絶対防御とイメージ転送で異世界を乗り切ります

真理亜

文字の大きさ
上 下
113 / 130

第113話 ダンジョン攻略10

しおりを挟む
 翌日、昨夜は早目に寝たせいか、リフレッシュして朝を迎えた。

 約1名を除いて...

「うぅ...痛たたた...」

「ユウ! しっかり!」

「情けないヤツじゃの」

「ほらユウ、湿布を貼って下さいな」

「す、済まん...恩に着る...」

 ユウだけが筋肉痛で苦しんでいた。

「っていうか、なんでお前ら平気なんだよ...」

「リオはダイエットの時、もっともっと大変だったからね!」

 自業自得とはいえ確かにその通りだと皆が納得した。

「鍛え方が足りんのじゃ」

 そう言ってラキは腕まくりした。竜人のタフさは尋常じゃないようだ。

「すいません、私は何もしてないので...」

 アリィは一人だけ申し訳なさそうな顔をした。

「あぁ、いやいや、そういうつもりじゃなかったんだ。済まん...さて、出発しようか。痛たた...」

 筋肉痛に鞭打ってユウが先導する。

「そういや結局、他の冒険者は誰も来なかったな?」

 警戒して家を出さなかったが、杞憂に終わったようだった。

「そうじゃな。案外今居るのは妾達だけなのかも知れん」

「なぁラキ、ということは昨日言ってた『階層と魔物の強さが合っていない理由』が消えることにならないか? 下の階層に強い者が居てソイツから逃げて来たっていうことじゃなくなるよな?」 

「確かにな。じゃがもう1つ可能性がある」

「もう1つ?」

「あぁ、それはな」

 ラキの言葉が終わらない内に、

「グオォォォォッーーーーー!!!」

 という咆哮がダンジョン内に響き渡った。

「な、なんだ!?」

「だ、ダンジョンが! ゆ、揺れてる!?」

「あわわわわ...」

 全員がパニックになる中、ラキだけは1人冷静に、

「深層から強い魔物が昇って来た時じゃ」

 そう言って厳しい目を前方に向けた。やがてダンジョンの床を揺らしながら現れたのは、

「地竜か。こんな大物が昇って来たなら、弱い魔物は逃げるしかないじゃろな」

「グオォォォォッーーーーー!!!」

 ラキが地竜と呼んだその魔物は、コモドドラゴンに似た感じの巨大なトカゲだった。長い尻尾の先まで含めれば全長は10mを軽く超えるだろう。 

 全身が硬そうなウロコに覆われ、頭には2本の角が生えている。大きく開いた口には鋭い牙がビッシリと並んでいる。

「「「 ヽ(ヽ゜ロ゜)ヒイィィィ! 」」」

 ラキ以外の3人が悲鳴を上げる。

「フム、ここなら妾も本気を出せるか」

 そう言ってラキは服を脱ぎ出した。いつもなら咎めるアリィもそんな余裕が無い。

「お主らは下がっておれ。竜種同士の戦いを見物しとるがいい」

 ドラゴンの姿になったラキは地竜と対峙した。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

2回目チート人生、まじですか

ゆめ
ファンタジー
☆☆☆☆☆ ある普通の田舎に住んでいる一之瀬 蒼涼はある日異世界に勇者として召喚された!!!しかもクラスで! わっは!!!テンプレ!!!! じゃない!!!!なんで〝また!?〟 実は蒼涼は前世にも1回勇者として全く同じ世界へと召喚されていたのだ。 その時はしっかり魔王退治? しましたよ!! でもね 辛かった!!チートあったけどいろんな意味で辛かった!大変だったんだぞ!! ということで2回目のチート人生。 勇者じゃなく自由に生きます?

