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クーデター後始末

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「カリナ! 良く来てくれた!」

「わぷっ!」

 いきなりアクセル様に抱き締められた私は、思わず変な声を出してしまった。

「アクセル殿下、今はお控え下さい」「アクセル殿下、イチャ付いてる場合じゃないでしょう」「アクセル! 貴様、なんて羨ましいことを! 儂もっぐえっ!」「あなたは引っ込んでなさい!」

 なんだか外野が騒がしいので、いい加減離れてくれませんかね? アクセル様?


◇◇◇


「そうか...ミネルバが...」

 私がここに至るまでの経緯を説明したところ、アクセル様は遠い目をしながら呟いた。

「ということで現在、かなり沢山の人が亜空間に居る訳なんですが、誰から出します?」

「その前にカイル、アラン、近衛騎士の詰所に行って騎士を呼んで来てくれ。カリナの話だと犠牲者が何人か居るようだ。そちらの処理も頼む」

「「 御意! 」」

「あっ! バインドロープを持ってたら貸してくれません?」

 私が持ってた分はミネルバとマジックキャンセラーの男に使っちゃったからね。

「スマン、俺は持ってない」「ほら受け取れ、二本ある」

「あ、ありがとうございます」

 カイル様とアラン様が出て行った後、気まずそうにアクセル様が尋ねる。

「その...兄上はどんな様子だ?」

「ちょっと待って下さい」

 私は亜空間を覗いてみた。

「うわぁ...剣を抜いて暴れ回ってますけど...」

「そうか...拘束してから出してくれるか?」

「分かりました」

 私はバインドロープを投げ付けて大人しくさせてから亜空間を解除した。

「うおっ!? な、なんだ!? 何が起こったんだ!? 俺はさっきまでどこに居たんだ!?」

 拘束されたアッシュ殿下が混乱した様子で、周りをキョロキョロと見回し、同じように拘束されているマジックキャンセラーの男を見てこう叫んだ。

「おい、ゲイル! 一体なにがどうなってる!?」

「申し訳ありません、アッシュ殿下...我々の負けです...」

 ゲイルと呼ばれた男は力なく呟いた。

「そ、そんなバカな...我々の計画は完璧だったはずだ...一体どうして...ハッ!」

 そこでようやく私の存在に気付いたらしい。

「貴様か!? 貴様が何かしたのか!? おい女! 答えろ!」

「いい加減にせんか! アッシュ!」

 国王陛下が怒鳴り付けた。

「分かっとると思うが国家反逆罪は極刑じゃ! 母親と共に地獄へ落ちるがいい!」

「クソッ! クソッ! あと少しで全てを手に入れられたのに!」

 そこへちょうどカイル様とアラン様が近衛騎士を引き連れて戻って来た。

「こやつらを連れて行け!」

 国王陛下に命じられて、アッシュ殿下とゲイルは引っ立てられて行った。
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