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第14話 変身するには
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アリィの胸の中で泣いていたリオのお腹がクウ~っと可愛い音を立てた。
「あうっ...鳴っちゃった...」
リオの顔が赤くなる。二人は苦笑して、
「リオ、続きは何か食べてからにしようか。肉料理は好きかな?」
「お肉大好き~♪」
「そりゃ良かった。じゃあ温めてくるからちょっと待ってな。アリィ、その間に何か着るもん探してくれ。いつまでも裸のままってのもな」
「あ、じゃあ私の小さい頃の服を探して来ます」
「頼んだ。それとちゃぶ台があったらそれも頼む。まだリオを動かしたくないから、ここで食べさせる」
「分かりました」
◇◇◇
「美味しい~♪ これなんて料理?」
「これはハンバーグっていうんだよ」
「こっちの白いのはなに?」
「これはご飯。お米だよ」
「こっちのスープは?」
「これはお味噌汁だよ」
「どれも初めて食べるけど全部美味しい~♪」
「お口に合って良かったよ」
リオからすれば異世界の料理だ。馴染みがなくて当然で、口に合わなかったらどうしようかと思っていたが、杞憂だったようだ。ちなみに今はアリィの子供の時の服を着ている。
「リオ、食べながらでいいんで聞いてくれ。なんであの場所で罠に掛かっていたんだ?」
「うんとね、村を抜け出してから、ずっと森の中や山の中に隠れていたんだけどね、獲物が中々獲れなくて...木の実や山菜だけじゃお腹空いちゃってさ、我慢出来なくなって人里に下りて来たんだ。そしたら...」
「そっかぁ...苦労したんだなぁ...でも、もう大丈夫だぞ。怪我が治るまでここに居ていいからな」
「ありがとう~♪ ところで二人はお貴族様なの?」
「いや? 違うよ? 一般人だ」
正確には異世界の一般人だが、今はまだ言うべきではないだろう。
「そうなんだ。見た事ないお家に住んでるから、てっきりそうだと思ったよ~」
「まぁその辺はおいおい説明するよ」
ユウはなんとか誤魔化した。
「ところでリオ、お前さんは変身出来るのか? 罠に掛かった時は狼の姿だったけど」
「うん、獣人は成長するとそれぞれの血に合った姿に変身出来るようになるんだって。リオの場合なら狼ね」
「なるほど...うん? でもリオはまだ子供に見えるけど?」
「女の子の場合はね、え~と...なんだっけ? しゃちょう? を迎えると大人の仲間入りなんだって」
「社長? どこの社長だ?」
「あ、違ったかな? しゅうちょう?」
「酋長って...どこのアパッチだよ...」
「あ、あの...」
リオとユウの噛み合わない会話にアリィが割って入る。だが何故か顔が赤い。
「初潮だと思います...」
「あ、それそれ!」
「な、なるほど、やっと意味が分かった...」
また場にビミョーな空気が流れた。
「あうっ...鳴っちゃった...」
リオの顔が赤くなる。二人は苦笑して、
「リオ、続きは何か食べてからにしようか。肉料理は好きかな?」
「お肉大好き~♪」
「そりゃ良かった。じゃあ温めてくるからちょっと待ってな。アリィ、その間に何か着るもん探してくれ。いつまでも裸のままってのもな」
「あ、じゃあ私の小さい頃の服を探して来ます」
「頼んだ。それとちゃぶ台があったらそれも頼む。まだリオを動かしたくないから、ここで食べさせる」
「分かりました」
◇◇◇
「美味しい~♪ これなんて料理?」
「これはハンバーグっていうんだよ」
「こっちの白いのはなに?」
「これはご飯。お米だよ」
「こっちのスープは?」
「これはお味噌汁だよ」
「どれも初めて食べるけど全部美味しい~♪」
「お口に合って良かったよ」
リオからすれば異世界の料理だ。馴染みがなくて当然で、口に合わなかったらどうしようかと思っていたが、杞憂だったようだ。ちなみに今はアリィの子供の時の服を着ている。
「リオ、食べながらでいいんで聞いてくれ。なんであの場所で罠に掛かっていたんだ?」
「うんとね、村を抜け出してから、ずっと森の中や山の中に隠れていたんだけどね、獲物が中々獲れなくて...木の実や山菜だけじゃお腹空いちゃってさ、我慢出来なくなって人里に下りて来たんだ。そしたら...」
「そっかぁ...苦労したんだなぁ...でも、もう大丈夫だぞ。怪我が治るまでここに居ていいからな」
「ありがとう~♪ ところで二人はお貴族様なの?」
「いや? 違うよ? 一般人だ」
正確には異世界の一般人だが、今はまだ言うべきではないだろう。
「そうなんだ。見た事ないお家に住んでるから、てっきりそうだと思ったよ~」
「まぁその辺はおいおい説明するよ」
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「ところでリオ、お前さんは変身出来るのか? 罠に掛かった時は狼の姿だったけど」
「うん、獣人は成長するとそれぞれの血に合った姿に変身出来るようになるんだって。リオの場合なら狼ね」
「なるほど...うん? でもリオはまだ子供に見えるけど?」
「女の子の場合はね、え~と...なんだっけ? しゃちょう? を迎えると大人の仲間入りなんだって」
「社長? どこの社長だ?」
「あ、違ったかな? しゅうちょう?」
「酋長って...どこのアパッチだよ...」
「あ、あの...」
リオとユウの噛み合わない会話にアリィが割って入る。だが何故か顔が赤い。
「初潮だと思います...」
「あ、それそれ!」
「な、なるほど、やっと意味が分かった...」
また場にビミョーな空気が流れた。
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