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第64話 ランクアップ
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夜になったので、ラキの背に乗り領都に戻ることにした。
まずは冒険者ギルドに行って依頼達成の報告を受付嬢さんに告げる。
「お疲れ様です。確かにマンドラゴラの採取を確認しました。こちらが報酬の500万ディナルになります。ご確認下さい。現物は依頼主である領主様に直接お届け頂けますか?」
「あぁ、分かった。そうしよう」
寧ろそっちが目的である。
「それとこの魔石を換金して貰えるか?」
そう言ってユウは、ラキが背負っているデカいリュックから、ワンダートレントの魔石を取り出した。
「こ、これはワンダートレントの魔石!? こんなに大きいの私初めて見たかも知れません...」
受付嬢さんが絶句してしまった。
「あなた方、Fランクですよね!? 良くこんな大物を倒せましたね!?」
「あ、あぁ、まぁ運が良かったんだよ...」
マズいな...あまりに分不相応な相手を倒しちゃったか!? 不審に思われたらどうしよう...そう懸念していたユウだったが、
「運も実力の内って言いますもんね! とにかく倒せたのは事実ですから、もっと自信持っていいんですよ!」
やたらとポジティブシンキングな受付嬢で助かった。そうユウが思っていると、
「この大きさなら一千万は下らないと思いますが、鑑定するのに少々お時間を頂きます。それとあなた方のランクを上げることが可能ですが如何しましょうか?」
それを聞いてユウはラキとアリィを振り返る。二人が頷いたのを見て、
「じゃあランクアップも頼む」
「畏まりました。ワンダートレントを倒したとなると、一気にDランクまで上げることが可能です。では冒険者カードをお預かりしますね。鑑定とランクアップが完了しましたらお呼び致します」
時間を潰すため、冒険者ギルドを出て歩きながらユウがラキに話し掛ける。
「ランクって案外簡単に上がるもんなんだな」
するとラキは呆れたように、
「普通はそんな簡単にはいかんよ。妾がおったからこそじゃ。勘違いするでない」
「そ、そういうもんなんだ...スマン...」
「まぁ妾がおればSランクでも軽いもんじゃよ」
ラキが得意げに胸を張った。
「あ、あぁ、頼りにしてるよ...」
「ところで時間を潰すと言ってもどこに行くんじゃ?」
「あぁ、それなんだが、この時間じゃ薬屋はもう閉まってるかな?」
「どうじゃろうな。急患が出た時のために開いているかも知れんが。行ってみるか?」
「あぁ、頼む」
今度こそ医療面で安心して異世界ライフを楽しみたい。ユウは逸る気持ちを抑えながら、ラキの後を付いて行った。
まずは冒険者ギルドに行って依頼達成の報告を受付嬢さんに告げる。
「お疲れ様です。確かにマンドラゴラの採取を確認しました。こちらが報酬の500万ディナルになります。ご確認下さい。現物は依頼主である領主様に直接お届け頂けますか?」
「あぁ、分かった。そうしよう」
寧ろそっちが目的である。
「それとこの魔石を換金して貰えるか?」
そう言ってユウは、ラキが背負っているデカいリュックから、ワンダートレントの魔石を取り出した。
「こ、これはワンダートレントの魔石!? こんなに大きいの私初めて見たかも知れません...」
受付嬢さんが絶句してしまった。
「あなた方、Fランクですよね!? 良くこんな大物を倒せましたね!?」
「あ、あぁ、まぁ運が良かったんだよ...」
マズいな...あまりに分不相応な相手を倒しちゃったか!? 不審に思われたらどうしよう...そう懸念していたユウだったが、
「運も実力の内って言いますもんね! とにかく倒せたのは事実ですから、もっと自信持っていいんですよ!」
やたらとポジティブシンキングな受付嬢で助かった。そうユウが思っていると、
「この大きさなら一千万は下らないと思いますが、鑑定するのに少々お時間を頂きます。それとあなた方のランクを上げることが可能ですが如何しましょうか?」
それを聞いてユウはラキとアリィを振り返る。二人が頷いたのを見て、
「じゃあランクアップも頼む」
「畏まりました。ワンダートレントを倒したとなると、一気にDランクまで上げることが可能です。では冒険者カードをお預かりしますね。鑑定とランクアップが完了しましたらお呼び致します」
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「ランクって案外簡単に上がるもんなんだな」
するとラキは呆れたように、
「普通はそんな簡単にはいかんよ。妾がおったからこそじゃ。勘違いするでない」
「そ、そういうもんなんだ...スマン...」
「まぁ妾がおればSランクでも軽いもんじゃよ」
ラキが得意げに胸を張った。
「あ、あぁ、頼りにしてるよ...」
「ところで時間を潰すと言ってもどこに行くんじゃ?」
「あぁ、それなんだが、この時間じゃ薬屋はもう閉まってるかな?」
「どうじゃろうな。急患が出た時のために開いているかも知れんが。行ってみるか?」
「あぁ、頼む」
今度こそ医療面で安心して異世界ライフを楽しみたい。ユウは逸る気持ちを抑えながら、ラキの後を付いて行った。
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