203 / 462
ちょっとした贅沢
しおりを挟む
ギルドの受付嬢さんに間違いない旨を伝えてから銀行に向かった。
「はい、ステラさん。確認して下さいね?」
「確かに。ありがとうございます」
ステラさんは今日の山分け分とこの間の山分け分含め、全ての金貨袋を銀行の受付に出した。受付嬢さんが目を丸くする。
銀行を出た私達は馬車乗り場に向かった。
「じゃあ早速温泉に向かいましょうか」
「はい!」
「カリナさん、パンフレットを見せて貰っていいですか?」
セリカさんがそう言って来た。
「はい、どうぞ」
「ありがとうございます...え~と、この場所だと...5番の馬車乗り場ですね」
「いやいや、せっかくお金有るんだから馬車をチャーターしましょうよ」
「えぇっ!?」
「ま、マジですか!?」
なにをビックリしてるんだろう? このくらい贅沢の内にも入らないだろうに。私は乗り合い馬車の事務所に向かってスタスタと歩き出した。
「すいませ~ん! 馬車をチャーターしたいんですが?」
「いらっしゃいませ! 何人様でしょうか?」
受付のお兄さん? おじさん? が応対してくれた。
「三人になります」
「でしたら四人乗りの馬車でよろしいでしょうか?」
「はい、それで構いません」
「何日くらいご利用でしょうか?」
「そうですね...取り敢えず一週間でお願いします」
行きと帰りで二日程度掛かるからね。余裕を持ってこんなもんでいいでしょ。
「畏まりました。お値段はこちらになります。延滞料金は一日経過する毎にこれだけ発生しますのでご注意下さい。それと御者は要りますか?」
「御者は必要ありません」
私は料金を支払いながらそう言った。
「確かに受領致しました。それと馬の世話は料金外になります。そちらで負担して頂けますようお願い致します。こちらが貸し出し札になりますのでお持ち下さい。返却の際、受付にお渡し下さい。くれぐれも失くさないようにお願い致します」
「分かりました。ありがとうございます」
「ではこちらにどうぞ。馬車までご案内致します」
そう言って受付さんは私達を裏手に案内した。
「こちらがお貸しする馬車になります。馬はまだ若くて活きがいいのでご安心下さい」
確かに馬は毛並みが美しく健康そうだ。
「ありがとうございます。ではお借りします」
「お気を付けて。いってらっしゃいまし」
私は御者席に乗った。
「じゃあ行きましょうか。乗って下さい」
なんだかまだボーッとした様子のお二人に声を掛ける。
「ハッ!? か、カリナさん、せ、せめて私が御者をやりますよ!」
「わ、私だってやりますよ!」
「いえいえ、お気持ちだけで十分ですよ。私が好きでやってるんで気にしないで下さいな」
「はい、ステラさん。確認して下さいね?」
「確かに。ありがとうございます」
ステラさんは今日の山分け分とこの間の山分け分含め、全ての金貨袋を銀行の受付に出した。受付嬢さんが目を丸くする。
銀行を出た私達は馬車乗り場に向かった。
「じゃあ早速温泉に向かいましょうか」
「はい!」
「カリナさん、パンフレットを見せて貰っていいですか?」
セリカさんがそう言って来た。
「はい、どうぞ」
「ありがとうございます...え~と、この場所だと...5番の馬車乗り場ですね」
「いやいや、せっかくお金有るんだから馬車をチャーターしましょうよ」
「えぇっ!?」
「ま、マジですか!?」
なにをビックリしてるんだろう? このくらい贅沢の内にも入らないだろうに。私は乗り合い馬車の事務所に向かってスタスタと歩き出した。
「すいませ~ん! 馬車をチャーターしたいんですが?」
「いらっしゃいませ! 何人様でしょうか?」
受付のお兄さん? おじさん? が応対してくれた。
「三人になります」
「でしたら四人乗りの馬車でよろしいでしょうか?」
「はい、それで構いません」
「何日くらいご利用でしょうか?」
「そうですね...取り敢えず一週間でお願いします」
行きと帰りで二日程度掛かるからね。余裕を持ってこんなもんでいいでしょ。
「畏まりました。お値段はこちらになります。延滞料金は一日経過する毎にこれだけ発生しますのでご注意下さい。それと御者は要りますか?」
「御者は必要ありません」
私は料金を支払いながらそう言った。
「確かに受領致しました。それと馬の世話は料金外になります。そちらで負担して頂けますようお願い致します。こちらが貸し出し札になりますのでお持ち下さい。返却の際、受付にお渡し下さい。くれぐれも失くさないようにお願い致します」
「分かりました。ありがとうございます」
「ではこちらにどうぞ。馬車までご案内致します」
そう言って受付さんは私達を裏手に案内した。
「こちらがお貸しする馬車になります。馬はまだ若くて活きがいいのでご安心下さい」
確かに馬は毛並みが美しく健康そうだ。
「ありがとうございます。ではお借りします」
「お気を付けて。いってらっしゃいまし」
私は御者席に乗った。
「じゃあ行きましょうか。乗って下さい」
なんだかまだボーッとした様子のお二人に声を掛ける。
「ハッ!? か、カリナさん、せ、せめて私が御者をやりますよ!」
「わ、私だってやりますよ!」
「いえいえ、お気持ちだけで十分ですよ。私が好きでやってるんで気にしないで下さいな」
24
お気に入りに追加
3,971
あなたにおすすめの小説

