142 / 462
鳥の獣人
しおりを挟む
「カリナさ~ん! 遅いんで心配しましたよ~!」
「すいません、ご心配お掛けしました」
「何かあったんですか?」
「実は...」
私は事の詳細を説明した。
「それって...鳥の獣人なんじゃないですか!?」
セリカさんがビックリしたような顔でそう言った。
「獣人ですか!? 私、見たこと無いです」
存在してるってのは知ってるんだけどね。
獣人は元々数が少ない種族だし、人間に迫害されてた歴史もあるから、大体が山奥とか人目に付かない場所に隠れ住んでて、滅多に人里には降りて来ないって聞いたけど。
「私の領地には獣人の集落がありましたから、子供の時に見たことがあります」
マリス様がそう言った。
「私は直接見たことはありませんか、領地の人に聞いた話だと獣人の行商人がたまに物を売りに来ることがあるんだそうです」
クリス様も続いた。
フムフム、別に隠れ住んでるって訳じゃないみたいだね。
「私は前のパーティーに居た頃、狼獣人の冒険者に会ったことがあります。メチャクチャ強かったですよ?」
「そうなんですね。その人も狼に変身したんですか?」
「いえ、変身はしてなかったです。変身しなくても元々身体能力が高いんで、普通の人間よりも強いらしいですね」
「なるほど...あっ! 気が付いたみたいです。皆さんもお会いになりますか?」
全員が頷いたので亜空間に引き込んだ。
◇◇◇
「うっ!? こ、ここは!?」
「気が付きましたか? ここは私の魔法で作り上げた場所なんで安全ですよ。安心して下さい。何があったか覚えてますか?」
「あっ...確か...ゴブリンアーチャーに翼を射抜かれて...地面に降りた所を今度はゴブリンメイジの魔法で攻撃されて...そこからは記憶が...」
「なるほど。私が到着した時、あなたがゴブリンの群れに囲まれていたのはそういう訳だったんですね。間に合って良かったです」
「えっ!? ということは...あなたが私を助けてくれたんですか?」
「はい、そうです。申し遅れましたが、私は冒険者のカリナと言います」
「私はステラと言います。私も冒険者をやっています。助けて頂き本当にありがとうございました!」
その後、全員と挨拶を交わした。その間、私はこのステラさんという人を良く観察してみた。
雪のように真っ白な髪に赤い瞳。目鼻立ちが整った美人さんだ。日焼けしているのか肌は少し黒くて健康的な印象を受ける。
ちなみに今は全裸にバスタオル一枚という色っぽい姿だ。
「ステラさん、傷の具合は如何ですか?」
「手当てまでしてくれたんですね! 重ね重ねありがとうございます! お陰様で痛む所はあまりありません!」
「良かったです。ところでステラさんは鳥の獣人なんですか?」
「はい、その通りです!」
やっぱりそうだったみたいだね。
「すいません、ご心配お掛けしました」
「何かあったんですか?」
「実は...」
私は事の詳細を説明した。
「それって...鳥の獣人なんじゃないですか!?」
セリカさんがビックリしたような顔でそう言った。
「獣人ですか!? 私、見たこと無いです」
存在してるってのは知ってるんだけどね。
獣人は元々数が少ない種族だし、人間に迫害されてた歴史もあるから、大体が山奥とか人目に付かない場所に隠れ住んでて、滅多に人里には降りて来ないって聞いたけど。
「私の領地には獣人の集落がありましたから、子供の時に見たことがあります」
マリス様がそう言った。
「私は直接見たことはありませんか、領地の人に聞いた話だと獣人の行商人がたまに物を売りに来ることがあるんだそうです」
クリス様も続いた。
フムフム、別に隠れ住んでるって訳じゃないみたいだね。
「私は前のパーティーに居た頃、狼獣人の冒険者に会ったことがあります。メチャクチャ強かったですよ?」
「そうなんですね。その人も狼に変身したんですか?」
「いえ、変身はしてなかったです。変身しなくても元々身体能力が高いんで、普通の人間よりも強いらしいですね」
「なるほど...あっ! 気が付いたみたいです。皆さんもお会いになりますか?」
全員が頷いたので亜空間に引き込んだ。
◇◇◇
「うっ!? こ、ここは!?」
「気が付きましたか? ここは私の魔法で作り上げた場所なんで安全ですよ。安心して下さい。何があったか覚えてますか?」
「あっ...確か...ゴブリンアーチャーに翼を射抜かれて...地面に降りた所を今度はゴブリンメイジの魔法で攻撃されて...そこからは記憶が...」
「なるほど。私が到着した時、あなたがゴブリンの群れに囲まれていたのはそういう訳だったんですね。間に合って良かったです」
「えっ!? ということは...あなたが私を助けてくれたんですか?」
「はい、そうです。申し遅れましたが、私は冒険者のカリナと言います」
「私はステラと言います。私も冒険者をやっています。助けて頂き本当にありがとうございました!」
その後、全員と挨拶を交わした。その間、私はこのステラさんという人を良く観察してみた。
雪のように真っ白な髪に赤い瞳。目鼻立ちが整った美人さんだ。日焼けしているのか肌は少し黒くて健康的な印象を受ける。
ちなみに今は全裸にバスタオル一枚という色っぽい姿だ。
「ステラさん、傷の具合は如何ですか?」
「手当てまでしてくれたんですね! 重ね重ねありがとうございます! お陰様で痛む所はあまりありません!」
「良かったです。ところでステラさんは鳥の獣人なんですか?」
「はい、その通りです!」
やっぱりそうだったみたいだね。
36
お気に入りに追加
3,982
あなたにおすすめの小説
異世界転移しましたが、面倒事に巻き込まれそうな予感しかしないので早めに逃げ出す事にします。
sou
ファンタジー
蕪木高等学校3年1組の生徒40名は突如眩い光に包まれた。
目が覚めた彼らは異世界転移し見知らぬ国、リスランダ王国へと転移していたのだ。
「勇者たちよ…この国を救ってくれ…えっ!一人いなくなった?どこに?」
これは、面倒事を予感した主人公がいち早く逃げ出し、平穏な暮らしを目指す物語。
なろう、カクヨムにも同作を投稿しています。
子爵家の長男ですが魔法適性が皆無だったので孤児院に預けられました。変化魔法があれば魔法適性なんて無くても無問題!
