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明かされた真相
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「俺達に依頼したのは女だ。顔はフードを深く被っていたんで見えなかった。だが貴族の女だってのは間違いねぇ」
「どうしてそう思ったんです?」
「喋り方が貴族特有の言い回しだった。それに用心棒を何人も連れ歩いていたからな」
「なるほど...それで依頼内容は?」
「馬車に乗っている令嬢を襲って傷物にすることだ」
「それだけですか? 殺せとは言われなかったんですか?」
「そこまでは言われてなかった。ただ、傷物にした後は好きにしていいと言われた。だから俺達はたっぷり楽しませて貰った後、娼館に売り飛ばすつもりだった」
「良く分かりました。クリス様、お聞きの通りですが、誰かに恨まれる心当たりはございますか?」
いきなり現れたクリス様に、リーダーの男がビックリしている。実は男の後ろでずっと待機して貰っていたのだ。
「い、いいえっ! わ、私、そんな人に恨みを買うようなことしてませんっ!」
クリス様が真っ青な顔色になりながらも強く否定する。
「フム、ということは逆恨みとかですかねぇ...」
クリス様美人さんだもんねぇ。知らず知らず誰かの恨みを買っていた可能性はあるよねぇ。私はリーダーの男に向き直る。
「ところでその依頼人の女は、他に何か言ってませんでしたか?」
「そういえば...なんかイライラした様子で『身の程を知るがいい』とか『あの方に相応しくない』とか言ってたっけな.. 」
「なるほど...」
考えられるとすれば、イアン様との縁談を邪魔しようとしてるってことかな? それを確認するためにも、こりゃ一刻も早くイアン様の所に行った方がいいね。
「クリス様、先を急ぎましょう。こいつらが失敗したと知られれば、更に追っ手が掛かるかも知れません」
「わ、分かりました!」
◇◇◇
その後は何事もなくイアン様の屋敷に着いた。
「私はクリス・エバートンと申します。エバートン子爵家の者です。お約束しておりますので、イアン様にお目通り願います」
イアン様の屋敷の門番にクリス様がそう告げている間、私は懐かしい思いでイアン様の屋敷を見上げていた。まさかまたここに戻って来ることになるとは思わなかった。人生って何があるか分かんないよね。そんな感慨に浸っていると、
「カリナ!? カリナじゃないか! 良く来てくれた!」
「イアン様、お久し振りです」
私とイアン様が親しそうに挨拶を交わしているのを、クリス様がポカーンとした顔で見ている。まぁそうなるよね。
「クリス様、黙っていて申し訳ありません。実は...」
真相を知ったクリス様が目を丸くした。
「どうしてそう思ったんです?」
「喋り方が貴族特有の言い回しだった。それに用心棒を何人も連れ歩いていたからな」
「なるほど...それで依頼内容は?」
「馬車に乗っている令嬢を襲って傷物にすることだ」
「それだけですか? 殺せとは言われなかったんですか?」
「そこまでは言われてなかった。ただ、傷物にした後は好きにしていいと言われた。だから俺達はたっぷり楽しませて貰った後、娼館に売り飛ばすつもりだった」
「良く分かりました。クリス様、お聞きの通りですが、誰かに恨まれる心当たりはございますか?」
いきなり現れたクリス様に、リーダーの男がビックリしている。実は男の後ろでずっと待機して貰っていたのだ。
「い、いいえっ! わ、私、そんな人に恨みを買うようなことしてませんっ!」
クリス様が真っ青な顔色になりながらも強く否定する。
「フム、ということは逆恨みとかですかねぇ...」
クリス様美人さんだもんねぇ。知らず知らず誰かの恨みを買っていた可能性はあるよねぇ。私はリーダーの男に向き直る。
「ところでその依頼人の女は、他に何か言ってませんでしたか?」
「そういえば...なんかイライラした様子で『身の程を知るがいい』とか『あの方に相応しくない』とか言ってたっけな.. 」
「なるほど...」
考えられるとすれば、イアン様との縁談を邪魔しようとしてるってことかな? それを確認するためにも、こりゃ一刻も早くイアン様の所に行った方がいいね。
「クリス様、先を急ぎましょう。こいつらが失敗したと知られれば、更に追っ手が掛かるかも知れません」
「わ、分かりました!」
◇◇◇
その後は何事もなくイアン様の屋敷に着いた。
「私はクリス・エバートンと申します。エバートン子爵家の者です。お約束しておりますので、イアン様にお目通り願います」
イアン様の屋敷の門番にクリス様がそう告げている間、私は懐かしい思いでイアン様の屋敷を見上げていた。まさかまたここに戻って来ることになるとは思わなかった。人生って何があるか分かんないよね。そんな感慨に浸っていると、
「カリナ!? カリナじゃないか! 良く来てくれた!」
「イアン様、お久し振りです」
私とイアン様が親しそうに挨拶を交わしているのを、クリス様がポカーンとした顔で見ている。まぁそうなるよね。
「クリス様、黙っていて申し訳ありません。実は...」
真相を知ったクリス様が目を丸くした。
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