異世界転移しましたが、面倒事に巻き込まれそうな予感しかしないので早めに逃げ出す事にします。
sou
ファンタジー
蕪木高等学校3年1組の生徒40名は突如眩い光に包まれた。
目が覚めた彼らは異世界転移し見知らぬ国、リスランダ王国へと転移していたのだ。
「勇者たちよ…この国を救ってくれ…えっ!一人いなくなった?どこに?」
これは、面倒事を予感した主人公がいち早く逃げ出し、平穏な暮らしを目指す物語。
なろう、カクヨムにも同作を投稿しています。

子爵家の長男ですが魔法適性が皆無だったので孤児院に預けられました。変化魔法があれば魔法適性なんて無くても無問題!
八神
ファンタジー
主人公『リデック・ゼルハイト』は子爵家の長男として産まれたが、検査によって『魔法適性が一切無い』と判明したため父親である当主の判断で孤児院に預けられた。
『魔法適性』とは読んで字のごとく魔法を扱う適性である。
魔力を持つ人間には差はあれど基本的にみんな生まれつき様々な属性の魔法適性が備わっている。
しかし例外というのはどの世界にも存在し、魔力を持つ人間の中にもごく稀に魔法適性が全くない状態で産まれてくる人も…
そんな主人公、リデックが5歳になったある日…ふと前世の記憶を思い出し、魔法適性に関係の無い変化魔法に目をつける。
しかしその魔法は『魔物に変身する』というもので人々からはあまり好意的に思われていない魔法だった。
…はたして主人公の運命やいかに…

異世界に転生したのでとりあえず好き勝手生きる事にしました
おすし
ファンタジー
買い物の帰り道、神の争いに巻き込まれ命を落とした高校生・桐生 蓮。お詫びとして、神の加護を受け異世界の貴族の次男として転生するが、転生した身はとんでもない加護を受けていて?!転生前のアニメの知識を使い、2度目の人生を好きに生きる少年の王道物語。
※バトル・ほのぼの・街づくり・アホ・ハッピー・シリアス等色々ありです。頭空っぽにして読めるかもです。
※作者は初心者で初投稿なので、優しい目で見てやってください(´・ω・)
更新はめっちゃ不定期です。
※他の作品出すのいや!というかたは、回れ右の方がいいかもです。

