29 / 462
悪役令嬢
しおりを挟む
「言い掛かりは止めて下さい。事実は全く逆です。突き落とされそうになったのは私の方です。それを避けたらあの侍女さんが勝手に落ちて行ったんです」
「なっ!? あなた、私の侍女がウソを吐いていると言うの!?」
「その通りですがなにか?」
事実そうだからね。
「ウソを吐いてるって証拠でもあるって言うの!?」
「逆にお聞きしますけど、私が突き落としたっていう証拠はあるんですか?」
「だから! 私の侍女がそう証言したって言ってるんじゃないの!?」
やれやれ...バカと話してると疲れるわ...
「お話になりませんね。当人がそう言ってるってだけで他に証人は居ないんでしょう? 全く説得力ありませんよ?」
あの時、周りには誰も居なかったからね。
「あ、あなた、開き直る気?」
「そんなつもりはありませんよ。事実を述べたまでです。ところで、ちょっと確認したいんですが、あの侍女さんってミネルバ様付きの侍女さんなんですよね? 道理で見覚えが無い顔だと思いましたよ」
「そ、それがどうかしたの!?」
「どうしてあの時間、あんな場所に居たんですか? ミネルバ様が王子妃教育を受けてらっしゃる場所からかなり離れていますよね?」
図書室の前だったからね。私の後を尾けてたってことなんだろうけど。
「そ、それは...そ、そう! ついうっかり道に迷ったって言ってたわ!」
はい、うっかり頂きました♪
「うっかりですか。それは奇遇ですね、ミネルバ様。私、今日だけで3回も侍女さんのうっかりで危うく大怪我をするところでしたの」
「そ、そう? それは大変だったわね...」
プークスクス♪ 動揺してる♪ 動揺してる♪
「えぇ、1回目は植木鉢を投げ付けられ、2回目は熱々の飲み物を掛けられそうになり、3回目は百科事典を落とされましたの。幸い全て大事には至らなかったのですが、その3人のうっかり侍女さん達も全員見覚えが無い顔でしたの。ミネルバ様、なにかご存知ありませんか?」
「な、なんでそれを私に聞くのよ!? 知らないわよ!」
「そうなんですか? うっかり侍女さん繋がりで、てっきりミネルバ様の関係者かと」
「あ、あんた! 私をバカにしてんの!?」
プークスクス♪ 今頃気付いたおバカさん♪
「いえいえ、とんでもない。それよりミネルバ様、先程からお言葉が乱れておりましてよ? ミネルバ様ともあろうお方が淑女として恥ずかしいんじゃございませんこと? オーッホホホッ!」
一度やってみたかった悪役令嬢笑い! いやあ、やってみると気持ちいいもんだね♪
「あ、あんた! 覚えてなさいよ!」
三下が吐くような捨てセリフを残して、来た時と同じように挨拶も無しにミネルバは出て行った。いやこれ不敬に値するんじゃないの!?
「プハハハッ! いやいやお見事! プハハハッ! ヒィヒィ! く、苦しい...」
アクセル様、笑い過ぎだよ...
「なっ!? あなた、私の侍女がウソを吐いていると言うの!?」
「その通りですがなにか?」
事実そうだからね。
「ウソを吐いてるって証拠でもあるって言うの!?」
「逆にお聞きしますけど、私が突き落としたっていう証拠はあるんですか?」
「だから! 私の侍女がそう証言したって言ってるんじゃないの!?」
やれやれ...バカと話してると疲れるわ...
「お話になりませんね。当人がそう言ってるってだけで他に証人は居ないんでしょう? 全く説得力ありませんよ?」
あの時、周りには誰も居なかったからね。
「あ、あなた、開き直る気?」
「そんなつもりはありませんよ。事実を述べたまでです。ところで、ちょっと確認したいんですが、あの侍女さんってミネルバ様付きの侍女さんなんですよね? 道理で見覚えが無い顔だと思いましたよ」
「そ、それがどうかしたの!?」
「どうしてあの時間、あんな場所に居たんですか? ミネルバ様が王子妃教育を受けてらっしゃる場所からかなり離れていますよね?」
図書室の前だったからね。私の後を尾けてたってことなんだろうけど。
「そ、それは...そ、そう! ついうっかり道に迷ったって言ってたわ!」
はい、うっかり頂きました♪
「うっかりですか。それは奇遇ですね、ミネルバ様。私、今日だけで3回も侍女さんのうっかりで危うく大怪我をするところでしたの」
「そ、そう? それは大変だったわね...」
プークスクス♪ 動揺してる♪ 動揺してる♪
「えぇ、1回目は植木鉢を投げ付けられ、2回目は熱々の飲み物を掛けられそうになり、3回目は百科事典を落とされましたの。幸い全て大事には至らなかったのですが、その3人のうっかり侍女さん達も全員見覚えが無い顔でしたの。ミネルバ様、なにかご存知ありませんか?」
「な、なんでそれを私に聞くのよ!? 知らないわよ!」
「そうなんですか? うっかり侍女さん繋がりで、てっきりミネルバ様の関係者かと」
「あ、あんた! 私をバカにしてんの!?」
プークスクス♪ 今頃気付いたおバカさん♪
「いえいえ、とんでもない。それよりミネルバ様、先程からお言葉が乱れておりましてよ? ミネルバ様ともあろうお方が淑女として恥ずかしいんじゃございませんこと? オーッホホホッ!」
一度やってみたかった悪役令嬢笑い! いやあ、やってみると気持ちいいもんだね♪
「あ、あんた! 覚えてなさいよ!」
三下が吐くような捨てセリフを残して、来た時と同じように挨拶も無しにミネルバは出て行った。いやこれ不敬に値するんじゃないの!?
