空間魔法って実は凄いんです

真理亜

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ダンジョン攻略15

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「なんかますます暗くなって来ましたね...」

「えぇ、気味が悪くなって来ました...」

 ダンジョンの奥に進むに連れ、辺りは次第に明度が落ちて来た。

「松明を使いましょうか。これじゃあ足元も覚束無い」

 私は亜空間から松明を引っ張り出して火を点けた。

「カリナさん、松明なんて持ってたんですね?」

「えぇ、備えあれば憂い無しですから」

 懐かしいな。これって実家から夜逃げした時に持って来たヤツなんだよね。結局使わなかったけど。

「ん? なんか変な音がしませんか?」

 ステラさんが耳を澄ます。

「ホントだ...カタカタカタって何か硬い物を叩いてるみたいな!?」

 セリカさんが同調する。だが私は耳が悪いのか良く聞こえない。

「そうなんですか? どっちから聞こえます?」

「この奥からです」 

「じゃあ私が先頭に立ちます」

 私は松明を掲げて先頭に立った。松明の明かりに照らし出されたのは、

「ひっ!?」

 セリカさんが短い悲鳴を上げる。

「あれは...スケルトンですね」

 骸骨が動いていた。手には古ぼけた剣や盾を装備している。それもうじゃうじゃと蠢いている。

「エイッ!」

 私は黒い剣を一閃した。

 ガラガラガラと音を立ててスケルトンが骨の塊になって行った。

「相変わらずその剣の威力は凄いですね...」

「カリナさん、無敵なんじゃないですかね...」

 お二人がそんなことを言う。いやぁ、それ程でも~

「ところでこのスケルトンって魔石とかあるんですかね?」

 この階層に来て初めて戦った腐った死体みたいなのは、この黒い剣で攻撃したら消滅しちゃったからね。ゴーストも同じく。形が残ったのは初めてなんだよ。

「スケルトンはドロップアイテムしか収穫はありません」

「そうなんですね。ちなみにどんなドロップアイテムなんですか?」

「大体は剣とか盾なんですが、見る限りどれもボロボロで使い途無さそうですね」

「なるほど。では先に進むとしましょうか」

 更に奥に進むと今度は少し明るくなって来た。

「松明必要ありませんね」

 私は松明を亜空間に放り込んで先に進む。

「ん!? なんだこれ!?」

「どうしました!?」

「なんか足元がぬるぬるするんですよ」

「本当だ。まるで湿地帯のようですね。皆さん、足元に注意して下さい」

 ステラさんがそう言った時だった。

「グボァッ!」

 湿地から何かが飛び出て来た。

「ヽ(ヽ゜ロ゜)ヒイィィィ!」

 セリカさんが悲鳴を上げる。

「これは...グールですね...」

 ステラさんが解説する。

「グールとは?」

「食人鬼です。気を付けて! 囲まれています!」

 見ると確かに私達はグールの群れの中に居た。
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