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「うぅ...殿下の意地悪ぅ...絶対聞こえてますよね?...」
ライラの顔は恥ずかしさのあまり真っ赤に膨らんで今にも破裂しそうだ。
「仕方ない。この辺で勘弁してあげよう」
ややあってようやくミハエルが離れてくれた。ホッと胸を撫で下ろしたライラだったが、今度は...
「あ、あれ!? め、メガネ!? め、メガネはどこ!?」
どうやらミハエルの胸に顔を押し付けて泣いていたせいで、ライラのメガネはズレてしまったようだ。
「プッハァッ!」
そんなオタオタした様子のライラを見ていたミハエルは、辛抱堪らんとばかりに思いっきり吹き出した。
「で、殿下! わ、笑ってないでメガネ探して下さいよ! め、メガネがないと私なんにも見えないんですから!」
プンプンと頬を膨らませているライラを横目に、ミハエルは笑いを堪えながら頭の方にズレてしまっていたメガネを元の位置に直してやった。
「あぁ、そんな所に!? 殿下、ありがとうございます!」
「どういたしまして...クックック」
「も、もう! わ、笑わないで下さいよ!」
まだ笑いを堪えているミハエルに、ライラはまた恥ずかしさに真っ赤な顔になりながら抗議した。
「いやぁ、君と初めて会ったあの日のリプレイを見ているような気分だったもんでね...クックック」
「あぅ...」
思いっきり身に覚えがあるライラは縮こまってしまった。
「まぁ何はともあれ、泣き止んでくれて良かったよ」
「も、申し訳ありません...醜態を晒しました...」
「いいんだよ。僕の前でなら、どんなにカッコ悪い姿を見せても構わない。それで君のことを嫌いになったりはしないからさ」
「ひぅ...」
そんな甘い言葉を囁かれたライラは、ますます縮こまってついに踞ってしまった。
「ところでドロシー嬢は具体的にどうするって言ってたんだ?」
そこでいきなりミハエルが話題を変えた。
「そうだ! こうしちゃいられないんだった!」
バネ仕掛けのように勢い良く起き上がったライラは、
「どうやって外部と連絡を取っているのか分かりませんが、私の家族を害するように指示を下したみたいです! 殿下! お願いですから家族の命を!」
「あぁ、分かっている。すぐに近衛騎士団を送って警護させよう。心配要らない。任せておけ」
「あ、ありがとうございます!」
ライラは地面に擦り付かんばかりに頭を下げた。ミハエルはすぐ近くに控えていた秘書官に指示を下した。
「それにしても、ドロシー嬢は一体どうやって外部と連絡を取り合っているんだろうな?」
ライラの顔は恥ずかしさのあまり真っ赤に膨らんで今にも破裂しそうだ。
「仕方ない。この辺で勘弁してあげよう」
ややあってようやくミハエルが離れてくれた。ホッと胸を撫で下ろしたライラだったが、今度は...
「あ、あれ!? め、メガネ!? め、メガネはどこ!?」
どうやらミハエルの胸に顔を押し付けて泣いていたせいで、ライラのメガネはズレてしまったようだ。
「プッハァッ!」
そんなオタオタした様子のライラを見ていたミハエルは、辛抱堪らんとばかりに思いっきり吹き出した。
「で、殿下! わ、笑ってないでメガネ探して下さいよ! め、メガネがないと私なんにも見えないんですから!」
プンプンと頬を膨らませているライラを横目に、ミハエルは笑いを堪えながら頭の方にズレてしまっていたメガネを元の位置に直してやった。
「あぁ、そんな所に!? 殿下、ありがとうございます!」
「どういたしまして...クックック」
「も、もう! わ、笑わないで下さいよ!」
まだ笑いを堪えているミハエルに、ライラはまた恥ずかしさに真っ赤な顔になりながら抗議した。
「いやぁ、君と初めて会ったあの日のリプレイを見ているような気分だったもんでね...クックック」
「あぅ...」
思いっきり身に覚えがあるライラは縮こまってしまった。
「まぁ何はともあれ、泣き止んでくれて良かったよ」
「も、申し訳ありません...醜態を晒しました...」
「いいんだよ。僕の前でなら、どんなにカッコ悪い姿を見せても構わない。それで君のことを嫌いになったりはしないからさ」
「ひぅ...」
そんな甘い言葉を囁かれたライラは、ますます縮こまってついに踞ってしまった。
「ところでドロシー嬢は具体的にどうするって言ってたんだ?」
そこでいきなりミハエルが話題を変えた。
「そうだ! こうしちゃいられないんだった!」
バネ仕掛けのように勢い良く起き上がったライラは、
「どうやって外部と連絡を取っているのか分かりませんが、私の家族を害するように指示を下したみたいです! 殿下! お願いですから家族の命を!」
「あぁ、分かっている。すぐに近衛騎士団を送って警護させよう。心配要らない。任せておけ」
「あ、ありがとうございます!」
ライラは地面に擦り付かんばかりに頭を下げた。ミハエルはすぐ近くに控えていた秘書官に指示を下した。
「それにしても、ドロシー嬢は一体どうやって外部と連絡を取り合っているんだろうな?」
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