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「ハァ...聞きたくないけど...一応聞きますか...そのメリットというのは?」
ライラはため息混じりにそう言った。
「君に対し、合法的に淑女教育を施すことが出来たという点だ」
「はっ!? 合法的!?」
得意満面な笑みを浮かべるミハエルに、ライラは首を傾げながら問い掛けた。
「君の身辺調査をしていて気付いたのは、普通の貴族の家に育った令嬢なら当たり前に身に付いているはずの貴族のマナーが疎かになっていたことだ。これは困った。将来の王妃として、淑女としてあるまじきことだからね。だから今回から淑女教育の一環として、新たに王族のマナー講座なるものを新設したんだ。そして君だけその講座を受講することが必須となるよう、スムーズに誘導して行くよう仕向けたんだよ」
「なっ!? それじゃそもそも...」
「最初に言ったろう? 王族と貴族のマナーに然程違いは無いと。だからここに呼ばれた令嬢達クラスならば、身に付けていて当然なものばかりなんで、本来なら必要の無い講座だったんだよ。君以外はね」
そう言ってミハエルはとても良い笑顔を浮かべた。
「うわぁ...なんて清々しい腹黒っぷり...もはや腹黒王子飛び越えて腹黒王じゃないですか...」
ライラはかなり引いた。
「いやぁ、照れちゃうなぁ。そんな誉めてもなんも出ないぞ?」
ミハエルはわざとらしく頭を掻いた。
「いやだから誉めてねぇし...」
逆にライラは頭を抱えた。
「という訳だから、これからの合宿中も淑女教育に勤しんでくれたまえよ。僕のためにね」
ミハエルはウインクしながらそう言った。
「なんだか外堀から埋められて行くようで怖いんですけど...」
ライラはブルッと震えて自分の体を掻き抱いた。
「というか、合宿はまだ続けるんですね...」
「残りたいという者が居ればね。僕としてはこのまま全員辞退して欲しいと思ってるよ」
「だったら私」
「君以外はね」
ライラの言葉にミハエルが被せて言わせないようにした。
「なんでですか~!」
ライラは頬を膨らませて抗議するが、
「悪いが君に拒否権は無いんだよ」
ミハエルは淡々とそう言い切った。
「権力横暴! 独裁主義! 腹黒大王! 真黒黒助!」
「いやだから四文字熟語を並べただけ...って、最後のはどういう意味だ!?」
「そんなこたぁどーでもいいんですよ! とにかく! こんな権力の横暴許すまじ! 私は断固として」
「話は以上だ。それじゃまた」
「聞けや! おい! 待たんかい!」
ライラの必死の叫びも空しく、クルリと踵を返したミハエルはさっさとその場を後にした。
ライラはため息混じりにそう言った。
「君に対し、合法的に淑女教育を施すことが出来たという点だ」
「はっ!? 合法的!?」
得意満面な笑みを浮かべるミハエルに、ライラは首を傾げながら問い掛けた。
「君の身辺調査をしていて気付いたのは、普通の貴族の家に育った令嬢なら当たり前に身に付いているはずの貴族のマナーが疎かになっていたことだ。これは困った。将来の王妃として、淑女としてあるまじきことだからね。だから今回から淑女教育の一環として、新たに王族のマナー講座なるものを新設したんだ。そして君だけその講座を受講することが必須となるよう、スムーズに誘導して行くよう仕向けたんだよ」
「なっ!? それじゃそもそも...」
「最初に言ったろう? 王族と貴族のマナーに然程違いは無いと。だからここに呼ばれた令嬢達クラスならば、身に付けていて当然なものばかりなんで、本来なら必要の無い講座だったんだよ。君以外はね」
そう言ってミハエルはとても良い笑顔を浮かべた。
「うわぁ...なんて清々しい腹黒っぷり...もはや腹黒王子飛び越えて腹黒王じゃないですか...」
ライラはかなり引いた。
「いやぁ、照れちゃうなぁ。そんな誉めてもなんも出ないぞ?」
ミハエルはわざとらしく頭を掻いた。
「いやだから誉めてねぇし...」
逆にライラは頭を抱えた。
「という訳だから、これからの合宿中も淑女教育に勤しんでくれたまえよ。僕のためにね」
ミハエルはウインクしながらそう言った。
「なんだか外堀から埋められて行くようで怖いんですけど...」
ライラはブルッと震えて自分の体を掻き抱いた。
「というか、合宿はまだ続けるんですね...」
「残りたいという者が居ればね。僕としてはこのまま全員辞退して欲しいと思ってるよ」
「だったら私」
「君以外はね」
ライラの言葉にミハエルが被せて言わせないようにした。
「なんでですか~!」
ライラは頬を膨らませて抗議するが、
「悪いが君に拒否権は無いんだよ」
ミハエルは淡々とそう言い切った。
「権力横暴! 独裁主義! 腹黒大王! 真黒黒助!」
「いやだから四文字熟語を並べただけ...って、最後のはどういう意味だ!?」
「そんなこたぁどーでもいいんですよ! とにかく! こんな権力の横暴許すまじ! 私は断固として」
「話は以上だ。それじゃまた」
「聞けや! おい! 待たんかい!」
ライラの必死の叫びも空しく、クルリと踵を返したミハエルはさっさとその場を後にした。
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