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驚愕の依頼
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私達はギルド内にある飲食コーナーで自己紹介をすることにした。
「わ、私はクリス・エバートンと申します。エバートン子爵家の長女です。よろしくお願い致します...」
「ご丁寧なご挨拶痛み入ります。クリス様とお呼びしてもよろしいでしょうか?」
「は、はい...どうぞ...」
「ではクリス様、私は冒険者のカリナと申します。よろしくお願い致します」
私はクリス様を良く観察してみる。
うん、めっちゃ可愛い! この色なんて言うんだろ? ショッキングピンク? 良く分かんないけど、どうやったらこんな色なるんだ? というくらいピンク色の髪に、小動物のような可憐な容姿。歳は15、6歳くらいだと思うけど、私よりもちっちゃい。
思わず「お持ち帰りした~い!」って叫びそうになっちゃったよ。いや叫ばんけど。とにかくそれだけ可愛いらしいってこと。こりゃあ野郎どもは放っておかないよね。
「それではご依頼の内容をご説明頂けますか?」
「は、はい...あの、ウチは子爵家とは名ばかりの貧乏貴族でして、使用人も満足に雇えません...そんな私達の元に、思いも寄らない高位の方から縁談の話を頂きまして...その方の元へご挨拶に赴くために旅をすることになりまして...そのために護衛をお願いすることになった次第です...」
「なるほど...お話は良く分かりました。ですが、一点確認させて下さい。普通、そのような場合は殿方の方から来られるものと思っておりました。今回、クリス様の方から赴くのにはなにか理由があるのでしょうか?」
少なくともイアン様は来てくれたもんね。それが当たり前だと思ってたよ。
「は、はい、実はその方、最近まで用事があってしばらく家を離れていたようでして..その間に溜まってしまった仕事を片付けなければならないらしく...家を出られないと仰っておりまして...そのため私の方から出向くことになりました...」
「なるほど...そのような事情が...」
それなら仕方ないね。でもなんだろ? なにか引っ掛かるような気が...気のせいだよね...
「分かりました。護衛任務をお引き受け致しましょう。クリス様の身は必ずお守り致します」
「あ、ありがとうございます...」
私はすっかり冷めてしまったお茶を飲みながら、
「それで? お相手の方のお名前はなんと仰っるのですか?」
「は、はい、イアン様。イアン・コリンズ侯爵様と仰っいます...」
「プッハァァァッ~!」
私は盛大にお茶を吹き出したのであった...
「わ、私はクリス・エバートンと申します。エバートン子爵家の長女です。よろしくお願い致します...」
「ご丁寧なご挨拶痛み入ります。クリス様とお呼びしてもよろしいでしょうか?」
「は、はい...どうぞ...」
「ではクリス様、私は冒険者のカリナと申します。よろしくお願い致します」
私はクリス様を良く観察してみる。
うん、めっちゃ可愛い! この色なんて言うんだろ? ショッキングピンク? 良く分かんないけど、どうやったらこんな色なるんだ? というくらいピンク色の髪に、小動物のような可憐な容姿。歳は15、6歳くらいだと思うけど、私よりもちっちゃい。
思わず「お持ち帰りした~い!」って叫びそうになっちゃったよ。いや叫ばんけど。とにかくそれだけ可愛いらしいってこと。こりゃあ野郎どもは放っておかないよね。
「それではご依頼の内容をご説明頂けますか?」
「は、はい...あの、ウチは子爵家とは名ばかりの貧乏貴族でして、使用人も満足に雇えません...そんな私達の元に、思いも寄らない高位の方から縁談の話を頂きまして...その方の元へご挨拶に赴くために旅をすることになりまして...そのために護衛をお願いすることになった次第です...」
「なるほど...お話は良く分かりました。ですが、一点確認させて下さい。普通、そのような場合は殿方の方から来られるものと思っておりました。今回、クリス様の方から赴くのにはなにか理由があるのでしょうか?」
少なくともイアン様は来てくれたもんね。それが当たり前だと思ってたよ。
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それなら仕方ないね。でもなんだろ? なにか引っ掛かるような気が...気のせいだよね...
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「あ、ありがとうございます...」
私はすっかり冷めてしまったお茶を飲みながら、
「それで? お相手の方のお名前はなんと仰っるのですか?」
「は、はい、イアン様。イアン・コリンズ侯爵様と仰っいます...」
「プッハァァァッ~!」
私は盛大にお茶を吹き出したのであった...
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