八神
ファンタジー
主人公『リデック・ゼルハイト』は子爵家の長男として産まれたが、検査によって『魔法適性が一切無い』と判明したため父親である当主の判断で孤児院に預けられた。
『魔法適性』とは読んで字のごとく魔法を扱う適性である。
魔力を持つ人間には差はあれど基本的にみんな生まれつき様々な属性の魔法適性が備わっている。
しかし例外というのはどの世界にも存在し、魔力を持つ人間の中にもごく稀に魔法適性が全くない状態で産まれてくる人も…
そんな主人公、リデックが5歳になったある日…ふと前世の記憶を思い出し、魔法適性に関係の無い変化魔法に目をつける。
しかしその魔法は『魔物に変身する』というもので人々からはあまり好意的に思われていない魔法だった。
…はたして主人公の運命やいかに…
森だった 確かに自宅近くで犬のお散歩してたのに。。ここ どこーーーー
ポチ
ファンタジー
何か 私的には好きな場所だけど
安全が確保されてたらの話だよそれは
犬のお散歩してたはずなのに
何故か寝ていた。。おばちゃんはどうすれば良いのか。。
何だか10歳になったっぽいし
あらら
初めて書くので拙いですがよろしくお願いします
あと、こうだったら良いなー
だらけなので、ご都合主義でしかありません。。
勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!
よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です!
僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。
つねやま じゅんぺいと読む。
何処にでもいる普通のサラリーマン。
仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・
突然気分が悪くなり、倒れそうになる。
周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。
何が起こったか分からないまま、気を失う。
気が付けば電車ではなく、どこかの建物。
周りにも人が倒れている。
僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。
リリゼットの学園生活 〜 聖魔法?我が家では誰でも使えますよ?
あくの
ファンタジー
15になって領地の修道院から王立ディアーヌ学園、通称『学園』に通うことになったリリゼット。
加護細工の家系のドルバック伯爵家の娘として他家の令嬢達と交流開始するも世間知らずのリリゼットは令嬢との会話についていけない。
また姉と婚約者の破天荒な行動からリリゼットも同じなのかと学園の男子生徒が近寄ってくる。
長女気質のダンテス公爵家の長女リーゼはそんなリリゼットの危うさを危惧しており…。
リリゼットは楽しい学園生活を全うできるのか?!
【完】あの、……どなたでしょうか?
桐生桜月姫
恋愛
「キャサリン・ルーラー
爵位を傘に取る卑しい女め、今この時を以て貴様との婚約を破棄する。」
見た目だけは、麗しの王太子殿下から出た言葉に、婚約破棄を突きつけられた美しい女性は………
「あの、……どなたのことでしょうか?」
まさかの意味不明発言!!
今ここに幕開ける、波瀾万丈の間違い婚約破棄ラブコメ!!
結末やいかに!!
*******************
執筆終了済みです。
微妙なバフなどもういらないと追放された補助魔法使い、バフ3000倍で敵の肉体を内部から破壊して無双する
こげ丸
ファンタジー
「微妙なバフなどもういらないんだよ!」
そう言われて冒険者パーティーを追放されたフォーレスト。
だが、仲間だと思っていたパーティーメンバーからの仕打ちは、それだけに留まらなかった。
「もうちょっと抵抗頑張んないと……妹を酷い目にあわせちゃうわよ?」
窮地に追い込まれたフォーレスト。
だが、バフの新たな可能性に気付いたその時、復讐はなされた。
こいつら……壊しちゃえば良いだけじゃないか。
これは、絶望の淵からバフの新たな可能性を見いだし、高みを目指すに至った補助魔法使いフォーレストが最強に至るまでの物語。
家族に無能と追放された冒険者、実は街に出たら【万能チート】すぎた、理由は家族がチート集団だったから
ハーーナ殿下
ファンタジー
冒険者を夢見る少年ハリトは、幼い時から『無能』と言われながら厳しい家族に鍛えられてきた。無能な自分は、このままではダメになってしまう。一人前の冒険者なるために、思い切って家出。辺境の都市国家に向かう。
だが少年は自覚していなかった。家族は【天才魔道具士】の父、【聖女】の母、【剣聖】の姉、【大魔導士】の兄、【元勇者】の祖父、【元魔王】の祖母で、自分が彼らの万能の才能を受け継いでいたことを。
これは自分が無能だと勘違いしていた少年が、滅亡寸前の小国を冒険者として助け、今までの努力が実り、市民や冒険者仲間、騎士、大商人や貴族、王女たちに認められ、大活躍していく逆転劇である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる