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翌朝、ドロシーの尋問はミハエル自らが行うことにした。
騎士団長はミハエルの後ろに控えている。
「やぁ、ドロシー嬢。おはよう。元気そうでなによりだ」
「......」
ミハエルは皮肉たっぷりに挨拶したが、相も変わらずドロシーは黙秘したままだった。
「そうそう。昨夜面白いことがあってね?」
「......」
「なんと、刺客が入り込んで来たんだよ」
「......!」
その瞬間、沈黙を続けるドロシーの表情が僅かに歪んだ。
「君がこの部屋で寝ていると思ったんだろうね。ほら、あそこにある簡易ベッド。シーツに穴が開いてるだろ? 君を殺そうとした刺客が剣を突き立てた跡だよ?」
「ひっ!?」
ミハエルが指差す先に視線を送ったドロシーが、恐怖のあまり小さな悲鳴を上げた。
「な? これで分かっただろう? 君がどれだけ黙秘してラングレー公爵家を庇おうとしたって、そんなこと全くの無意味なんだよ。なぜならラングレー公は、君を助けようなんて気は更々無いってことなんだから。それどころか、事が露見するのを恐れたラングレー公は、躊躇いもなく君を始末しようとしたんだぞ?」
「ヽ(ヽ゜ロ゜)ヒイィィィ!」
堪らなくなったのか、ドロシーは顔を手で覆って大きな悲鳴を上げた。
「全て話すんだ。もう、君を見捨てた公爵家なんかに義理立てする必要もなかろう? 今なら君の身柄は我々が責任を持って守ると約束する」
「......分かりました......」
長い沈黙の末、ドロシーはそう言って力無く項垂れた。
「よろしい。まず聞きたいのは外部との連絡手段だが、これは近衛兵の中に協力者が紛れ込んでいると考えるのは間違いないな?」
「...はい...」
「どうやって連絡を取っていた?」
「...公爵家からなにか連絡がある時は、私の部屋のドアの隙間にメッセージを書いたメモが挟まってたりしました...」
「なるほど。それに対して君が返事を書く時にも同じ手を使ったのか?」
「...はい...私が書いた返事は巡回するフリをして回収していたみたいです...」
「確かに制服姿の近衛兵が歩き回っていたら、誰もが巡回していると思い込んでしまうな。心理的な裏を突いたってことか。そうやって連絡を取り合っていた訳だな? ちなみに近衛兵の制服はどうやって手に入れたんだ?」
「...近衛兵の一人を買収して予備の制服を手に入れたって聞きました...」
それを聞いた騎士団長が割り込んで来た。
「その近衛兵の名前は分かるか?」
「...すいません...そこまでは...」
ドロシーは申し訳無さそうな表情を浮かべた。
騎士団長はミハエルの後ろに控えている。
「やぁ、ドロシー嬢。おはよう。元気そうでなによりだ」
「......」
ミハエルは皮肉たっぷりに挨拶したが、相も変わらずドロシーは黙秘したままだった。
「そうそう。昨夜面白いことがあってね?」
「......」
「なんと、刺客が入り込んで来たんだよ」
「......!」
その瞬間、沈黙を続けるドロシーの表情が僅かに歪んだ。
「君がこの部屋で寝ていると思ったんだろうね。ほら、あそこにある簡易ベッド。シーツに穴が開いてるだろ? 君を殺そうとした刺客が剣を突き立てた跡だよ?」
「ひっ!?」
ミハエルが指差す先に視線を送ったドロシーが、恐怖のあまり小さな悲鳴を上げた。
「な? これで分かっただろう? 君がどれだけ黙秘してラングレー公爵家を庇おうとしたって、そんなこと全くの無意味なんだよ。なぜならラングレー公は、君を助けようなんて気は更々無いってことなんだから。それどころか、事が露見するのを恐れたラングレー公は、躊躇いもなく君を始末しようとしたんだぞ?」
「ヽ(ヽ゜ロ゜)ヒイィィィ!」
堪らなくなったのか、ドロシーは顔を手で覆って大きな悲鳴を上げた。
「全て話すんだ。もう、君を見捨てた公爵家なんかに義理立てする必要もなかろう? 今なら君の身柄は我々が責任を持って守ると約束する」
「......分かりました......」
長い沈黙の末、ドロシーはそう言って力無く項垂れた。
「よろしい。まず聞きたいのは外部との連絡手段だが、これは近衛兵の中に協力者が紛れ込んでいると考えるのは間違いないな?」
「...はい...」
「どうやって連絡を取っていた?」
「...公爵家からなにか連絡がある時は、私の部屋のドアの隙間にメッセージを書いたメモが挟まってたりしました...」
「なるほど。それに対して君が返事を書く時にも同じ手を使ったのか?」
「...はい...私が書いた返事は巡回するフリをして回収していたみたいです...」
「確かに制服姿の近衛兵が歩き回っていたら、誰もが巡回していると思い込んでしまうな。心理的な裏を突いたってことか。そうやって連絡を取り合っていた訳だな? ちなみに近衛兵の制服はどうやって手に入れたんだ?」
「...近衛兵の一人を買収して予備の制服を手に入れたって聞きました...」
それを聞いた騎士団長が割り込んで来た。
「その近衛兵の名前は分かるか?」
「...すいません...そこまでは...」
ドロシーは申し訳無さそうな表情を浮かべた。
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