空間魔法って実は凄いんです

真理亜

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潜入捜査

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「それでイアン様、しつこく迫って来た伯爵家ってどこなんですか?」

 このままじゃ話が進まないと思った私は、そう切り出してみた。

「えっ!? あ、あぁ、レミントン伯爵家だ。そこの令嬢であるイレーナ嬢が僕にご執心らしくてね...」

「なるほど...まぁその人が黒幕なのは間違いないでしょうけど、証拠が無いんですよねぇ」 
 
 依頼された男は顔を見ていないらしいからね。

「確かにな...そう簡単に尻尾を掴ませたりはしないだろうし...」
 
 だったら内部に忍び込むしかないよね。
 
「イアン様、紹介状を書いて貰えませんか?」

「えっ!? 紹介状って!? どんな!?」

「優秀な護衛を紹介しますって」

「か、カリナ、それってまさか...」

「はい、私が忍び込みます。お慕いしているイアン様からの紹介状なら無視できないでしょ?」

 ニンニン♪

「だ、ダメだ! そんなこと危なくてやらせられない!」

「私なら大丈夫ですよ。私の強さは良くご存知でしょう?」

「いやでも! だからと言って!」

「このまま放っておいたら、第2第3のクリス様が生まれてしまいますよ? 悪い芽は早目に摘んでおかないと」

 プチッとね!

「し、しかし...」

「それにまだクリス様の身に危険が及ぶかも知れませんから、それを防ぐ意味でもキッチリ片を付けたいですね」

 一度護衛を引き受けたからには最後までしっかり守りたいからね。

「カリナさん...なんでそこまで...」

「クリス様には幸せになって欲しいですから。クリス様、イアン様に伝えることがありますよね?」

「えっ!? あ、はい、実は...」

 クリス様は実家と幼馴染みの家の事情をイアン様に正直に話した。もちろんご自分の気持ちも。

「...そうだったのか.. クリス嬢、良く話してくれた。今回、危険な目に合わせてしまったお詫びに、我が家が出来るだけ支援すると約束しよう」

「あ、ありがとうございます!」

 クリス様、良かったね! これで幼馴染みと結婚できるよ!

「さてカリナ、紹介状の件だが...やっぱり僕は賛成できない。危険過ぎる。他に何か方法があるはずだ」

「イアン様、お言葉ですがあまり時間がありません。クリス様の襲撃に失敗したことはすぐヤツらに伝わるでしょう。そうなったらヤツらはまたクリス様を狙うはずです。別の破落戸を雇うでしょう。その現場を抑えるなら早くしないと。ヤツらの懐に飛び込む必要があるんですよ」

 私は出来るだけ分かり易くイアン様に説明した。

 それに対してクリス様の返事は...



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