せっかくのクラス転移だけども、俺はポテトチップスでも食べながらクラスメイトの冒険を見守りたいと思います

霖空
ファンタジー
クラス転移に巻き込まれてしまった主人公。 得た能力は悪くない……いや、むしろ、チートじみたものだった。 しかしながら、それ以上のデメリットもあり……。 傍観者にならざるをえない彼が傍観者するお話です。 基本的に、勇者や、影井くんを見守りつつ、ほのぼの?生活していきます。 が、そのうち、彼自身の物語も始まる予定です。

勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!

よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です! 僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。 つねやま  じゅんぺいと読む。 何処にでもいる普通のサラリーマン。 仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・ 突然気分が悪くなり、倒れそうになる。 周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。 何が起こったか分からないまま、気を失う。 気が付けば電車ではなく、どこかの建物。 周りにも人が倒れている。 僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。 気が付けば誰かがしゃべってる。 どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。 そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。 想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。 どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。 一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・ ですが、ここで問題が。 スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・ より良いスキルは早い者勝ち。 我も我もと群がる人々。 そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。 僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。 気が付けば2人だけになっていて・・・・ スキルも2つしか残っていない。 一つは鑑定。 もう一つは家事全般。 両方とも微妙だ・・・・ 彼女の名は才村 友郁 さいむら ゆか。 23歳。 今年社会人になりたて。 取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。

転生した体のスペックがチート

モカ・ナト
ファンタジー
とある高校生が不注意でトラックに轢かれ死んでしまう。 目覚めたら自称神様がいてどうやら異世界に転生させてくれるらしい このサイトでは10話まで投稿しています。 続きは小説投稿サイト「小説家になろう」で連載していますので、是非見に来てください!

神の加護を受けて異世界に

モンド
ファンタジー
親に言われるまま学校や塾に通い、卒業後は親の進める親族の会社に入り、上司や親の進める相手と見合いし、結婚。 その後馬車馬のように働き、特別好きな事をした覚えもないまま定年を迎えようとしている主人公、あとわずか数日の会社員生活でふと、何かに誘われるように会社を無断で休み、海の見える高台にある、神社に立ち寄った。 そこで野良犬に噛み殺されそうになっていた狐を助けたがその際、野良犬に喉笛を噛み切られその命を終えてしまうがその時、神社から不思議な光が放たれ新たな世界に生まれ変わる、そこでは自分の意思で何もかもしなければ生きてはいけない厳しい世界しかし、生きているという実感に震える主人公が、力強く生きるながら信仰と奇跡にに導かれて神に至る物語。

ユーヤのお気楽異世界転移

暇野無学
ファンタジー
 死因は神様の当て逃げです!  地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。

異世界で快適な生活するのに自重なんかしてられないだろ?

お子様
ファンタジー
机の引き出しから過去未来ではなく異世界へ。 飛ばされた世界で日本のような快適な生活を過ごすにはどうしたらいい? 自重して目立たないようにする? 無理無理。快適な生活を送るにはお金が必要なんだよ! お金を稼ぎ目立っても、問題無く暮らす方法は? 主人公の考えた手段は、ドン引きされるような内容だった。 (実践出来るかどうかは別だけど)

【ヤベェ】異世界転移したった【助けてwww】

一樹
ファンタジー
色々あって、転移後追放されてしまった主人公。 追放後に、持ち物がチート化していることに気づく。 無事、元の世界と連絡をとる事に成功する。 そして、始まったのは、どこかで見た事のある、【あるある展開】のオンパレード! 異世界転移珍道中、掲示板実況始まり始まり。 【諸注意】 以前投稿した同名の短編の連載版になります。 連載は不定期。むしろ途中で止まる可能性、エタる可能性がとても高いです。 なんでも大丈夫な方向けです。 小説の形をしていないので、読む人を選びます。 以上の内容を踏まえた上で閲覧をお願いします。 disりに見えてしまう表現があります。 以上の点から気分を害されても責任は負えません。 閲覧は自己責任でお願いします。 小説家になろう、pixivでも投稿しています。

処理中です...