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第100話 沼地での戦い
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『ココノツマタノオロチ』が9つの口から毒を吐き出す。
ユウはすかさず全員個別にバリヤを張った。
「全員防毒マスクを装置しろ!」
兄貴が指示を飛ばす。冒険者達が防塵マスクのような物で口と鼻を覆う。
「く、クソッ! ま、前が見えねぇ!」
だがどうやら毒で目をやられたらしい。毒対策は万全と言えなかったようだ。
「だらしないヤツらじゃの。ユウ、リオ、行くぞ!」
「「 応っ! 」」
情けない冒険者達を放っておいて、ラキの号令の元ユウ達は攻撃を仕掛ける。
「フンッ!」「ヤァッ!」「セイッ!」
『ココノツマタノオロチ』の首が1つ簡単に落ちた。
「す、凄ぇ! さすがはラキの姉御だ!」
涙を流しながら兄貴が感嘆する。
「むっ!?」
だがラキは首を捻った。
「再生しておるな」
ラキの言う通り、落としたはずの首に少しずつ肉が戻って行く。どうやら早過ぎたようだ。周りの首がまだ落とされていない。
「仕方ない。手伝いに行くか。ユウ、リオ、来い!」
「「 応っ! 」」
ラキ達は隣の首を手伝いに行った。そちらの首もすぐ落とした。だが...
「間に合わなかったか...」
最初に落とした首が復活してしまった。
「これじゃあキリが無い! ユウ、リオ、お主らそれぞれ一つずつ首を担当して来い!」
「い、いいのか!? 勝手なことして...」
「構わん! どうせコイツらは役に立たん!」
もうすっかりラキがリーダーのようだ。冒険者達は確かに役立たずだから何も言えない。
「アリィ! お主は他の6つの首と合わせて、タイミングを指示しろ!」
「わ、分かりました!」
ここまで全く出番のなかったアリィは、いきなり大事な仕事を振られて少し焦った。だが、
「ラキ! 早過ぎ!」「リオちゃんは遅過ぎ!」「ユウはそのままのペースで!」などなど、指示は的確だった。
アリィはAクラス冒険者達が戦っている他の6つの首の状況を横目で見ながら、
「みんなっ! 今っ!」
3人に向かって叫ぶ。
「フンッ!」「ヤァッ!」「セイッ!」
3人が担当していた首がほぼ同時に落ちる。そして...
「どうやら終わったようじゃな」
ラキの言う通り、落とした首が復活することはなかった。やがて『ココノツマタノオロチ』の巨体がゆっくりと沼に沈んで行った。
冒険者達から歓声が上がる。
「ウオオオッ! さすがはラキの姉御だぜい!」「美しくて強くて最高だぜい!」
冒険者達の間では完全にラキがリーダー扱いである。ラキもそれに応えて手を振ったりしている。
そんなラキの様子を、ユウ達は苦笑しながら見ていた。
ユウはすかさず全員個別にバリヤを張った。
「全員防毒マスクを装置しろ!」
兄貴が指示を飛ばす。冒険者達が防塵マスクのような物で口と鼻を覆う。
「く、クソッ! ま、前が見えねぇ!」
だがどうやら毒で目をやられたらしい。毒対策は万全と言えなかったようだ。
「だらしないヤツらじゃの。ユウ、リオ、行くぞ!」
「「 応っ! 」」
情けない冒険者達を放っておいて、ラキの号令の元ユウ達は攻撃を仕掛ける。
「フンッ!」「ヤァッ!」「セイッ!」
『ココノツマタノオロチ』の首が1つ簡単に落ちた。
「す、凄ぇ! さすがはラキの姉御だ!」
涙を流しながら兄貴が感嘆する。
「むっ!?」
だがラキは首を捻った。
「再生しておるな」
ラキの言う通り、落としたはずの首に少しずつ肉が戻って行く。どうやら早過ぎたようだ。周りの首がまだ落とされていない。
「仕方ない。手伝いに行くか。ユウ、リオ、来い!」
「「 応っ! 」」
ラキ達は隣の首を手伝いに行った。そちらの首もすぐ落とした。だが...
「間に合わなかったか...」
最初に落とした首が復活してしまった。
「これじゃあキリが無い! ユウ、リオ、お主らそれぞれ一つずつ首を担当して来い!」
「い、いいのか!? 勝手なことして...」
「構わん! どうせコイツらは役に立たん!」
もうすっかりラキがリーダーのようだ。冒険者達は確かに役立たずだから何も言えない。
「アリィ! お主は他の6つの首と合わせて、タイミングを指示しろ!」
「わ、分かりました!」
ここまで全く出番のなかったアリィは、いきなり大事な仕事を振られて少し焦った。だが、
「ラキ! 早過ぎ!」「リオちゃんは遅過ぎ!」「ユウはそのままのペースで!」などなど、指示は的確だった。
アリィはAクラス冒険者達が戦っている他の6つの首の状況を横目で見ながら、
「みんなっ! 今っ!」
3人に向かって叫ぶ。
「フンッ!」「ヤァッ!」「セイッ!」
3人が担当していた首がほぼ同時に落ちる。そして...
「どうやら終わったようじゃな」
ラキの言う通り、落とした首が復活することはなかった。やがて『ココノツマタノオロチ』の巨体がゆっくりと沼に沈んで行った。
冒険者達から歓声が上がる。
「ウオオオッ! さすがはラキの姉御だぜい!」「美しくて強くて最高だぜい!」
冒険者達の間では完全にラキがリーダー扱いである。ラキもそれに応えて手を振ったりしている。
そんなラキの様子を、ユウ達は苦笑しながら見ていた。
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