絶対防御とイメージ転送で異世界を乗り切ります

真理亜

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第109話 ダンジョン攻略6

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 結論から言えば特に何も問題なく、6階層目に到着した。

「「 良かった... 」」

 心底ホッとした表情を浮かべるユウとアリィの異世界組二人を、怪訝な顔でラキとリオが見ている。

 6階層目は砂漠ではないが植物は生えていないという、所謂荒れ地エリアだった。

「荒れ地には良い思い出が一つもありません...」

 アリィがボヤく。他の3人は苦笑している。

「ま、まぁ、地上と同じ魔物が出るとも思えないし...」

「そ、そうじゃな。なにせここはダンジョンじゃから...」

 ユウとラキの二人が慰める。

「リオお腹空いちゃった...」

 リオが空腹を訴えたので、少し早いがお昼にすることにした。簡単に食べられるようにと、ハンバーガーやサンドイッチをアリィが出した。

「ラキ、さっき言ってたよな? ダンジョンに出る魔物は、同じ魔物でも地上に居た時よりも強くなるって」

「あぁ、そうらしいの」

「じゃあもしもキマイラやデザートワームが出て来たら...」

「無論パワーアップしとるの」

 ユウとラキがそんな会話を交わしている時だった。ダンジョンの床がいきなり揺れた。

「こ、これはもしかして...」

 デザートワームか? と、続けようとしたユウの言葉をラキが遮った。

「いや、違うな。これはデザートバイソンの群れじゃ」

 ラキの言葉通り、荒れ地の先から土煙を上げながら、デザートバイソンの群れが近付いて来た。大きさは通常サイズの牛と言ったところだが、額から鋭く長い角が一本生えている。

「みんな! 固まれ! 俺の側に!」

 ユウが叫ぶ。全員がユウの側に集まってデザートバイソンをやり過ごそうとする。群れが次第に大きくなって来た。バリヤを張っているから安全だとは言え、その迫力は半端ない。思わず目を閉じそうになった。

 だが予想に反して、デザートバイソンの群れはユウ達に見向きもせず、襲い掛かって来ることもせず、ただ走り抜けて行った。

「一体なんだったんだ!?」

 拍子抜けした形のユウが呟く。

「まるで何かに追われて逃げているようじゃったの」

 ラキの言葉が終わらない内にその「何か」が判明した。

「ウォォォンッ!」

 キマイラだった。それも群れを作っている。一頭でも厄介だったのに、それが群れとなると...

「このまま移動しよう...」

 戦う気力も失せたユウ達は、4階層目の植物エリアと同じように、攻撃せずただ駆け抜けることにした。キマイラの攻撃を無視して進む。

 ちなみにキマイラは、相変わらず炎を吐くだけで近付いて来ることはなかった。
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