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第45話 酒場にて
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「ちょっと離れておれ」
ユウが離れたのを確認したラキは、躊躇なくパジャマを脱いで全裸になった。ユウはサッと右を向いて目を反らす。条件反射とは恐ろしい。アリィに刷り込まれたとも言える。
「もういいぞ。背中に乗れ」
見ると既にドラゴンの姿になったラキが居た。
「じゃ、じゃあ失礼して...」
ラキの背中によじ登る。ゴツゴツしてるのかと思ったら、意外にも柔らかいのでちょっとビックリした。
「飛ぶぞ。しっかり掴まって落ちんようにな」
ふわりとラキが飛び立つ。そして一気にスピードを上げる。ユウは慌てて背中にしがみ付く。あっという間にベントの町の灯りが見えて来た。
「ここらで降りるぞ。あんまり町に近付いて見付かったら騒ぎになるでな」
そう言って町から100mほど離れた草むらに着地した。ユウは背中から降りて、
「凄かった...なんて言うか、最初は怖いって感じたんだが、段々気持ち良くなった。まだ乗っていたいって思ったよ。クセになりそうだ」
「気に入って貰えて何よりじゃ。またいつでも乗せてやる。さて、リュックを寄越せ」
初めての空の旅にユウが感動している間、既にラキは人間の姿になっていた。完全な大人の女の姿に。もちろん全裸で。
「うぽっ!?」
思わず変な声が出たユウは、慌てて右を向いた。これはヤバい...大人モードのラキの破壊力は半端ない。目も眩むような美しさに加え、ボンキュッボンのナイスボディ。しばらくご無沙汰だったユウには刺激が強過ぎる。
「待たせたな」
ユウが悶々としている間に、ラキの支度が調ったようだ。
「ら、ラキ、そ、その格好は!?」
ラキはボディコンのように、体にぴったり張り付く赤いドレス姿だった。ボンキュッボンの体のラインがくっきりと浮き出ている。おまけに胸元が大きく開いてるから、目のやり場に非常に困る。
「人間の男はこういう格好が好きじゃろ? この姿で居ると、色んな男が話し掛けてくるでな。情報を効率良く集めるためじゃ。さぁ、行くぞ」
そう言ってラキは、ユウの腕にしがみ付くようにして歩き出した。ユウは必死に自分の理性と戦っていた。
◇◇◇
酒場は混み合っていた。テーブル席が満員なので、ユウとラキはカウンターに腰掛ける。
「いらっしゃい。ご注文は?」
そう言われてユウは戸惑った。この世界にどんな種類の酒があるのか知らないからだ。ユウが逡巡していると、
「ねぇ、私のボトルまだ残っているかしら?」
「なんだ、ラキじゃねぇか! 久し振りだな! あぁ、まだ残ってるぜ!」
「じゃあそれをロックで。この人にもね。あとツマミは適当に」
「はいよ~!」
ユウが呆然としている間に、いつもの口調をガラリと変えたラキが注文を済ませてしまった。しかもボトルを入れてるくらいの常連さんみたいだ。更に...
「なに!? ラキだって!?」「おう、今日もまた色っぽいじゃねぇか!」「ラキ! こっち来いよ! 一緒に飲もうぜ!」
「は~い♪」
テーブル席からの誘いに乗って、ユウを置き去りして行ってしまった。
一人残されたユウは、あれは誰だ? 本当にラキなのか!? と呆気に取られるのみだった。
ユウが離れたのを確認したラキは、躊躇なくパジャマを脱いで全裸になった。ユウはサッと右を向いて目を反らす。条件反射とは恐ろしい。アリィに刷り込まれたとも言える。
「もういいぞ。背中に乗れ」
見ると既にドラゴンの姿になったラキが居た。
「じゃ、じゃあ失礼して...」
ラキの背中によじ登る。ゴツゴツしてるのかと思ったら、意外にも柔らかいのでちょっとビックリした。
「飛ぶぞ。しっかり掴まって落ちんようにな」
ふわりとラキが飛び立つ。そして一気にスピードを上げる。ユウは慌てて背中にしがみ付く。あっという間にベントの町の灯りが見えて来た。
「ここらで降りるぞ。あんまり町に近付いて見付かったら騒ぎになるでな」
そう言って町から100mほど離れた草むらに着地した。ユウは背中から降りて、
「凄かった...なんて言うか、最初は怖いって感じたんだが、段々気持ち良くなった。まだ乗っていたいって思ったよ。クセになりそうだ」
「気に入って貰えて何よりじゃ。またいつでも乗せてやる。さて、リュックを寄越せ」
初めての空の旅にユウが感動している間、既にラキは人間の姿になっていた。完全な大人の女の姿に。もちろん全裸で。
「うぽっ!?」
思わず変な声が出たユウは、慌てて右を向いた。これはヤバい...大人モードのラキの破壊力は半端ない。目も眩むような美しさに加え、ボンキュッボンのナイスボディ。しばらくご無沙汰だったユウには刺激が強過ぎる。
「待たせたな」
ユウが悶々としている間に、ラキの支度が調ったようだ。
「ら、ラキ、そ、その格好は!?」
ラキはボディコンのように、体にぴったり張り付く赤いドレス姿だった。ボンキュッボンの体のラインがくっきりと浮き出ている。おまけに胸元が大きく開いてるから、目のやり場に非常に困る。
「人間の男はこういう格好が好きじゃろ? この姿で居ると、色んな男が話し掛けてくるでな。情報を効率良く集めるためじゃ。さぁ、行くぞ」
そう言ってラキは、ユウの腕にしがみ付くようにして歩き出した。ユウは必死に自分の理性と戦っていた。
◇◇◇
酒場は混み合っていた。テーブル席が満員なので、ユウとラキはカウンターに腰掛ける。
「いらっしゃい。ご注文は?」
そう言われてユウは戸惑った。この世界にどんな種類の酒があるのか知らないからだ。ユウが逡巡していると、
「ねぇ、私のボトルまだ残っているかしら?」
「なんだ、ラキじゃねぇか! 久し振りだな! あぁ、まだ残ってるぜ!」
「じゃあそれをロックで。この人にもね。あとツマミは適当に」
「はいよ~!」
ユウが呆然としている間に、いつもの口調をガラリと変えたラキが注文を済ませてしまった。しかもボトルを入れてるくらいの常連さんみたいだ。更に...
「なに!? ラキだって!?」「おう、今日もまた色っぽいじゃねぇか!」「ラキ! こっち来いよ! 一緒に飲もうぜ!」
「は~い♪」
テーブル席からの誘いに乗って、ユウを置き去りして行ってしまった。
一人残されたユウは、あれは誰だ? 本当にラキなのか!? と呆気に取られるのみだった。
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