157 / 462
まだ居る...
しおりを挟む
「も、申し訳ございません!」
今、セリカさんは私達の前で土下座してる訳なんだが。
「だから言ったじゃないですか」
「返す言葉もありましぇん...」
「これに懲りたら私達の言うことを素直に聞くように」
「Yes,Ma'am!」
どうでもいいけどセリカさん、その返事は何語?
「でもこれで良く分かりましたよ。女が護衛専門でやって行くことの難しさを。確かに男からの依頼は今後も受けない方が良さそうですね」
そう言ってステラさんが達観した表情を浮かべる。
「いえ、護衛を依頼する男の人がみんなあそこまで酷いって訳じゃなくて、あんな下衆いのは極少数ですからね?」
「あぁ、それは分かってますよ。マトモな人の方が多いってことくらいは」
「えぇ、その通りです。なんなら試しに隊商とかの依頼でも受けてみます? 以前は私一人だったから、こっちが受けようと思っても逆に向こうから断わられたんです。女一人でなにが出来るって言われて。だから例えセリカさんと二人になったとしても、どうせまた断わられるだろうなって思って試してなかったんですが、今なら三人居ますからひょっとしたら受けられるかも知れませんよ?」
「いいんですか?」
「えぇ、構いません」
そこで私はチラッとセリカさんを見てから、
「ただし、私とセリカさんが空間魔法使いだってことは内緒にして」
「どうしてですか?」
「知られたら間違いなく私達を荷車扱いしようとしてくるからです」
「あぁ、なるほど...」
ステラさんは皆まで言わなくても分かってくれたみたいだ。そしてちょっと考えた後、
「...いえ、やっぱり止めましょう。対人の護衛依頼が来るまでは、今まで通り弱い魔物を倒すっていう方向で良いと思います」
「そうですか。分かりました」
◇◇◇
「ゲコ! ゲコ! グヘヘ♪ ウポポ♪」
「ヽ(ヽ゜ロ゜)ヒイィィィ! ま、また出たぁ~!」
次の日、冒険者ギルドに行くとまだあのガマガエルが居た...セリカさんは速攻逃げて行った。
「厄介なのに目を付けられましたね...」
「まぁ、ある意味セリカさんの自業自得な訳ですが...」
「あっ! 見付けた! 君達! いきなり居なくなるなんて酷いじゃないか!」
そんなことを言ってる場合じゃなかった。こっちもキラキラ王子様風のガマガエルの従者に見付かってしまった。
「こりゃしばらくはギルドに顔出さない方が良いですね...」
「えぇ、どうやらそのようですね...」
困ったもんだ...
私とステラさんは亜空間に隠れながらしみじみ思った。
今、セリカさんは私達の前で土下座してる訳なんだが。
「だから言ったじゃないですか」
「返す言葉もありましぇん...」
「これに懲りたら私達の言うことを素直に聞くように」
「Yes,Ma'am!」
どうでもいいけどセリカさん、その返事は何語?
「でもこれで良く分かりましたよ。女が護衛専門でやって行くことの難しさを。確かに男からの依頼は今後も受けない方が良さそうですね」
そう言ってステラさんが達観した表情を浮かべる。
「いえ、護衛を依頼する男の人がみんなあそこまで酷いって訳じゃなくて、あんな下衆いのは極少数ですからね?」
「あぁ、それは分かってますよ。マトモな人の方が多いってことくらいは」
「えぇ、その通りです。なんなら試しに隊商とかの依頼でも受けてみます? 以前は私一人だったから、こっちが受けようと思っても逆に向こうから断わられたんです。女一人でなにが出来るって言われて。だから例えセリカさんと二人になったとしても、どうせまた断わられるだろうなって思って試してなかったんですが、今なら三人居ますからひょっとしたら受けられるかも知れませんよ?」
「いいんですか?」
「えぇ、構いません」
そこで私はチラッとセリカさんを見てから、
「ただし、私とセリカさんが空間魔法使いだってことは内緒にして」
「どうしてですか?」
「知られたら間違いなく私達を荷車扱いしようとしてくるからです」
「あぁ、なるほど...」
ステラさんは皆まで言わなくても分かってくれたみたいだ。そしてちょっと考えた後、
「...いえ、やっぱり止めましょう。対人の護衛依頼が来るまでは、今まで通り弱い魔物を倒すっていう方向で良いと思います」
「そうですか。分かりました」
◇◇◇
「ゲコ! ゲコ! グヘヘ♪ ウポポ♪」
「ヽ(ヽ゜ロ゜)ヒイィィィ! ま、また出たぁ~!」
次の日、冒険者ギルドに行くとまだあのガマガエルが居た...セリカさんは速攻逃げて行った。
「厄介なのに目を付けられましたね...」
「まぁ、ある意味セリカさんの自業自得な訳ですが...」
「あっ! 見付けた! 君達! いきなり居なくなるなんて酷いじゃないか!」
そんなことを言ってる場合じゃなかった。こっちもキラキラ王子様風のガマガエルの従者に見付かってしまった。
「こりゃしばらくはギルドに顔出さない方が良いですね...」
「えぇ、どうやらそのようですね...」
困ったもんだ...
私とステラさんは亜空間に隠れながらしみじみ思った。
25
お気に入りに追加
3,971
あなたにおすすめの小説

異世界転移しましたが、面倒事に巻き込まれそうな予感しかしないので早めに逃げ出す事にします。
sou
ファンタジー
蕪木高等学校3年1組の生徒40名は突如眩い光に包まれた。
目が覚めた彼らは異世界転移し見知らぬ国、リスランダ王国へと転移していたのだ。
「勇者たちよ…この国を救ってくれ…えっ!一人いなくなった?どこに?」
これは、面倒事を予感した主人公がいち早く逃げ出し、平穏な暮らしを目指す物語。
なろう、カクヨムにも同作を投稿しています。

