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ダンジョン攻略30
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「なんでしょうか!? 誰か歌ってるんですかね!?」
「あの歌声は...皆さん! 耳を塞いで下さい! あれはセイレーンの歌声です! 聞いた者を魅了し意のままに操る力があると言われています! 歌声に耳を傾けてはなりません!」
そう叫んでステラさんは慌てて自分の耳を塞いだ。セリカさんもそれに続くが私はと言えば、
「落ち着いて下さい。この亜空間はあらゆる魔力を遮断していますから、そんな精神感応系の魔法も効果ありませんよ? ほら、なんともないでしょう? 私にはただの澄んだ歌声にしか聞こえませんよ?」
そう言って両手を広げた。するとお二人も恐る恐ると言った感じで耳から手を放した。
「ほ、本当だ...なんともない...」
「キレイな歌声ですね...」
「でしょう? ここに居る限り、状態異常系や精神感応系の魔法や特殊効果は効かないから安心して下さいね?」
というより、今は外の状況を良く知りたいから音を拾ってるだけで、普段は外の音を遮断しているからね。本来ならセイレーンの歌声も聞こえなかったはずなんだよ。
「カリナさん、凄いです...」
「実はカリナさん、最強なんじゃ...」
「ヤダなぁ~ それは言い過ぎですよぉ~」
なんだか照れちゃうね。
「ところでそのセイレーンでしたっけ? どこで歌ってるんでしょうかね?」
「あ、あそこですね。ほら、池だか沼だかの真ん中辺り。浮島みたいになってる所に居ますよ」
セリカさんの指差す方に目を向けると確かに居た。サハギンが半魚人だとしたら、こちらは逆に人魚のような姿をした魔物が歌を口遊んでいる。
長い黒髪で上半身が人間の裸の女だからちょっとエロい。対して下半身はまるっきり魚だ。その姿はまさしく伝説の人魚そのものだった。
「あれは簡単に倒せそうですね」
そう言って私は亜空間を移動し、セイレーンの真上に達した。ここから黒い剣を落として仕留める。精神感応系の魔法に掛からないように、極力亜空間からは出ない。
「狙いを定めてと...エイッ!」
狙いは寸分違わず、黒い剣はセイレーンを貫いた。途端に歌声も止む。
「良し、終了。呆気なかったですね」
私は亜空間から出て黒い剣を回収しようとした。その時だった。
バシャッバシャッ!
四方八方から水が飛んで来て、私はあっという間にずぶ濡れになった。
「うわっぷっ! な、なに!? なにが起こったの!?」
私は慌てて亜空間に避難した。
「見て下さい! あれ!」
ステラさんが指差す方を見ると、水の中から沢山のサハギンが顔を出して口から水を吹いている。
「なにあれ!? 水鉄砲!?」
私は濡れた服を着替えて髪をタオルで拭きながらそう言った。
「なんだかセイレーンを倒されて怒ってるみたいな感じがしますね」
なるほど。サハギンはセイレーンに魅了されていたってことか。
「あの歌声は...皆さん! 耳を塞いで下さい! あれはセイレーンの歌声です! 聞いた者を魅了し意のままに操る力があると言われています! 歌声に耳を傾けてはなりません!」
そう叫んでステラさんは慌てて自分の耳を塞いだ。セリカさんもそれに続くが私はと言えば、
「落ち着いて下さい。この亜空間はあらゆる魔力を遮断していますから、そんな精神感応系の魔法も効果ありませんよ? ほら、なんともないでしょう? 私にはただの澄んだ歌声にしか聞こえませんよ?」
そう言って両手を広げた。するとお二人も恐る恐ると言った感じで耳から手を放した。
「ほ、本当だ...なんともない...」
「キレイな歌声ですね...」
「でしょう? ここに居る限り、状態異常系や精神感応系の魔法や特殊効果は効かないから安心して下さいね?」
というより、今は外の状況を良く知りたいから音を拾ってるだけで、普段は外の音を遮断しているからね。本来ならセイレーンの歌声も聞こえなかったはずなんだよ。
「カリナさん、凄いです...」
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「ヤダなぁ~ それは言い過ぎですよぉ~」
なんだか照れちゃうね。
「ところでそのセイレーンでしたっけ? どこで歌ってるんでしょうかね?」
「あ、あそこですね。ほら、池だか沼だかの真ん中辺り。浮島みたいになってる所に居ますよ」
セリカさんの指差す方に目を向けると確かに居た。サハギンが半魚人だとしたら、こちらは逆に人魚のような姿をした魔物が歌を口遊んでいる。
長い黒髪で上半身が人間の裸の女だからちょっとエロい。対して下半身はまるっきり魚だ。その姿はまさしく伝説の人魚そのものだった。
「あれは簡単に倒せそうですね」
そう言って私は亜空間を移動し、セイレーンの真上に達した。ここから黒い剣を落として仕留める。精神感応系の魔法に掛からないように、極力亜空間からは出ない。
「狙いを定めてと...エイッ!」
狙いは寸分違わず、黒い剣はセイレーンを貫いた。途端に歌声も止む。
「良し、終了。呆気なかったですね」
私は亜空間から出て黒い剣を回収しようとした。その時だった。
バシャッバシャッ!
四方八方から水が飛んで来て、私はあっという間にずぶ濡れになった。
「うわっぷっ! な、なに!? なにが起こったの!?」
私は慌てて亜空間に避難した。
「見て下さい! あれ!」
ステラさんが指差す方を見ると、水の中から沢山のサハギンが顔を出して口から水を吹いている。
「なにあれ!? 水鉄砲!?」
私は濡れた服を着替えて髪をタオルで拭きながらそう言った。
「なんだかセイレーンを倒されて怒ってるみたいな感じがしますね」
なるほど。サハギンはセイレーンに魅了されていたってことか。
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