聖女の力を隠して塩対応していたら追放されたので冒険者になろうと思います
登龍乃月
ファンタジー
「フィリア! お前のような卑怯な女はいらん! 即刻国から出てゆくがいい!」
「え? いいんですか?」
聖女候補の一人である私、フィリアは王国の皇太子の嫁候補の一人でもあった。
聖女となった者が皇太子の妻となる。
そんな話が持ち上がり、私が嫁兼聖女候補に入ったと知らされた時は絶望だった。
皇太子はデブだし臭いし歯磨きもしない見てくれ最悪のニキビ顔、性格は傲慢でわがまま厚顔無恥の最悪を極める、そのくせプライド高いナルシスト。
私の一番嫌いなタイプだった。
ある日聖女の力に目覚めてしまった私、しかし皇太子の嫁になるなんて死んでも嫌だったので一生懸命その力を隠し、皇太子から嫌われるよう塩対応を続けていた。
そんなある日、冤罪をかけられた私はなんと国外追放。
やった!
これで最悪な責務から解放された!
隣の国に流れ着いた私はたまたま出会った冒険者バルトにスカウトされ、冒険者として新たな人生のスタートを切る事になった。
そして真の聖女たるフィリアが消えたことにより、彼女が無自覚に張っていた退魔の結界が消え、皇太子や城に様々な災厄が降りかかっていくのであった。

異世界に転生したら?(改)
まさ
ファンタジー
事故で死んでしまった主人公のマサムネ(奥田 政宗)は41歳、独身、彼女無し、最近の楽しみと言えば、従兄弟から借りて読んだラノベにハマり、今ではアパートの部屋に数十冊の『転生』系小説、通称『ラノベ』がところ狭しと重なっていた。
そして今日も残業の帰り道、脳内で転生したら、あーしよ、こーしよと現実逃避よろしくで想像しながら歩いていた。
物語はまさに、その時に起きる!
横断歩道を歩き目的他のアパートまで、もうすぐ、、、だったのに居眠り運転のトラックに轢かれ、意識を失った。
そして再び意識を取り戻した時、目の前に女神がいた。
◇
5年前の作品の改稿板になります。
少し(?)年数があって文章がおかしい所があるかもですが、素人の作品。
生暖かい目で見て下されば幸いです。
『おっさんの元勇者』~Sランクの冒険者はギルドから戦力外通告を言い渡される~
川嶋マサヒロ
ファンタジー
ダンジョン攻略のために作られた冒険者の街、サン・サヴァン。
かつて勇者とも呼ばれたベテラン冒険者のベルナールは、ある日ギルドマスターから戦力外通告を言い渡される。
それはギルド上層部による改革――、方針転換であった。
現役のまま一生を終えようとしていた一人の男は途方にくれる。
引退後の予定は無し。備えて金を貯めていた訳でも無し。
あげく冒険者のヘルプとして、弟子を手伝いスライム退治や、食肉業者の狩りの手伝いなどに精をだしていた。
そして、昔の仲間との再会――。それは新たな戦いへの幕開けだった。
イラストは
ジュエルセイバーFREE 様です。
URL:http://www.jewel-s.jp/

はずれスキル『本日一粒万倍日』で金も魔法も作物もなんでも一万倍 ~はぐれサラリーマンのスキル頼みな異世界満喫日記~
緋色優希
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて異世界へやってきたサラリーマン麦野一穂(むぎのかずほ)。得たスキルは屑(ランクレス)スキルの『本日一粒万倍日』。あまりの内容に爆笑され、同じように召喚に巻き込まれてきた連中にも馬鹿にされ、一人だけ何一つ持たされず荒城にそのまま置き去りにされた。ある物と言えば、水の樽といくらかの焼き締めパン。どうする事もできずに途方に暮れたが、スキルを唱えたら水樽が一万個に増えてしまった。また城で見つけた、たった一枚の銀貨も、なんと銀貨一万枚になった。どうやら、あれこれと一万倍にしてくれる不思議なスキルらしい。こんな世界で王様の助けもなく、たった一人どうやって生きたらいいのか。だが開き直った彼は『住めば都』とばかりに、スキル頼みでこの異世界での生活を思いっきり楽しむ事に決めたのだった。

転生者は力を隠して荷役をしていたが、勇者パーティーに裏切られて生贄にされる。
克全
ファンタジー
第6回カクヨムWeb小説コンテスト中間選考通過作
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。
2020年11月4日「カクヨム」異世界ファンタジー部門日間ランキング51位
2020年11月4日「カクヨム」異世界ファンタジー部門週間ランキング52位
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる