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第126話 ダンジョン攻略23
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「ダメだ! ここじゃ戦えない! 場所を変えよう!」
そう言ってユウはリオとアリィの手を掴み、ラキに向かって叫んでから走り出した。
「く、苦しい!」
「い、息がし辛い!」
マスクに慣れていないラキとリオから弱音が漏れる。
「もうちょっと我慢しろ! せめてもう少し蒸気が薄くならないと!」
相変わらずグリフォンの攻撃は続いているが、それを丸っと無視して走り続ける。やがて前方に開けた場所が広がっているのが見えて来た。
「あそこはきっと安地だ! もうすぐだぞ!」
ユウが全員を鼓舞する。次第に蒸気が薄れて来た。硫黄の匂いも気にならなくなって来た。
「良し! 着いたぞ!」
「ゼイ...ハア...ゼイ...ハア...」
「フウ...フウ...き、キツイ~!」
「二人とも大丈夫ですか? ここならマスクを外しても?」
疲労困憊のマスク組を見かねてアリィが声を掛ける。人間には気にならないレベルの硫黄の匂いだが、この二人にはどうだろうか。
「ハアハア...そうじゃな...大分楽になった...」
「フウフウ...うん、さっきよりは大分マシだね...」
二人ともマスクを外した。
「良かったです。グリフォンも追って来ませんね」
アリィが上空を見詰めてホッと息を吐く。
「やっぱり安地だったな。ここで態勢を立て直してもう一度」
「グオォォォォッーーーーー!!!!!」
ユウの言葉を遮って咆哮が轟く。見ると安地だと思っていた場所の奥から何か現れた。
「あれは...火竜じゃな。どうやらここは安地じゃなく、ヤツの巣だったようじゃ」
ラキが服を脱ぎながらそう言った。改めて火竜に目を向けてみる。
外見は鹿に似ていて背丈は5mはありそう。顔は龍に似ていて、牛の尾と馬の蹄を持ち、背毛は五色に彩られている。毛は黄色く身体には鱗がある。頭から二本の角が生えている。そして全身が炎に包まれていた。
「ユウ、麒麟に似てませんか?」
アリィがユウにコソッと呟く。
「麒麟!? あぁ、伝説上の生物か。スマン、どんな姿だったか覚えてない」
「ビールは飲まなかったんですか?」
「ビール!? あぁ、そうか! ビールのラベルか!」
「えぇ、そこに描かれていたはずですよ?」
「言われてみれば...確かに麒麟っぽく見えて来たかも」
異世界組二人がそんな呑気なことを語り合っている間、ラキは上空にホバリングして臨戦態勢を整えている。
「三匹目か。どれ、また格の違いを見せ付けてやるかの」
ラキが余裕を見せる。
「グオォォォォッーーーーー!!!!!」
火竜がブレスを放って来た。
そう言ってユウはリオとアリィの手を掴み、ラキに向かって叫んでから走り出した。
「く、苦しい!」
「い、息がし辛い!」
マスクに慣れていないラキとリオから弱音が漏れる。
「もうちょっと我慢しろ! せめてもう少し蒸気が薄くならないと!」
相変わらずグリフォンの攻撃は続いているが、それを丸っと無視して走り続ける。やがて前方に開けた場所が広がっているのが見えて来た。
「あそこはきっと安地だ! もうすぐだぞ!」
ユウが全員を鼓舞する。次第に蒸気が薄れて来た。硫黄の匂いも気にならなくなって来た。
「良し! 着いたぞ!」
「ゼイ...ハア...ゼイ...ハア...」
「フウ...フウ...き、キツイ~!」
「二人とも大丈夫ですか? ここならマスクを外しても?」
疲労困憊のマスク組を見かねてアリィが声を掛ける。人間には気にならないレベルの硫黄の匂いだが、この二人にはどうだろうか。
「ハアハア...そうじゃな...大分楽になった...」
「フウフウ...うん、さっきよりは大分マシだね...」
二人ともマスクを外した。
「良かったです。グリフォンも追って来ませんね」
アリィが上空を見詰めてホッと息を吐く。
「やっぱり安地だったな。ここで態勢を立て直してもう一度」
「グオォォォォッーーーーー!!!!!」
ユウの言葉を遮って咆哮が轟く。見ると安地だと思っていた場所の奥から何か現れた。
「あれは...火竜じゃな。どうやらここは安地じゃなく、ヤツの巣だったようじゃ」
ラキが服を脱ぎながらそう言った。改めて火竜に目を向けてみる。
外見は鹿に似ていて背丈は5mはありそう。顔は龍に似ていて、牛の尾と馬の蹄を持ち、背毛は五色に彩られている。毛は黄色く身体には鱗がある。頭から二本の角が生えている。そして全身が炎に包まれていた。
「ユウ、麒麟に似てませんか?」
アリィがユウにコソッと呟く。
「麒麟!? あぁ、伝説上の生物か。スマン、どんな姿だったか覚えてない」
「ビールは飲まなかったんですか?」
「ビール!? あぁ、そうか! ビールのラベルか!」
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「言われてみれば...確かに麒麟っぽく見えて来たかも」
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「三匹目か。どれ、また格の違いを見せ付けてやるかの」
ラキが余裕を見せる。
「グオォォォォッーーーーー!!!!!」
火竜がブレスを放って来た。
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