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第49話 新しい仲間
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翌朝、誰よりも早く目が覚めたユウは、台所で朝食の準備をしていた。
今朝のメニューはスクランブルエッグにカリカリベーコン、トーストにサラダ、コーンスープに牛乳、オレンジジュースという定番ものだ。
冷蔵庫を開けて中身を確認する。
「卵が切れそうだな。アリィが起きて来たら出して貰うか」
異世界に飛ばされた当初、冷蔵庫の中は何も入ってなかった。さすがのアリィも冷蔵庫の中身まではイメージ出来なかったからだ。
その後、リオという仲間が増えたことで、こうして料理の腕を振るう機会が増えた。昨夜、ハンバーグを作ったように。それに伴い、冷蔵庫の中身も徐々に充実させて行ったという訳だ。
そしてまた一人、ラキという仲間が増えたことで、当然ながら冷蔵庫の中身が減るのが早くなった。これからは毎日、何かしらの食材をアリィに補充して貰うことになるだろう。
卵とベーコンをフライパンで炒めていると、匂いに釣られたのかリオが起きて来た。
「ふわぁ...あれ? リオ、寝ちゃってた!?」
「おはよう、リオ。ソファーで寝ちゃったからそのままにしておいたぞ?」
「ふみゅう...起こしてくれたら良かったのにぃ...」
「気持ち良さそうに寝てたからな。起こすのは気が引けた」
基本、リオはどこでも寝る。アリィのベッドで一緒に寝ることが一番多いが、昨夜のようにリビングのソファーで眠ったり、いつの間にかユウのベッドに潜り込んで寝ている時もある。
ユウもアリィも特に注意したりはしない。ただ、起きるのが一番遅いアリィは、リオがユウのベッドで一緒に寝る時があることを知らない。知ったらどうなることやら...
「おはよう、二人とも早いな」
そこへラキが起きて来た。ラキは客間にフトンを敷いて寝ている。
「ラキ、おはよう! 昨夜はどうだったの?」
ラキとユウが交互に昨夜の模様をリオに説明した。
「ふうん、領都に行くんだね? ラキの背中に乗るの楽しみ~♪」
リオが無邪気に燥いでいると、
「おはようございまふ...」
まだ寝ぼけ眼のアリィが二階から降りて来た。
◇◇◇
朝食後、改めて今後の方針を確認し合う。
「領都のダレスに出発するのは夜になる。それまでは各自、まったりと過ごしくれ。ラキは気になったことがあったら何でも質問してくれ」
するとラキは全員を見渡して、
「まずは、お主らの関係を聞きたい。ユウとアリィはどう見ても夫婦には見えんし、獣人のリオが人間二人の子供とも思えん。どういった関係なんじゃ?」
それを聞いたアリィが「どう見ても夫婦には見えませんか、そうですか...」とかなんとかブツブツ呟いているが、敢えて放っておいて、
「俺とアリィは同郷で共に旅をする仲間だ。リオは旅の途中で怪我をしている所を助けて、それ以来ずっと一緒に居る。俺達の仲間だ」
「なるほど。妾と似たようなもんじゃな。では、妾も仲間に入れてくれるかの?」
「あぁ、もちろん。お前はもう俺達の仲間だ」
「感謝する。仲間か...良い響きじゃの」
そう言ってラキは、とても良い笑顔を見せたのだった。
今朝のメニューはスクランブルエッグにカリカリベーコン、トーストにサラダ、コーンスープに牛乳、オレンジジュースという定番ものだ。
冷蔵庫を開けて中身を確認する。
「卵が切れそうだな。アリィが起きて来たら出して貰うか」
異世界に飛ばされた当初、冷蔵庫の中は何も入ってなかった。さすがのアリィも冷蔵庫の中身まではイメージ出来なかったからだ。
その後、リオという仲間が増えたことで、こうして料理の腕を振るう機会が増えた。昨夜、ハンバーグを作ったように。それに伴い、冷蔵庫の中身も徐々に充実させて行ったという訳だ。
そしてまた一人、ラキという仲間が増えたことで、当然ながら冷蔵庫の中身が減るのが早くなった。これからは毎日、何かしらの食材をアリィに補充して貰うことになるだろう。
卵とベーコンをフライパンで炒めていると、匂いに釣られたのかリオが起きて来た。
「ふわぁ...あれ? リオ、寝ちゃってた!?」
「おはよう、リオ。ソファーで寝ちゃったからそのままにしておいたぞ?」
「ふみゅう...起こしてくれたら良かったのにぃ...」
「気持ち良さそうに寝てたからな。起こすのは気が引けた」
基本、リオはどこでも寝る。アリィのベッドで一緒に寝ることが一番多いが、昨夜のようにリビングのソファーで眠ったり、いつの間にかユウのベッドに潜り込んで寝ている時もある。
ユウもアリィも特に注意したりはしない。ただ、起きるのが一番遅いアリィは、リオがユウのベッドで一緒に寝る時があることを知らない。知ったらどうなることやら...
「おはよう、二人とも早いな」
そこへラキが起きて来た。ラキは客間にフトンを敷いて寝ている。
「ラキ、おはよう! 昨夜はどうだったの?」
ラキとユウが交互に昨夜の模様をリオに説明した。
「ふうん、領都に行くんだね? ラキの背中に乗るの楽しみ~♪」
リオが無邪気に燥いでいると、
「おはようございまふ...」
まだ寝ぼけ眼のアリィが二階から降りて来た。
◇◇◇
朝食後、改めて今後の方針を確認し合う。
「領都のダレスに出発するのは夜になる。それまでは各自、まったりと過ごしくれ。ラキは気になったことがあったら何でも質問してくれ」
するとラキは全員を見渡して、
「まずは、お主らの関係を聞きたい。ユウとアリィはどう見ても夫婦には見えんし、獣人のリオが人間二人の子供とも思えん。どういった関係なんじゃ?」
それを聞いたアリィが「どう見ても夫婦には見えませんか、そうですか...」とかなんとかブツブツ呟いているが、敢えて放っておいて、
「俺とアリィは同郷で共に旅をする仲間だ。リオは旅の途中で怪我をしている所を助けて、それ以来ずっと一緒に居る。俺達の仲間だ」
「なるほど。妾と似たようなもんじゃな。では、妾も仲間に入れてくれるかの?」
「あぁ、もちろん。お前はもう俺達の仲間だ」
「感謝する。仲間か...良い響きじゃの」
そう言ってラキは、とても良い笑顔を見せたのだった。
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