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第116話 ダンジョン攻略13
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ユウ達一行は墓場のような場所を歩き始めた。
時折「ギィヤァッ!」というカラスらしき鳥が飛び交い、地面の下から「ウガァッ!」という呻き声が聞こえる。その度にラキは怯えた。
「うぅ...」
「ラキ、大丈夫ですよ。怖くない怖くない」
ラキはアリィの後ろに隠れて袖を握りながら付いてくるが、
「こ、怖くなんかないもん...」
と、急に子供っぽくなってしまった。それを見た全員が生暖かい目をして、
「「 か、可愛い! 」」」」
と、普段とのギャップに萌えていた。
やがてしばらく進むと、
「グハァッ!」
墓石らしき物の下からゾンビが地面に這い出して来た。体の至る所が腐り落ちていてとてもグロテスクだ。
「ヒッ!」
アリィの後ろに隠れているラキが小さく悲鳴を上げる。
「セイッ!」「ヤァッ!」
それを難なくユウとリオが片付ける。ゾンビは次第にその数を増し、その中にはグールやマミーといったアンデッド系の魔物も混じって来た。
「アサルトライフルが欲しいな...」
「私は弾数無限大のロケットランチャーが好きでした」
「あぁ、あれな。残弾数を気にしなくて良い分、小回りが利かないからすばしっこい相手には不向きだったよな。だから俺は雑魚にはアサルトライフル一択だったよ。ラスボス相手には使ったけど」
「ロケットランチャーだとラスボスがあっけなく倒せてしまって逆に拍子抜けしませんでした?」
「それな。確か二回当たれば倒せたもんな。確かにあっけなかった」
ユウとアリィはそんな会話を繰り広げながらも、着実にアンデッドどもを蹴散らして行った。
「ねぇ、ユウ! なんか大きな建物があるよ!」
やや先行してアンデッドを狩っていたリオが大声を上げる。
「これは教会か?」
それは朽ち果てて廃墟となった教会らしき建物だった。
◇◇◇
「な、なぁ、中に入るの止めない? もう帰りたいよ...」
ラキが涙目になって訴える。
「怖かったらアリィと二人で外で待っててもいいんだぞ?」
ユウにそう言われたラキは黙って頭を振った。
「じゃあ開けるよ~!」
リオが大きな扉に手を掛ける。
ギィィィッ!
軋む音を上げながら扉がゆっくりと開く。中にはシスターの格好をした者が何人かこちらに背を向けて座っていた。やがてゆっくりと振り向く。
「ヽ(ヽ゜ロ゜)ヒイィィィ!」
ラキが悲鳴を上げた。シスターらしき者の顔には肉が無かった。
「カチカチカチカチッ!」
言葉ではなく歯を噛み合わせて音を発している。
「スケルトンか」
「囲まれましたね」
いつの間にか扉は閉まり、ユウ達はスケルトンの群れに囲まれていた。
時折「ギィヤァッ!」というカラスらしき鳥が飛び交い、地面の下から「ウガァッ!」という呻き声が聞こえる。その度にラキは怯えた。
「うぅ...」
「ラキ、大丈夫ですよ。怖くない怖くない」
ラキはアリィの後ろに隠れて袖を握りながら付いてくるが、
「こ、怖くなんかないもん...」
と、急に子供っぽくなってしまった。それを見た全員が生暖かい目をして、
「「 か、可愛い! 」」」」
と、普段とのギャップに萌えていた。
やがてしばらく進むと、
「グハァッ!」
墓石らしき物の下からゾンビが地面に這い出して来た。体の至る所が腐り落ちていてとてもグロテスクだ。
「ヒッ!」
アリィの後ろに隠れているラキが小さく悲鳴を上げる。
「セイッ!」「ヤァッ!」
それを難なくユウとリオが片付ける。ゾンビは次第にその数を増し、その中にはグールやマミーといったアンデッド系の魔物も混じって来た。
「アサルトライフルが欲しいな...」
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「あぁ、あれな。残弾数を気にしなくて良い分、小回りが利かないからすばしっこい相手には不向きだったよな。だから俺は雑魚にはアサルトライフル一択だったよ。ラスボス相手には使ったけど」
「ロケットランチャーだとラスボスがあっけなく倒せてしまって逆に拍子抜けしませんでした?」
「それな。確か二回当たれば倒せたもんな。確かにあっけなかった」
ユウとアリィはそんな会話を繰り広げながらも、着実にアンデッドどもを蹴散らして行った。
「ねぇ、ユウ! なんか大きな建物があるよ!」
やや先行してアンデッドを狩っていたリオが大声を上げる。
「これは教会か?」
それは朽ち果てて廃墟となった教会らしき建物だった。
◇◇◇
「な、なぁ、中に入るの止めない? もう帰りたいよ...」
ラキが涙目になって訴える。
「怖かったらアリィと二人で外で待っててもいいんだぞ?」
ユウにそう言われたラキは黙って頭を振った。
「じゃあ開けるよ~!」
リオが大きな扉に手を掛ける。
ギィィィッ!
軋む音を上げながら扉がゆっくりと開く。中にはシスターの格好をした者が何人かこちらに背を向けて座っていた。やがてゆっくりと振り向く。
「ヽ(ヽ゜ロ゜)ヒイィィィ!」
ラキが悲鳴を上げた。シスターらしき者の顔には肉が無かった。
「カチカチカチカチッ!」
言葉ではなく歯を噛み合わせて音を発している。
「スケルトンか」
「囲まれましたね」
いつの間にか扉は閉まり、ユウ達はスケルトンの群れに囲まれていた。
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