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旅路
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「へぇ~ それじゃあお二方とも以前は冒険者だったんですか~」
王都を出て馬車をのんびりと走らせながら、私はケリー様とお喋りしていた。
「あぁ、俺とビリーの他にも何人かと一緒にパーティーを組んでいたんだが、その内に他のみんなと意見が合わなくなっちまってな。ビリーと共にパーティーから抜けたんだ。そんで新しい仲間を探している時、たまたまイアン様が緊急の護衛依頼を出していてな。パーティーを抜けたばっかりで金に困っていた俺とビリーは、すぐさま飛び付いたんだ。その時にイアン様にえらく気に入られちまってな。それ以来、こうしてイアン様の専属護衛に抜擢されて今に至るって訳だ」
「なるほど~ あ、また出ましたよ?」
「またか...本当に多いな...馬車を止めてくれ」
「は~い」
王都を出てから今日で3日目、これで5回目の盗賊による襲撃である。この国の治安が乱れている証拠だ。アクセル様達、きっと大変だろうなって他人事みたいに思いながら、
「じゃあいつものように」
「あぁ、頼む」
私は御者席から客席に移りイアン様に報告する。
「イアン様、また盗賊の襲撃です」
「またか...」
「カリナ、兄貴は?」
「いつも通り前方に向かいました」
「分かった。俺は後方に向かう。イアン様をよろしく頼む」
「了解です。イアン様、行きますよ?」
「えっ!? あ、あぁ...」
私はイアン様の体に触れ、亜空間に引き込む。
「何度来ても慣れないな...この亜空間ってのは...」
イアン様が周りを見回しながら、不安げに呟く。
「そうですか? どこよりも安全なんですけどねぇ。あ、ほら。早速ケリー様は賊を片付けたようですよ?」
私は亜空間の一部を可視化しながら、イアン様にそう言った。元冒険者だけあって、あのお二方は本当に強い。盗賊なんか何人束になっても敵わないくらい。
私も安心して見ていられる。
「僕も戦えるんだけどなぁ...」
「ダメですよ~ イアン様が強いのは知ってますけど、万が一ってことがありますから~ ここで大人しく見てましょうね~?」
イアン様はかなり強力な氷魔法の使い手だ。それは良く知ってる。伊達に婚約者だった訳じゃない。だからこそ、こんな盗賊相手に力を使うなんて勿体ない。
使うべき時が来るまで力を温存して貰おう。そうこうしている内に、ビリー様の方も片付いたようだ。私達は歩みを進める。
途中、町に立ち寄ったりはせず、ずっと夜営で過ごしている。その方が安全だからだ。アクセル様達の時のような暗殺者が来ることはないだろうけど、なんとなくホテルに泊まる気にはなれなかった。
もちろん、寝る時は全員を亜空間に引き込んでいる。ケリー様とビリー様も最初こそビックリしていたが、今では慣れたもんだ。
やがてアクセル様達と出会った、あのただっ広い平原に辿り着いた。
王都を出て馬車をのんびりと走らせながら、私はケリー様とお喋りしていた。
「あぁ、俺とビリーの他にも何人かと一緒にパーティーを組んでいたんだが、その内に他のみんなと意見が合わなくなっちまってな。ビリーと共にパーティーから抜けたんだ。そんで新しい仲間を探している時、たまたまイアン様が緊急の護衛依頼を出していてな。パーティーを抜けたばっかりで金に困っていた俺とビリーは、すぐさま飛び付いたんだ。その時にイアン様にえらく気に入られちまってな。それ以来、こうしてイアン様の専属護衛に抜擢されて今に至るって訳だ」
「なるほど~ あ、また出ましたよ?」
「またか...本当に多いな...馬車を止めてくれ」
「は~い」
王都を出てから今日で3日目、これで5回目の盗賊による襲撃である。この国の治安が乱れている証拠だ。アクセル様達、きっと大変だろうなって他人事みたいに思いながら、
「じゃあいつものように」
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「イアン様、また盗賊の襲撃です」
「またか...」
「カリナ、兄貴は?」
「いつも通り前方に向かいました」
「分かった。俺は後方に向かう。イアン様をよろしく頼む」
「了解です。イアン様、行きますよ?」
「えっ!? あ、あぁ...」
私はイアン様の体に触れ、亜空間に引き込む。
「何度来ても慣れないな...この亜空間ってのは...」
イアン様が周りを見回しながら、不安げに呟く。
「そうですか? どこよりも安全なんですけどねぇ。あ、ほら。早速ケリー様は賊を片付けたようですよ?」
私は亜空間の一部を可視化しながら、イアン様にそう言った。元冒険者だけあって、あのお二方は本当に強い。盗賊なんか何人束になっても敵わないくらい。
私も安心して見ていられる。
「僕も戦えるんだけどなぁ...」
「ダメですよ~ イアン様が強いのは知ってますけど、万が一ってことがありますから~ ここで大人しく見てましょうね~?」
イアン様はかなり強力な氷魔法の使い手だ。それは良く知ってる。伊達に婚約者だった訳じゃない。だからこそ、こんな盗賊相手に力を使うなんて勿体ない。
使うべき時が来るまで力を温存して貰おう。そうこうしている内に、ビリー様の方も片付いたようだ。私達は歩みを進める。
途中、町に立ち寄ったりはせず、ずっと夜営で過ごしている。その方が安全だからだ。アクセル様達の時のような暗殺者が来ることはないだろうけど、なんとなくホテルに泊まる気にはなれなかった。
もちろん、寝る時は全員を亜空間に引き込んでいる。ケリー様とビリー様も最初こそビックリしていたが、今では慣れたもんだ。
やがてアクセル様達と出会った、あのただっ広い平原に辿り着いた。
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