子爵家の長男ですが魔法適性が皆無だったので孤児院に預けられました。変化魔法があれば魔法適性なんて無くても無問題!
八神
ファンタジー
主人公『リデック・ゼルハイト』は子爵家の長男として産まれたが、検査によって『魔法適性が一切無い』と判明したため父親である当主の判断で孤児院に預けられた。
『魔法適性』とは読んで字のごとく魔法を扱う適性である。
魔力を持つ人間には差はあれど基本的にみんな生まれつき様々な属性の魔法適性が備わっている。
しかし例外というのはどの世界にも存在し、魔力を持つ人間の中にもごく稀に魔法適性が全くない状態で産まれてくる人も…
そんな主人公、リデックが5歳になったある日…ふと前世の記憶を思い出し、魔法適性に関係の無い変化魔法に目をつける。
しかしその魔法は『魔物に変身する』というもので人々からはあまり好意的に思われていない魔法だった。
…はたして主人公の運命やいかに…

異世界に転生したのでとりあえず好き勝手生きる事にしました
おすし
ファンタジー
買い物の帰り道、神の争いに巻き込まれ命を落とした高校生・桐生 蓮。お詫びとして、神の加護を受け異世界の貴族の次男として転生するが、転生した身はとんでもない加護を受けていて?!転生前のアニメの知識を使い、2度目の人生を好きに生きる少年の王道物語。
※バトル・ほのぼの・街づくり・アホ・ハッピー・シリアス等色々ありです。頭空っぽにして読めるかもです。
※作者は初心者で初投稿なので、優しい目で見てやってください(´・ω・)
更新はめっちゃ不定期です。
※他の作品出すのいや!というかたは、回れ右の方がいいかもです。

聖女の力を隠して塩対応していたら追放されたので冒険者になろうと思います
登龍乃月
ファンタジー
「フィリア! お前のような卑怯な女はいらん! 即刻国から出てゆくがいい!」
「え? いいんですか?」
聖女候補の一人である私、フィリアは王国の皇太子の嫁候補の一人でもあった。
聖女となった者が皇太子の妻となる。
そんな話が持ち上がり、私が嫁兼聖女候補に入ったと知らされた時は絶望だった。
皇太子はデブだし臭いし歯磨きもしない見てくれ最悪のニキビ顔、性格は傲慢でわがまま厚顔無恥の最悪を極める、そのくせプライド高いナルシスト。
私の一番嫌いなタイプだった。
ある日聖女の力に目覚めてしまった私、しかし皇太子の嫁になるなんて死んでも嫌だったので一生懸命その力を隠し、皇太子から嫌われるよう塩対応を続けていた。
そんなある日、冤罪をかけられた私はなんと国外追放。
やった!
これで最悪な責務から解放された!
隣の国に流れ着いた私はたまたま出会った冒険者バルトにスカウトされ、冒険者として新たな人生のスタートを切る事になった。
そして真の聖女たるフィリアが消えたことにより、彼女が無自覚に張っていた退魔の結界が消え、皇太子や城に様々な災厄が降りかかっていくのであった。

はずれスキル『本日一粒万倍日』で金も魔法も作物もなんでも一万倍 ~はぐれサラリーマンのスキル頼みな異世界満喫日記~
緋色優希
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて異世界へやってきたサラリーマン麦野一穂(むぎのかずほ)。得たスキルは屑(ランクレス)スキルの『本日一粒万倍日』。あまりの内容に爆笑され、同じように召喚に巻き込まれてきた連中にも馬鹿にされ、一人だけ何一つ持たされず荒城にそのまま置き去りにされた。ある物と言えば、水の樽といくらかの焼き締めパン。どうする事もできずに途方に暮れたが、スキルを唱えたら水樽が一万個に増えてしまった。また城で見つけた、たった一枚の銀貨も、なんと銀貨一万枚になった。どうやら、あれこれと一万倍にしてくれる不思議なスキルらしい。こんな世界で王様の助けもなく、たった一人どうやって生きたらいいのか。だが開き直った彼は『住めば都』とばかりに、スキル頼みでこの異世界での生活を思いっきり楽しむ事に決めたのだった。
『おっさんの元勇者』~Sランクの冒険者はギルドから戦力外通告を言い渡される~
川嶋マサヒロ
ファンタジー
ダンジョン攻略のために作られた冒険者の街、サン・サヴァン。
かつて勇者とも呼ばれたベテラン冒険者のベルナールは、ある日ギルドマスターから戦力外通告を言い渡される。
それはギルド上層部による改革――、方針転換であった。
現役のまま一生を終えようとしていた一人の男は途方にくれる。
引退後の予定は無し。備えて金を貯めていた訳でも無し。
あげく冒険者のヘルプとして、弟子を手伝いスライム退治や、食肉業者の狩りの手伝いなどに精をだしていた。
そして、昔の仲間との再会――。それは新たな戦いへの幕開けだった。
イラストは
ジュエルセイバーFREE 様です。
URL:http://www.jewel-s.jp/

転生者は力を隠して荷役をしていたが、勇者パーティーに裏切られて生贄にされる。
克全
ファンタジー
第6回カクヨムWeb小説コンテスト中間選考通過作
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。
2020年11月4日「カクヨム」異世界ファンタジー部門日間ランキング51位
2020年11月4日「カクヨム」異世界ファンタジー部門週間ランキング52位

劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?
はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、
強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。
母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、
その少年に、突然の困難が立ちはだかる。
理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。
一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。
それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。
そんな少年の物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる