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ダンジョン攻略4

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~ ダンジョン6階層目 ~

 ダンジョン内の様子が変わって来た。

「なんか迷路みたいになってますね」

「分岐が多いです。どっちの道を行けば良いんでしょう?」

「ステラさん、一度来たことあるんですよね? 道は分かるんですよね?」

「...すいません...道は分かりません...」

 ダメじゃん!

「じゃあどうやって進んだんです?」

「分岐に遭ったら取り敢えず一人一人分かれて進んで、行き止まりに遭ったり魔物とエンカウントしたりしたらいったん戻って仲間を呼んで...その繰り返しで進んだ記憶があります...」

「メチャクチャ効率悪くないですか?」

 行き当たりばったりにも程があるだろ。

「えぇ、だから何度も心が折れそうになりました...」

 ステラさんが遠い目をする。

「結局どうなったんですか?」

「何度目かの分岐で運良く下の階層に向かう階段を見付けまして。それでなんとか抜けることが出来たんです」

「ふうん、運が良かっんですねぇ。あれ? ちょっと待って下さい? 行きは良いとして帰りはどうしたんです?」

「目印を置いて来ましたから。それで安心して先に進んだんです」

 あぁ、なるほどね。

「じゃあその目印を辿って行けば良いんじゃないですか?」

「ダメなんです。ある程度時間が経つと、置いておいた目印はダンジョンに吸収されちゃうんです」

 マジか~!

「そうなんですか?」

「えぇ、ダンジョンの壁に傷を付けたり目印を描いたりしても同様です」

 ますますダメじゃん!

「それじゃあ地図とかないんですか? このダンジョンには沢山の冒険者が来ているんでしょ?」

「この迷路自体が時間と共に変化するので地図を作りようがないんです」

「マジですか!? なんかこのダンジョンって生きてるみたいですね...」

 気味が悪いね...巨大生物の腹の中に居るみたいで...

「えぇ、ダンジョンは生きているって言う人も居ます」

「なんか怖くなって来ました...」

 セリカさんが震え出した。

「じゃあ戻りますか」

「いえ、もうちょっと...先に進んでみたいです」 

「セリカさん、震えているようですが?」

「こ、これは武者震いです!」

「じゃあそんなセリカさんに役立って貰いましょうか」

「へっ!?」

 私は道の分岐点に立って、

「この右の道を瞬間移動して奥の方を見て来て下さい」

「わ、私一人でですか!?」

「えぇ、もちろん。その方が魔力を使わなくて済むでしょ? これから分岐の度に行って貰うつもりなんですから」 

「いや鬼ですか!」

 失敬だな。この方が効率良いじゃんか。
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