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クーデター終息
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離宮へと向かう私の目に信じられない光景が飛び込んで来た。
近衛騎士の方々が離宮へと続く道の途中に点々と倒れているのだ。どれも見覚えのある人達ばかりで、残念ながら既に事切れていた。
私の頭の中に浮かんだ言葉はクーデター。それしかなかった。今、離宮には国王夫妻のみならずアクセル様も一緒に居るはずだ。
そうなるとクーデターの主犯はアッシュ殿下ということになる。私はアッシュ殿下のあの爬虫類を連想させる冷酷そうな瞳を思い出し、思わず身震いした。
私は離宮へと急ぐ。すると離宮の入口には既に、アッシュ殿下の配下と思われる者が二人立って番をしていた。アッシュ殿下の護衛という、あのマジックキャンセラーの姿は見えない。
私は亜空間に潜みながら、ゆっくりと二人の番兵に近付く。魔法が消される様子は無い。どうやらあの男が干渉できる範囲は、そんなに広くないようだ。
私は二人の番兵に同時に触れて、瞬時に亜空間へ放り込む。今日の亜空間は千客万来だ。イアン様やミネルバの配下含め全員個室に放り込んであるから、ヘタな考えを起こすヤツもいないだろう。
私は再び亜空間に身を潜めながら、離宮へと足を踏み入れた。途中、アッシュ殿下の配下を見付ける度に、片っ端から亜空間へと放り込みながら先に進む。
やがて国王陛下の部屋が見えて来た。部屋の外は一番配下の数が多い。私はマジックキャンセラーに注意しながら、少しずつ配下の数を減らしていく。
ついに配下が誰も居なくなった。私はそっと部屋の中を覗き込む。中に居るのは私に背中を向けているアッシュ殿下と、マジックキャンセラーの男。そして彼らと相対しているアクセル様。その両隣にはカイル様とアラン様。一番後ろに国王夫妻。
この国の重要人物が全て一部屋に集まっていた。そんな中、アッシュ殿下が何やら演説している。覗いている私とアクセル様の目が合った。私は「シーッ!」と合図しながら、ゆっくりとアッシュ殿下に近付いて行く。マジックキャンセラーの男はまだ気付かない。
「...そう誓ったんだ! 覚悟しろ! 愚かな王に呪われた子よ!」
アッシュ殿下の演説が終わったようだ。今にも一触即発の空気が漂う中、私はアッシュ殿下の体に触れて亜空間に放り込んだ。
「なっ!? 貴様っ!」
マジックキャンセラーの男が今頃気付いたがもう遅い。亜空間に放り込んだ後では私の魔法を消そうとしても無意味だ。
「無駄よ。あなたの能力でも私の作った亜空間には干渉できないわ。諦めなさい」
そう言って私はバインドロープで男を拘束した。
「くっ!? き、貴様! 空間魔法使いなのか!?」
「えぇそうよ。ちなみにあなた達のお仲間も全員亜空間に放り込んであるわ。もう終わりよ」
私がそう言うと、男はガックリと項垂れてしまった。私はアクセル様達の方を向いて、
「遅くなりました! カリナ、只今到着しました!」
笑いながらそう言った。
近衛騎士の方々が離宮へと続く道の途中に点々と倒れているのだ。どれも見覚えのある人達ばかりで、残念ながら既に事切れていた。
私の頭の中に浮かんだ言葉はクーデター。それしかなかった。今、離宮には国王夫妻のみならずアクセル様も一緒に居るはずだ。
そうなるとクーデターの主犯はアッシュ殿下ということになる。私はアッシュ殿下のあの爬虫類を連想させる冷酷そうな瞳を思い出し、思わず身震いした。
私は離宮へと急ぐ。すると離宮の入口には既に、アッシュ殿下の配下と思われる者が二人立って番をしていた。アッシュ殿下の護衛という、あのマジックキャンセラーの姿は見えない。
私は亜空間に潜みながら、ゆっくりと二人の番兵に近付く。魔法が消される様子は無い。どうやらあの男が干渉できる範囲は、そんなに広くないようだ。
私は二人の番兵に同時に触れて、瞬時に亜空間へ放り込む。今日の亜空間は千客万来だ。イアン様やミネルバの配下含め全員個室に放り込んであるから、ヘタな考えを起こすヤツもいないだろう。
私は再び亜空間に身を潜めながら、離宮へと足を踏み入れた。途中、アッシュ殿下の配下を見付ける度に、片っ端から亜空間へと放り込みながら先に進む。
やがて国王陛下の部屋が見えて来た。部屋の外は一番配下の数が多い。私はマジックキャンセラーに注意しながら、少しずつ配下の数を減らしていく。
ついに配下が誰も居なくなった。私はそっと部屋の中を覗き込む。中に居るのは私に背中を向けているアッシュ殿下と、マジックキャンセラーの男。そして彼らと相対しているアクセル様。その両隣にはカイル様とアラン様。一番後ろに国王夫妻。
この国の重要人物が全て一部屋に集まっていた。そんな中、アッシュ殿下が何やら演説している。覗いている私とアクセル様の目が合った。私は「シーッ!」と合図しながら、ゆっくりとアッシュ殿下に近付いて行く。マジックキャンセラーの男はまだ気付かない。
「...そう誓ったんだ! 覚悟しろ! 愚かな王に呪われた子よ!」
アッシュ殿下の演説が終わったようだ。今にも一触即発の空気が漂う中、私はアッシュ殿下の体に触れて亜空間に放り込んだ。
「なっ!? 貴様っ!」
マジックキャンセラーの男が今頃気付いたがもう遅い。亜空間に放り込んだ後では私の魔法を消そうとしても無意味だ。
「無駄よ。あなたの能力でも私の作った亜空間には干渉できないわ。諦めなさい」
そう言って私はバインドロープで男を拘束した。
「くっ!? き、貴様! 空間魔法使いなのか!?」
「えぇそうよ。ちなみにあなた達のお仲間も全員亜空間に放り込んであるわ。もう終わりよ」
私がそう言うと、男はガックリと項垂れてしまった。私はアクセル様達の方を向いて、
「遅くなりました! カリナ、只今到着しました!」
笑いながらそう言った。
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