空間魔法って実は凄いんです

真理亜

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クーデター後始末2

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 アッシュ殿下が去った後、部屋は重たい雰囲気に包まれた。

「次に誰を出します?」

 私はそんな雰囲気を吹き飛ばすように、敢えて明るく言った。

「そうだな...兄上の配下がかなり居るんだったか?」

「はい、恐らく20人以上は居るかと」

 この部屋一杯になっちゃうね。

「多いな..それとミネルバ自身とその配下も居るんだったな」

「はい...それとその...イアン様も...」

 私はちょっと言い辛かった。間違いなくイアン様も罪に問われるからだ。

「そうか...ではまずミネルバを頼む」

「分かりました」

 ミネルバを亜空間から引っ張り出した。彼女は暴れ疲れたのか放心状態だった。

「ミネルバ嬢、度重なるカリナへの殺害未遂、今度こそ只で済むと思うな! しかも他国の貴族に我が王宮の抜け道を教えるなど言語道断! 反逆罪として極刑は逃れんものと覚悟しろ!」

 アクセル様が厳しく追及すると、途端にミネルバが狼狽えた始めた。

「な、なぜです!? なぜ私が罰せられるのですか!? たかが平民を1人殺そうとしたからって」

「カリナは平民ではない! 我が国の伯爵令嬢だ!」

 ミネルバの言葉を遮ってアクセル様が叫ぶ。

「んなぁ!? い、いつの間に!?...」

 ミネルバは私が養子縁組したことを知らなかったようだ。まぁ確かに知る由もないよね。別に声高に喧伝した訳でもないしさ。

「それにだ、たとえ平民であったとしても、罪無き者を害そうとすれば罰せられる! そんなことも分からないのか!」

「罪ならあるじゃないですか!」

「カリナがどんな罪を犯したって言うんだ!?」

「アクセル様を誘惑しました! 私が婚約者から外されたのは、その女が原因なんでしょう!? 薄汚い平民の分際でよくもアクセル様を! 許せる訳がないでしょう!」

 いやそんな事実はねぇし。妄想激し過ぎだろこの女。それと私が貴族だって今言われたばっかじゃん。自分に都合の悪いことはすぐに忘れるタイプだな。

「バカなことを言うな! カリナはそんなことしていない! それに貴様はあくまでも婚約者候補の1人にしか過ぎん! 自分に都合の良いように事実を書き換えるな!」 

「そ、それは確かにそうですが、アクセル様は私のことを好いていてくれたじゃないですか!」

「そんな事実は全くない! 貴様が勝手に纏わり付いて来ただけで、俺はホトホト迷惑していたんだ! ウンザリしていた!」

「そ、そんな...」

 ついにミネルバが崩れ落ちた。 

「大体だな、他の婚約者候補の令嬢達に陰湿な虐めを繰り返していた貴様を、この俺が好きになるはずがないだろう!」

 もはやミネルバは言葉も無いようだ。

「この女を引っ立てろ!」

 ミネルバは黙って引き摺られて行った。
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