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王家の家族事情

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 その後、アクセル様から他の王族の皆さんの簡単な説明を受けた。

「まずは俺の父親、アレクセイ陛下だが、先に言ったように病に伏せっていてここには居ない。離宮で静養している。その内にカリナの紹介も兼ねて見舞いにでも行こう」

「分かりました」

「次に俺の母親、イザベラ王妃だが、陛下の付き添いでこちらも離宮に滞在している。つまり国王と王妃が王宮を離れている状態という訳だ」

「それは...」

 ヤバいんじゃないの!? この国...

「次に俺の義兄、アッシュ第1王子だが、これも先に言ったように俺とは折り合いが悪い。兄上の母親、第1側妃ともどもな。ちなみに彼女は後宮で軟禁状態にある。1歩も外には出られない」

「それはまた何故?」

「俺を暗殺しようと企てたからだ」

「......」

 うん、なんかもうね...言葉が出ないんだわ...

「本来なら即処刑になる所なんだが、兄上が庇ってな。仕方ないから後宮に閉じ込めるということで妥協した」

「妥協して良いものなのでしょうか...」

 良くない気がする...閉じ込めても後からまた騒ぎを起こしそうじゃない?

「その分、兄上に俺の公務を半分押し付けた。いけ好かないヤツだが、事務処理能力には長けているんでな。良い取り引きだったと思う。なにせ国王と王妃の分の仕事がこっちに回って来て、寝る暇も無いくらい忙しかったからな。正直助かった」

 やっぱこの王子様、腹が黒いわ...自分の暗殺未遂まで政治に利用するなんて...

「次に俺の2人の義妹、第1王女のカーラと第2王女のミランダだが、それぞれ第2側妃と第3側妃の子供で2人とも今年で8歳になる。産まれた順番が早いカーラが姉という訳だ。2人とも離宮で暮らしている。ちなみに第2側妃と第3側妃との仲は最悪で、しょっちゅう足の引っ張り合いをしている。当然、カーラとミランダの仲も悪い。俺との関係は良くもなく悪くもないと言った所か。あぁ、兄上は2人に嫌われているって話だ。簡単だが以上だ。何か感想は?」

「その...なんて言ったらいいものやら...」

「正直に言っていいんだぞ? 汚水の中に更に泥水を流し込んだような、ドロドロした人間関係だって。なにせ兄弟姉妹全員、母親が違うんだからな。有り得ないだろ? これというのも好色な父親が見境なしに種をバラ撒いた結果で、残された俺達はそのツケを払わされることになるって訳だ。悲劇を通り越していっそ笑えて来ないか?」

 私はとても笑えなかった...
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