディウルフの群れが散り散りになる。だが何匹かは火の矢を逃れて女の人に向かって行った。魔法を放ったばかりで油断していたのか、女の人の反応が少し遅れた。
「し、しまった!」
女の人は気付いたがもう遅い。ブラッディウルフが目前に迫る。私は亜空間から出て後ろから攻撃した。
「キャウン!」
今まさに女の人を攻撃しようとしていたブラッディウルフが倒れた。いきなり現れた私に、女の人もブラッディウルフの群れも共にビックリしている。
「へっ!? な、なに!?」
「助太刀します! ステラさん!」
「はい!」
着替え終わったステラさんを亜空間から出した。ステラさんはすかさずブラッディウルフの群れに向かって行く。
「ハァッ! ヤァッ!」
筋力アップの特殊効果付きブレスレットとアンクレットを装備しているお陰か、心無しかステラさんの動きが力強いように見える。あっという間にステラさんはブラッディウルフの群れを蹂躙した。
かく言う私も破邪の剣が軽く感じた。ブラッディウルフの別の群れを難なく蹴散らす。
「どうやら粗方片付きましたかね?」
気が付くとブラッディウルフの他の群れは居なくなっていた。文字通り尻尾巻いて逃げ出したようだ。
「た、助かった...どなたか存じませんが、あなた方のお陰で助かりました。助太刀して頂きありがとうございます」
「いえいえ、お気になさらず。たまたま通り掛かっただけですから」
ウソなんだけどね。『望遠鏡で覗いてたらたまたま見掛けました』なんて言ったら、話がややこしくなりそうなんで適当に誤魔化しといた。
「そうだったんですね。とにかく感謝致します。それじゃあ私は先を急ぐんでこれで」
どうやら信じてくれたみたいだ。女の人は馬車の御者席に乗ろうとしてバランスを崩した。
「危ない!」
私は慌てて体を支えた。女の人は青白い顔色をしていた。
「大丈夫ですか!?」
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