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王都到着
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カイル様とアラン様が暗殺者どもの身元を示すようなモノが何かないか調べている。
その間、アクセル様はこのホテルの支配人から謝罪を受けている。自らの経営するホテルの中で王族の命を危険に晒してしまったということで、支配人の顔が青くなっている。
結局、暗殺者どもは身元を示すようなモノは何も持っていなかった。まぁ、それは当然だろう。そもそもあまり期待してなかった。
その後の処理はこの町の衛兵に任せ、私達は旅を再開した。
「今後は王都まで町のホテルには泊まらず夜営にしませんか? もちろん、寝る時は私が亜空間にみなさんを収容しますので」
「そうだな。その方がいいかも知れん」
結局その後、王都までの旅路で襲われることはなく、何事もなく無事に王都ヘルンに到着した。
◇◇◇
空が茜色に染まる頃、西日に照らされた王都の外壁が見えて来た。王都をグルっと囲い外敵から守るように聳える外壁は、優に5mを越える高さを誇り、圧倒的な存在感を放っている。
オスマルク王国の王都ヘルンは人口20万人を越える大都市で、都市部中央の小高い丘の上に聳える王宮を軸に、東西南北へと放射線状に街路が伸び、それに沿ってキレイに区画整理された街並みが広がっている。
王都には東西南北に4つの通用門が設置されている。私達は王都で一番利用者の多い東の通用門から入ることにした。一般向けの入門許可を求める長蛇の列を尻目に、貴人専用のゲートからすんなり中に入る。
私が街頭を行き交う人の群れに圧倒されているとアクセル様が、
「カリナ、王都へようこそ。感想は?」
「凄いです...こんなに沢山の人が居るのを見るのは初めてです...」
「ウインヘルムの王都に行ったことはなかったのか?」
「はい、だから圧倒されています...」
「すぐ慣れるさ。さぁ、王宮に行こう」
王宮は別名『白鳥宮』と呼ばれる。貴重な白大理石を分断に取り入れた華麗な意匠と、某ネズミの国を思わせるメルヘンチックな外観が合わさって、夕闇が迫る中に白く浮かび上がる様は幻想的な雰囲気を醸し出していた。
「キレイな王宮ですね...」
私はため息を吐きながら感想を口にした。
「ここがこれから君の住む場所だ。我が家だと思ってのんびりしてくれ」
「そう言われても...まだ実感が湧かないです...」
王宮に入ると執事が出迎えてくれた。その後ろにはズラッと侍女達が並んでいる。
「お帰りなさいませ、アクセル様」
「バルト、今帰った。カリナ、俺の執事のバルトだ。バルト、こちらはカリナ。俺の専属護衛を務めてくれる」
「カリナです。よろしくお願いします」
「バルトと申します。ご用の際はなんなりとお申し付け下さい」
「ありがとうございます」
バルトさんは初老に差し掛かった渋いオジサマだった。
「変わったことはなかったか?」
「えぇ、特には。ただ...」
「どうした?」
「ミネルバ嬢がお見えになっております」
そう聞いた途端、アクセル様が苦虫を噛み潰したような表情を浮かべた。誰なんだろ? 婚約者とか?
「帰って来て早々、面倒くさいことこの上ないが無視する訳にもいくまい。カリナ、付いて来てくれ」
「よ、よろしいのですか?」
「構わん。俺の婚約者を自称するような女だからな」
婚約者を自称するって...それはどうなんだ? と思いながら、婚約者という言葉でイアン様を思い出してしまった。
彼は今頃どうしているだろうか...
その間、アクセル様はこのホテルの支配人から謝罪を受けている。自らの経営するホテルの中で王族の命を危険に晒してしまったということで、支配人の顔が青くなっている。
結局、暗殺者どもは身元を示すようなモノは何も持っていなかった。まぁ、それは当然だろう。そもそもあまり期待してなかった。
その後の処理はこの町の衛兵に任せ、私達は旅を再開した。
「今後は王都まで町のホテルには泊まらず夜営にしませんか? もちろん、寝る時は私が亜空間にみなさんを収容しますので」
「そうだな。その方がいいかも知れん」
結局その後、王都までの旅路で襲われることはなく、何事もなく無事に王都ヘルンに到着した。
◇◇◇
空が茜色に染まる頃、西日に照らされた王都の外壁が見えて来た。王都をグルっと囲い外敵から守るように聳える外壁は、優に5mを越える高さを誇り、圧倒的な存在感を放っている。
オスマルク王国の王都ヘルンは人口20万人を越える大都市で、都市部中央の小高い丘の上に聳える王宮を軸に、東西南北へと放射線状に街路が伸び、それに沿ってキレイに区画整理された街並みが広がっている。
王都には東西南北に4つの通用門が設置されている。私達は王都で一番利用者の多い東の通用門から入ることにした。一般向けの入門許可を求める長蛇の列を尻目に、貴人専用のゲートからすんなり中に入る。
私が街頭を行き交う人の群れに圧倒されているとアクセル様が、
「カリナ、王都へようこそ。感想は?」
「凄いです...こんなに沢山の人が居るのを見るのは初めてです...」
「ウインヘルムの王都に行ったことはなかったのか?」
「はい、だから圧倒されています...」
「すぐ慣れるさ。さぁ、王宮に行こう」
王宮は別名『白鳥宮』と呼ばれる。貴重な白大理石を分断に取り入れた華麗な意匠と、某ネズミの国を思わせるメルヘンチックな外観が合わさって、夕闇が迫る中に白く浮かび上がる様は幻想的な雰囲気を醸し出していた。
「キレイな王宮ですね...」
私はため息を吐きながら感想を口にした。
「ここがこれから君の住む場所だ。我が家だと思ってのんびりしてくれ」
「そう言われても...まだ実感が湧かないです...」
王宮に入ると執事が出迎えてくれた。その後ろにはズラッと侍女達が並んでいる。
「お帰りなさいませ、アクセル様」
「バルト、今帰った。カリナ、俺の執事のバルトだ。バルト、こちらはカリナ。俺の専属護衛を務めてくれる」
「カリナです。よろしくお願いします」
「バルトと申します。ご用の際はなんなりとお申し付け下さい」
「ありがとうございます」
バルトさんは初老に差し掛かった渋いオジサマだった。
「変わったことはなかったか?」
「えぇ、特には。ただ...」
「どうした?」
「ミネルバ嬢がお見えになっております」
そう聞いた途端、アクセル様が苦虫を噛み潰したような表情を浮かべた。誰なんだろ? 婚約者とか?
「帰って来て早々、面倒くさいことこの上ないが無視する訳にもいくまい。カリナ、付いて来てくれ」
「よ、よろしいのですか?」
「構わん。俺の婚約者を自称するような女だからな」
婚約者を自称するって...それはどうなんだ? と思いながら、婚約者という言葉でイアン様を思い出してしまった。
彼は今頃どうしているだろうか...
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