「プハハハッ! いやいやお見事! プハハハッ! ヒィヒィ! く、苦しい...」
アクセル様、笑い過ぎだよ...
75
お気に入りに追加
3,980
あなたにおすすめの小説
異世界転移しましたが、面倒事に巻き込まれそうな予感しかしないので早めに逃げ出す事にします。
sou
ファンタジー
蕪木高等学校3年1組の生徒40名は突如眩い光に包まれた。
目が覚めた彼らは異世界転移し見知らぬ国、リスランダ王国へと転移していたのだ。
「勇者たちよ…この国を救ってくれ…えっ!一人いなくなった?どこに?」
これは、面倒事を予感した主人公がいち早く逃げ出し、平穏な暮らしを目指す物語。
なろう、カクヨムにも同作を投稿しています。
森だった 確かに自宅近くで犬のお散歩してたのに。。ここ どこーーーー
ポチ
ファンタジー
何か 私的には好きな場所だけど
安全が確保されてたらの話だよそれは
犬のお散歩してたはずなのに
何故か寝ていた。。おばちゃんはどうすれば良いのか。。
何だか10歳になったっぽいし
あらら
初めて書くので拙いですがよろしくお願いします
あと、こうだったら良いなー
だらけなので、ご都合主義でしかありません。。
子爵家の長男ですが魔法適性が皆無だったので孤児院に預けられました。変化魔法があれば魔法適性なんて無くても無問題!
八神
ファンタジー
主人公『リデック・ゼルハイト』は子爵家の長男として産まれたが、検査によって『魔法適性が一切無い』と判明したため父親である当主の判断で孤児院に預けられた。
『魔法適性』とは読んで字のごとく魔法を扱う適性である。
魔力を持つ人間には差はあれど基本的にみんな生まれつき様々な属性の魔法適性が備わっている。
しかし例外というのはどの世界にも存在し、魔力を持つ人間の中にもごく稀に魔法適性が全くない状態で産まれてくる人も…
そんな主人公、リデックが5歳になったある日…ふと前世の記憶を思い出し、魔法適性に関係の無い変化魔法に目をつける。
しかしその魔法は『魔物に変身する』というもので人々からはあまり好意的に思われていない魔法だった。
…はたして主人公の運命やいかに…
異世界召喚失敗から始まるぶらり旅〜自由気ままにしてたら大変なことになった〜
ei_sainome
ファンタジー
クラスメイト全員が異世界に召喚されてしまった!
謁見の間に通され、王様たちから我が国を救って欲しい云々言われるお約束が…始まらない。
教室内が光ったと思えば、気づけば地下に閉じ込められていて、そこには誰もいなかった。
勝手に召喚されたあげく、誰も事情を知らない。未知の世界で、自分たちの力だけでどうやって生きていけというのか。
元の世界に帰るための方法を探し求めて各地を放浪する旅に出るが、似たように見えて全く異なる生態や人の価値観と文化の差に苦悩する。
力を持っていても順応できるかは話が別だった。
クラスメイトたちにはそれぞれ抱える内面や事情もあり…新たな世界で心身共に表面化していく。
※ご注意※
初投稿、試作、マイペース進行となります。
作品名は今後改題する可能性があります。
世界観だけプロットがあり、話の方向性はその場で決まります。
旅に出るまで(序章)がすごく長いです。
他サイトでも同作を投稿しています。
更新頻度は1〜3日程度を目標にしています。
【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。
【完結】父が再婚。義母には連れ子がいて一つ下の妹になるそうですが……ちょうだい癖のある義妹に寮生活は無理なのでは?
つくも茄子
ファンタジー
父が再婚をしました。お相手は男爵夫人。
平民の我が家でいいのですか?
疑問に思うものの、よくよく聞けば、相手も再婚で、娘が一人いるとのこと。
義妹はそれは美しい少女でした。義母に似たのでしょう。父も実娘をそっちのけで義妹にメロメロです。ですが、この新しい義妹には悪癖があるようで、人の物を欲しがるのです。「お義姉様、ちょうだい!」が口癖。あまりに煩いので快く渡しています。何故かって?もうすぐ、学園での寮生活に入るからです。少しの間だけ我慢すれば済むこと。
学園では煩い家族がいない分、のびのびと過ごせていたのですが、義妹が入学してきました。
必ずしも入学しなければならない、というわけではありません。
勉強嫌いの義妹。
この学園は成績順だということを知らないのでは?思った通り、最下位クラスにいってしまった義妹。
両親に駄々をこねているようです。
私のところにも手紙を送ってくるのですから、相当です。
しかも、寮やクラスで揉め事を起こしては顰蹙を買っています。入学早々に学園中の女子を敵にまわしたのです!やりたい放題の義妹に、とうとう、ある処置を施され・・・。
なろう、カクヨム、にも公開中。
今さら帰ってこいなんて言われても。~森に移住した追放聖女は快適で優雅に暮らす~
ケンノジ
ファンタジー
「もうお前は要らない女だ!」
聖女として国に奉仕し続けてきたシルヴィは、第一王子ヴィンセントに婚約破棄と国外追放を言い渡される。
その理由は、シルヴィより強い力を持つ公爵家のご令嬢が現れたからだという。
ヴィンセントは態度を一変させシルヴィを蔑んだ。
王子で婚約者だから、と態度も物言いも目に余るすべてに耐えてきたが、シルヴィは我慢の限界に達した。
「では、そう仰るならそう致しましょう」
だが、真の聖女不在の国に一大事が起きるとは誰も知るよしもなかった……。
言われた通り国外に追放されたシルヴィは、聖女の力を駆使し、
森の奥で出会った魔物や動物たちと静かで快適な移住生活を送りはじめる。
これは虐げられた聖女が移住先の森の奥で楽しく幸せな生活を送る物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる