空間魔法って実は凄いんです

真理亜

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刺客2

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「さて、誰に頼まれた?」

 今、アクセル様が直々に男達の1人を尋問している。最初に私が倒したヤツだ。わざと生かしておいた。残りは全員死亡している。

 アラン様はこの町の衛兵を呼びに行っていて、ここに居るのはカイル様と私とアクセル様だけだ。カイル様は他にも伏兵が居るかも知れないので、辺りを警戒している。

 てっきり黙りを決め込むかと思った男は、意外にも素直に白状した。

「...か、金で雇われたんだ...こにに馬車を立ち往生させて、通り掛かる豪華な馬車を襲えって...そいつらも同じだ。今日、初めて顔を合わせた。雇ったヤツからは人数合わせだって言われた...」

 そう言って男は倒れてる連中に目を向けた。

「お前らを雇ったヤツってのはどんな男だった?」

「...知らねぇ...全身黒尽くめでフードを深く被ってやがったから顔は見ていねぇ...」

「もう1つ聞く。この先にある孤児院の子に爆弾を渡したのは、お前らの内の誰か1人か?」

「...爆弾? 孤児院? なんのことだ? 俺達は全員、ここで待機していただけだぞ?」

 ウソを吐いている様子はない。どうやら本当に知らなかったようだ。ということは爆弾をあの女の子に渡したのは、こいつらを雇った男本人か若しくはその仲間ということだろう。

 その時、アラン様が衛兵を5、6人引き連れて戻って来た。

「殿下、遅くなりました」

「ご苦労、アラン。お前達、後は任せる」

 アクセル様が衛兵の1人に声を掛ける。するとその衛兵が申し訳なさそうな顔をして、

「アクセル殿下、昼日中このように町中で蛮行を働く輩が出るとは...町の治安を預かる身として大変申し訳なく...」

 そう言って近付いて来る衛兵に違和感を感じた。アクセル様の御前だというのに、左手を剣の柄に掛けたままなのだ。そう、まるでこれから抜刀するぞと言わんばかりに。私はアクセル様のすぐ側に寄った。

 衛兵が抜刀するのと、私がアクセル様を亜空間に引き込むのはほとんど同時だった。

「うおっ!? な、なんだ!?」

 困惑しているアクセル様は放置して、次はアラン様も一緒に亜空間へ引き込む。

「お前らぁ! よくもっ! ってあれ!?」

 衛兵...いや偽衛兵に斬り掛かろうとしていたのだろう。アラン様も困惑しているが同じく放置する。まだカイル様が残っているからだ。私は辺りを警戒しているカイル様に近付き、問答無用で亜空間へ引き込む。

「どわっ!? な、なんだ!? なにが起こった!?」

 3人とも無事確保に成功したので、改めて元の場所を観察してみる。いきなり消えた私達を探して、右往左往している様子の偽衛兵どもが見える。全員が抜刀している。

 先程、アクセル様が尋問した男は、口封じのためか偽衛兵どもに始末されたようだ。

 さて、これからどうしようか?
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