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第112話 ダンジョン攻略9
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ユウ達は来た道を引き返していた。
分岐は左の道が正しかったらしい。左に進む前に一言、
「いいかリオ、今度なにか気になる物を見付けても決して触るんじゃないぞ?」
「は、はい...ゴメンなさい...」
しっかりとリオに釘を刺しておく。
「今度やったらメシ抜きじゃ」
「ヽ(ヽ゜ロ゜)ヒイィィィ! に、二度としません!」
これがリオにとって一番効果のある忠告のようだった。
◇◇◇
左の道はどこまで進んでも一本道で特にギミックも無かった。だが、
「また来るぞ!」
オークやオーガ、リザードマンと言った魔物がひっきりなしに襲って来て中々前に進めない。
「やたら魔物が多いな...」
「つ、疲れた...」
「みんな、頑張って...」
しばらく進むと、なにやらただっ広い空間に辿り着いた。魔物の気配は無い。
「ここはどうやら安地みたいじゃな」
「そのようだな。今日はここまでにしようか。みんな疲れてるしな」
「賛成~!」
「でもさすがにここで家を出す訳にはいきませんよね...」
「そうじゃな。ここまで他の冒険者に会わなかったとはいえ、ダンジョンの中じゃから誰の目に留まるか分かったもんじゃないしの」
「確かにな。今日はテントを張って休むことにしよう」
「リオ、お腹空いた...」
「はいはい...」
テントを張るのはいいが、大きなテントを一つ張ってみんなで雑魚寝すればいいと言った女性陣に対しユウが遠慮した。さすがに着替えとかあるので一緒は不味いだろうと主張した。
結局、男用と女用に分けてテントを張ることで意見が纏まった。
「アリィ、一瞬だけ家を出してくれるか? 貯まった魔石やドロップアイテムを保管したい」
ユウがパンパンに膨れ上がった自分のリュックを指差す。
「あ、分かりました」
「みんなも自分の荷物を保管しておけ。楽になるぞ」
「なるほど。そういう使い方も出来るのか。こりゃ便利じゃな」
「リオのリュック、はち切れそうだったから助かるよ~」
荷物を保管し終えて家を消した後、何気にラキがアリィに尋ねる。
「なぁアリィよ、これって中に人が居る状態のままで消したらどうなるんじゃ?」
「それは...今まで思ってもいませんでした...」
アリィが困惑する。
「フム...一度試しておいた方が良くないか? どういった原理で家を出し入れ出来るのか分からんが、中に人が居る状態でもそれが可能なのか? 可能な場合、中に居る人はどうなるのか? 興味湧かんか?」
「それは確かに...」
「なんなら妾が実験台になっても良いぞ?」
全員無言になった。微妙な空気が流れる。
「...なぁラキ、いきなり人で試す前に動物で実験してからにしないか? 何かあってからでは遅いだろ?」
ユウが妥協案を出した。
「フム、それもそうじゃの」
ラキも納得したので、この話題はそこまでとなった。
分岐は左の道が正しかったらしい。左に進む前に一言、
「いいかリオ、今度なにか気になる物を見付けても決して触るんじゃないぞ?」
「は、はい...ゴメンなさい...」
しっかりとリオに釘を刺しておく。
「今度やったらメシ抜きじゃ」
「ヽ(ヽ゜ロ゜)ヒイィィィ! に、二度としません!」
これがリオにとって一番効果のある忠告のようだった。
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左の道はどこまで進んでも一本道で特にギミックも無かった。だが、
「また来るぞ!」
オークやオーガ、リザードマンと言った魔物がひっきりなしに襲って来て中々前に進めない。
「やたら魔物が多いな...」
「つ、疲れた...」
「みんな、頑張って...」
しばらく進むと、なにやらただっ広い空間に辿り着いた。魔物の気配は無い。
「ここはどうやら安地みたいじゃな」
「そのようだな。今日はここまでにしようか。みんな疲れてるしな」
「賛成~!」
「でもさすがにここで家を出す訳にはいきませんよね...」
「そうじゃな。ここまで他の冒険者に会わなかったとはいえ、ダンジョンの中じゃから誰の目に留まるか分かったもんじゃないしの」
「確かにな。今日はテントを張って休むことにしよう」
「リオ、お腹空いた...」
「はいはい...」
テントを張るのはいいが、大きなテントを一つ張ってみんなで雑魚寝すればいいと言った女性陣に対しユウが遠慮した。さすがに着替えとかあるので一緒は不味いだろうと主張した。
結局、男用と女用に分けてテントを張ることで意見が纏まった。
「アリィ、一瞬だけ家を出してくれるか? 貯まった魔石やドロップアイテムを保管したい」
ユウがパンパンに膨れ上がった自分のリュックを指差す。
「あ、分かりました」
「みんなも自分の荷物を保管しておけ。楽になるぞ」
「なるほど。そういう使い方も出来るのか。こりゃ便利じゃな」
「リオのリュック、はち切れそうだったから助かるよ~」
荷物を保管し終えて家を消した後、何気にラキがアリィに尋ねる。
「なぁアリィよ、これって中に人が居る状態のままで消したらどうなるんじゃ?」
「それは...今まで思ってもいませんでした...」
アリィが困惑する。
「フム...一度試しておいた方が良くないか? どういった原理で家を出し入れ出来るのか分からんが、中に人が居る状態でもそれが可能なのか? 可能な場合、中に居る人はどうなるのか? 興味湧かんか?」
「それは確かに...」
「なんなら妾が実験台になっても良いぞ?」
全員無言になった。微妙な空気が流れる。
「...なぁラキ、いきなり人で試す前に動物で実験してからにしないか? 何かあってからでは遅いだろ?」
ユウが妥協案を出した。
「フム、それもそうじゃの」
ラキも納得したので、この話題はそこまでとなった。
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