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「そうなのよぉ~♪ あの時のアレクサンドル殿下の顔ったらなかったわぁ~♪ まるでこの世の終わりみたいな顔しちゃってたのよぉ~♪ ホントにお笑い草よねぇ~♪ アンタなんか及びじゃないっつーの♪ ジークフリート様の方が何倍も素敵なんだからぁ~♪」
これはアナスタシア嬢。
「いや全くですぅ~♪ 私の時も同じような反応でしたぁ~♪ まるで捨てられた子犬みたいな顔してましたよぉ~♪ ホントに惨めな様子でしたねぇ~♪ 笑いを堪えるのが大変でしたぁ~♪」
これはカトリーナ嬢だ。
なるほど...ジークフリート王子を褒め称えるだけじゃ足りないとみて、次はアレクサンドル王子のことを貶す方にシフトしたってことか...コイツらホント最低だな...
「いいな♪ いいな♪ いいなぁ~♪ 私の時なんて王妃様が激おこだって言うからぁ~♪ 私、家から一歩も外に出られなかったんですよぉ~♪ あぁ、私もアレクサンドル王子の無様な姿見たかったなぁ~♪」
するとベロニカ嬢まで追従し始めた。
をいをい...お前の場合はそんな呑気なこと言ってる場合じゃねぇだろがい...王妃様が激怒すんの当然だっての...寧ろ首と胴体がまだ繋がっていることを感謝するべきじゃねぇのかい...なに罰当たりなこと抜かしてやがる...
聞くに耐えなくなった私は、一言ガツンと言ってやろうと思って彼女らの所に行こうとしたが、
パチンッ!
私を制するように母親が殊更に大きな音を立てて、持っていた扇子を勢い良く閉じた。その音はやけに大きく感じられ、会場中に響き渡った。すると一瞬にして、賑やかだった会場がシンと静まり返った。
「不愉快だわ」
そんな中、母親は然程大きく声を張ることもなく、不機嫌さを隠すこともなく、淡々とその一言だけを口にした。会場中の視線が母親に集中する。
母親はアナスタシア嬢達を睨み付けながらこう続けた。
「あなた達、さっきから大声で王族を貶しているようだけど、なに? 命が惜しくないって言うの?」
「へっ!?」
アナスタシア嬢が間抜けな声を発する。
「へっ!? じゃないわよ。こんな公の場で堂々と王族を貶しめたんだから、不敬罪に問われる覚悟はあるんでしょうね? って言ってんのよ。そんなことも分かんないの? バカなの? アホなの?」
母親は容赦なくアナスタシア嬢達を追い詰める。とんでもないことを仕出かしたんだと気付いた彼女らは、みんな揃って顔面蒼白になっていた。特にベロニカ嬢の顔色は、青を通り越して白くなっている。
自業自得だ。同情の余地は無い。
これはアナスタシア嬢。
「いや全くですぅ~♪ 私の時も同じような反応でしたぁ~♪ まるで捨てられた子犬みたいな顔してましたよぉ~♪ ホントに惨めな様子でしたねぇ~♪ 笑いを堪えるのが大変でしたぁ~♪」
これはカトリーナ嬢だ。
なるほど...ジークフリート王子を褒め称えるだけじゃ足りないとみて、次はアレクサンドル王子のことを貶す方にシフトしたってことか...コイツらホント最低だな...
「いいな♪ いいな♪ いいなぁ~♪ 私の時なんて王妃様が激おこだって言うからぁ~♪ 私、家から一歩も外に出られなかったんですよぉ~♪ あぁ、私もアレクサンドル王子の無様な姿見たかったなぁ~♪」
するとベロニカ嬢まで追従し始めた。
をいをい...お前の場合はそんな呑気なこと言ってる場合じゃねぇだろがい...王妃様が激怒すんの当然だっての...寧ろ首と胴体がまだ繋がっていることを感謝するべきじゃねぇのかい...なに罰当たりなこと抜かしてやがる...
聞くに耐えなくなった私は、一言ガツンと言ってやろうと思って彼女らの所に行こうとしたが、
パチンッ!
私を制するように母親が殊更に大きな音を立てて、持っていた扇子を勢い良く閉じた。その音はやけに大きく感じられ、会場中に響き渡った。すると一瞬にして、賑やかだった会場がシンと静まり返った。
「不愉快だわ」
そんな中、母親は然程大きく声を張ることもなく、不機嫌さを隠すこともなく、淡々とその一言だけを口にした。会場中の視線が母親に集中する。
母親はアナスタシア嬢達を睨み付けながらこう続けた。
「あなた達、さっきから大声で王族を貶しているようだけど、なに? 命が惜しくないって言うの?」
「へっ!?」
アナスタシア嬢が間抜けな声を発する。
「へっ!? じゃないわよ。こんな公の場で堂々と王族を貶しめたんだから、不敬罪に問われる覚悟はあるんでしょうね? って言ってんのよ。そんなことも分かんないの? バカなの? アホなの?」
母親は容赦なくアナスタシア嬢達を追い詰める。とんでもないことを仕出かしたんだと気付いた彼女らは、みんな揃って顔面蒼白になっていた。特にベロニカ嬢の顔色は、青を通り越して白くなっている。
自業自得だ。同情の余地は無い。
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