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空間魔法の便利な使い方
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王宮内を一通り見て回った私は、ちょっと疲れたので一服することにした。
食堂でコーヒーを飲みながら、寝不足気味の体を休めていると、前の方から一人の侍女が近付いて来た。トレイにお茶だかコーヒーだかを載せている。
そして私の目の前まで来てコケた。そりゃもう盛大に。トレイごと私に向かって投げ付けるように。
「キャアッ! ゴメンなさい! 私ったらついうっかり! ってあれぇ!?」
プークスクス♪ 鳩が豆鉄砲を食ったような顔してるよ♪ そりゃそうだよねぇ♪ 私にぶっかけようとした熱いお茶だかコーヒーだかと一緒に、トレイまで消えちゃったんだから♪ そりゃビックリだよねぇ♪
「どうかしましたか?」
だから私がニッコリと微笑んでやったら、
「い、いえ、なにも...お、お騒がせしました...」
一目散に逃げて行きましたとさ♪ プークスクス♪ しかしあの侍女も顔に見覚えなかったな。
◇◇◇
そろそろ閣議の終わる時間だ。最後に私は、図書室に寄って本を借りていくことにした。この国の建国の歴史が載っている本だ。少し勉強しておこうと思ったのだ。
図書室には私の他にも何人かの人が居た。脚立を使って本棚の上の方にある本を取ろうとしている侍女も居る。スカートの中丸見えじゃね? 淑女としてそれはどうなの? なんて思っていたら、
「キャアッ! ゴメンなさい! 私ったらついうっかり! ってあれぇ!?」
はい、本日二度目のうっかり頂きました♪ 今度は私は頭目掛けて、百科事典のような分厚い本を落とそうとしたんだねぇ♪ それがいきなり消えちゃったらビックリするよねぇ♪ プークスクス♪
「何かありましたか?」
だから私がニッコリと微笑んでやったら、
「い、いえ、なにも...お、お騒がせしました...」
そう言って俯いちゃったよ♪ プークスクス♪ しかしこの侍女も顔に見覚えないな。
◇◇◇
そろそろ種明かししよう。今、私は亜空間のシールドを自分の体の表面に展開している。このシールドは私の許可なく私に触れようとした物を全て、強制的に亜空間へ引き込む仕様になっている。
だからあの植木鉢が私に当たることはなかったし、トレイに載った飲み物や百科事典は亜空間に飛んで行ったという訳だ。
もちろん、私が許可した物は別だ。じゃないと私はなんにも触れないし、なんにも飲み食い出来ないからね。まぁ要は、頭の上や後ろなど死角からの奇襲に対する対策ということだ。
ちなみに、ミネルバからあの敵意の籠もった視線を向けられて以来、常時発動している。備えあれば憂い無しってね。
それと自慢じゃないが、私は人の顔を覚えるのが得意だ。一度見た顔は忘れない。植木鉢侍女もトレイ侍女も百科事典侍女も、昨日出迎えた侍女の中には居なかった。
王宮内の全ての侍女の顔を見た訳ではないが、それにしたって私の側にやって来る侍女が、悉く見覚えないというのはどう考えても変だろう。そう、そして今も...
「キャアアアッ!」
私の後ろからそっと近付いて、階段から落とそうと体当たりして来た侍女が、階段を転がり落ちて行った。私がサッと亜空間に避難したからね。支えがなくなったから当然だ。この侍女には私がいきなり消えたように見えたことだろうね。
人は私が触れないと亜空間には引き込めないって制限は、シールドにも適応されちゃうから仕方ない。だからこういった不意打ちを受けた時は亜空間に避難するに限る。
「うぅ...」
痛そうだけど大丈夫かな? 人を突き落とそうとしたんだから、同情する気は更々ないが、この侍女も見覚えない顔だな。
おっと、騒ぎになる前に引き上げよう。
食堂でコーヒーを飲みながら、寝不足気味の体を休めていると、前の方から一人の侍女が近付いて来た。トレイにお茶だかコーヒーだかを載せている。
そして私の目の前まで来てコケた。そりゃもう盛大に。トレイごと私に向かって投げ付けるように。
「キャアッ! ゴメンなさい! 私ったらついうっかり! ってあれぇ!?」
プークスクス♪ 鳩が豆鉄砲を食ったような顔してるよ♪ そりゃそうだよねぇ♪ 私にぶっかけようとした熱いお茶だかコーヒーだかと一緒に、トレイまで消えちゃったんだから♪ そりゃビックリだよねぇ♪
「どうかしましたか?」
だから私がニッコリと微笑んでやったら、
「い、いえ、なにも...お、お騒がせしました...」
一目散に逃げて行きましたとさ♪ プークスクス♪ しかしあの侍女も顔に見覚えなかったな。
◇◇◇
そろそろ閣議の終わる時間だ。最後に私は、図書室に寄って本を借りていくことにした。この国の建国の歴史が載っている本だ。少し勉強しておこうと思ったのだ。
図書室には私の他にも何人かの人が居た。脚立を使って本棚の上の方にある本を取ろうとしている侍女も居る。スカートの中丸見えじゃね? 淑女としてそれはどうなの? なんて思っていたら、
「キャアッ! ゴメンなさい! 私ったらついうっかり! ってあれぇ!?」
はい、本日二度目のうっかり頂きました♪ 今度は私は頭目掛けて、百科事典のような分厚い本を落とそうとしたんだねぇ♪ それがいきなり消えちゃったらビックリするよねぇ♪ プークスクス♪
「何かありましたか?」
だから私がニッコリと微笑んでやったら、
「い、いえ、なにも...お、お騒がせしました...」
そう言って俯いちゃったよ♪ プークスクス♪ しかしこの侍女も顔に見覚えないな。
◇◇◇
そろそろ種明かししよう。今、私は亜空間のシールドを自分の体の表面に展開している。このシールドは私の許可なく私に触れようとした物を全て、強制的に亜空間へ引き込む仕様になっている。
だからあの植木鉢が私に当たることはなかったし、トレイに載った飲み物や百科事典は亜空間に飛んで行ったという訳だ。
もちろん、私が許可した物は別だ。じゃないと私はなんにも触れないし、なんにも飲み食い出来ないからね。まぁ要は、頭の上や後ろなど死角からの奇襲に対する対策ということだ。
ちなみに、ミネルバからあの敵意の籠もった視線を向けられて以来、常時発動している。備えあれば憂い無しってね。
それと自慢じゃないが、私は人の顔を覚えるのが得意だ。一度見た顔は忘れない。植木鉢侍女もトレイ侍女も百科事典侍女も、昨日出迎えた侍女の中には居なかった。
王宮内の全ての侍女の顔を見た訳ではないが、それにしたって私の側にやって来る侍女が、悉く見覚えないというのはどう考えても変だろう。そう、そして今も...
「キャアアアッ!」
私の後ろからそっと近付いて、階段から落とそうと体当たりして来た侍女が、階段を転がり落ちて行った。私がサッと亜空間に避難したからね。支えがなくなったから当然だ。この侍女には私がいきなり消えたように見えたことだろうね。
人は私が触れないと亜空間には引き込めないって制限は、シールドにも適応されちゃうから仕方ない。だからこういった不意打ちを受けた時は亜空間に避難するに限る。
「うぅ...」
痛そうだけど大丈夫かな? 人を突き落とそうとしたんだから、同情する気は更々ないが、この侍女も見覚えない顔だな。
おっと、騒ぎになる前に引き上げよう。
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