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手掛かり
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それから何日か経ったある日、アラン様がアクセル様の執務室にやって来た。
「殿下、手掛かりがやっと見付かりました」
「手掛かり?」
「はい、爆弾犯のです。爆弾の破片を繋ぎ合わせていた過程で浮かび上がりました」
あぁ、そう言えば...何か手掛かりになるモノが見付かるかも知れないって言われて、粉々になった爆弾の欠片をアラン様に渡しておいたっけ。
あれを繋ぎ合わせるって大変だったろうなぁ。地道な作業が実を結んだってことだね! 凄い! 偉い! 私にゃとても真似出来ない!
細かい作業って苦手なんだよ...刺繍とか裁縫とかホント下手っぴだし...女らしくなくて悪かったな! どうせ私はおおざっぱな女だよ!
「誰だった?」
「ウィラー侯爵です。タイマーとして使われた懐中時計から目星を付けました。かの地は精密機械の生産で有名ですから」
「ウィラー侯爵か...確か兄上の派閥のTOPであるキスリング公爵の子飼いだったな」
「はい、呼び出しますか?」
「いや、どうせシラを切られて終わりだろう」
「俺にちょっと考えがあります」
「ほう? どんな?」
「まずはウィラー侯爵を呼び出して貰えますか?」
「いいだろう。それで?」
「あるモノを渡して反応を見たいと思います。そこでカリナにちょっと協力して欲しいんだけどいいかな?」
「へっ!? 私ですか!?」
いきなり私にフラれるとは思わなかったよ。一体なんだろ?
◇◇◇
更に数日後、ウィラー侯爵が呼び出されてアクセル様の執務室にやって来た。なんだかソワソワしていて落ち着かない様子だ。
「ウィラー侯爵、良く来てくれた。いきなり呼び出して済まない」
「い、いえ、とんでもございません。それで本日はどのようなご用件でしょうか?」
「精密機械に詳しい侯爵にプレゼントしたいモノがあってな」
「プレゼント...ですか?」
うんうん、いきなりそんなこと言われたらビックリするよねぇ。だって特別親しい間柄って訳でもないんだから。
「あぁ、とある国で作られた時計仕掛けの箱でな。珍しいんで侯爵なら興味を持つんじゃないかと思ってな」
「なるほど、そういうことでしたか」
ウィラー侯爵がちょっと安心したような顔になったね。でも残念、本番はここからなんだよん♪
「カリナ、箱をここに」
「は~い♪」
「ぐぽぅっ!」
私が持って来た箱を見た瞬間、ウィラー侯爵が変な声を上げた♪ プークスクス♪ 動揺してる♪ 動揺してる♪
そりゃそうだよねぇ♪ あの時の爆弾と寸分違わぬ黒い箱が出て来たんだもん♪ 私の記憶力は人の顔を覚えるだけじゃなく、こういったことにも発揮されちゃうのよ~♪
「侯爵、どうぞ手に取ってじっくりと見てくれ」
ウィラー侯爵が震える手で箱を持たされてる♪ どう? 重さも質感もそのままでしょ? プークスクス♪ もちろん中には懐中時計が入ってるよん♪ チクタクチクタク♪
「侯爵? どうした? 顔色が悪いようだが具合でも悪いのか?」
「え、えぇ、申し訳ありません。どうも気分が優れないようでして...お暇させて頂いてもよろしいでしょうか...」
「それはいけないな。体を労ってくれ」
「で、では失礼して...」
「あぁ、侯爵。箱を忘れているぞ?」
箱を持たされたウィラー侯爵は、この世の終わりのような顔をして帰って行きましたとさ♪ プークスクス♪
「アラン、監視しろ。恐らくすぐにキスリング公爵へ連絡するはずだ」
「畏まりました」
アクセル様が側に控えていたアラン様に指示する。あとは相手がどう動くかだね。
「殿下、手掛かりがやっと見付かりました」
「手掛かり?」
「はい、爆弾犯のです。爆弾の破片を繋ぎ合わせていた過程で浮かび上がりました」
あぁ、そう言えば...何か手掛かりになるモノが見付かるかも知れないって言われて、粉々になった爆弾の欠片をアラン様に渡しておいたっけ。
あれを繋ぎ合わせるって大変だったろうなぁ。地道な作業が実を結んだってことだね! 凄い! 偉い! 私にゃとても真似出来ない!
細かい作業って苦手なんだよ...刺繍とか裁縫とかホント下手っぴだし...女らしくなくて悪かったな! どうせ私はおおざっぱな女だよ!
「誰だった?」
「ウィラー侯爵です。タイマーとして使われた懐中時計から目星を付けました。かの地は精密機械の生産で有名ですから」
「ウィラー侯爵か...確か兄上の派閥のTOPであるキスリング公爵の子飼いだったな」
「はい、呼び出しますか?」
「いや、どうせシラを切られて終わりだろう」
「俺にちょっと考えがあります」
「ほう? どんな?」
「まずはウィラー侯爵を呼び出して貰えますか?」
「いいだろう。それで?」
「あるモノを渡して反応を見たいと思います。そこでカリナにちょっと協力して欲しいんだけどいいかな?」
「へっ!? 私ですか!?」
いきなり私にフラれるとは思わなかったよ。一体なんだろ?
◇◇◇
更に数日後、ウィラー侯爵が呼び出されてアクセル様の執務室にやって来た。なんだかソワソワしていて落ち着かない様子だ。
「ウィラー侯爵、良く来てくれた。いきなり呼び出して済まない」
「い、いえ、とんでもございません。それで本日はどのようなご用件でしょうか?」
「精密機械に詳しい侯爵にプレゼントしたいモノがあってな」
「プレゼント...ですか?」
うんうん、いきなりそんなこと言われたらビックリするよねぇ。だって特別親しい間柄って訳でもないんだから。
「あぁ、とある国で作られた時計仕掛けの箱でな。珍しいんで侯爵なら興味を持つんじゃないかと思ってな」
「なるほど、そういうことでしたか」
ウィラー侯爵がちょっと安心したような顔になったね。でも残念、本番はここからなんだよん♪
「カリナ、箱をここに」
「は~い♪」
「ぐぽぅっ!」
私が持って来た箱を見た瞬間、ウィラー侯爵が変な声を上げた♪ プークスクス♪ 動揺してる♪ 動揺してる♪
そりゃそうだよねぇ♪ あの時の爆弾と寸分違わぬ黒い箱が出て来たんだもん♪ 私の記憶力は人の顔を覚えるだけじゃなく、こういったことにも発揮されちゃうのよ~♪
「侯爵、どうぞ手に取ってじっくりと見てくれ」
ウィラー侯爵が震える手で箱を持たされてる♪ どう? 重さも質感もそのままでしょ? プークスクス♪ もちろん中には懐中時計が入ってるよん♪ チクタクチクタク♪
「侯爵? どうした? 顔色が悪いようだが具合でも悪いのか?」
「え、えぇ、申し訳ありません。どうも気分が優れないようでして...お暇させて頂いてもよろしいでしょうか...」
「それはいけないな。体を労ってくれ」
「で、では失礼して...」
「あぁ、侯爵。箱を忘れているぞ?」
箱を持たされたウィラー侯爵は、この世の終わりのような顔をして帰って行きましたとさ♪ プークスクス♪
「アラン、監視しろ。恐らくすぐにキスリング公爵へ連絡するはずだ」
「畏まりました」
アクセル様が側に控えていたアラン様に指示する。あとは相手がどう動くかだね。
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