185 / 316
185
しおりを挟む
「話は良く分かったわ...」
「お分かり頂けましたか」
シンシアはあからさまにホッとした様子だが残念! 私は理解はしたけど納得した訳じゃないんだよ!
「でも...それでも私はあなたとラインハルトを絶対に結ばせて見せるわ!」
「だからどうしてそうなるんですか...お分かり頂けたんじゃなかったんですか...」
今度はあからさまに呆れたような表情を浮かべるシンシアに対し、
「当たり前じゃないのよ! あなた達が結ばれなかったら、ストーリーがむちゃくちゃになっちゃうじゃないの!」
私はキッパリと言い切った。
「ストーリー!? なんですかストーリーって!?」
「あ、間違えた! 運命よ! 運命!」
危ない危ない...素で言い放っちゃったよ...この世界は小説のストーリーの中なんだ! なんて言ったりしたら狂人扱いされるの間違いないかんね...気を付けないとな...クワバラクワバラ...
「運命って...お嬢様、いつから運命論者になられたんですか?」
「そんなのいつだっていいじゃないのよ! とにかく、あなたとラインハルトは結ばれる運命なの! これはもう決まったことなのよ!」
「意味が分かりませんけど...」
シンシアは呆れを通り越して蔑むような表情になってるけど、私だってここは引く訳にはいかないんだよ!
「今は分からなくてもいいのよ! その内に分かる時が必ず来るから! ね? 騙されたと思って私の言う通りにしなさい!」
「何度も言いますがイヤです。騙されたくありませんし」
シンシアは素っ気なく言い切った。
「だからなんでよぉ~!」
私は泣きたくなって来た。
「なんでもなにも、肝心のラインハルト様にその気がない以上、どうしようもないんだってことをさっきから言ってんですけどね...」
「お色気作戦...」
ギラリ! シンシアの目が怪しく光ったので、
「...はダメなのよね...」
私は慌てて取り繕った。
「しょうがない...この手は使いたくなかったけど...」
背に腹は代えられない。私はカバンの中からとある瓶を取り出した。
「なんですかこれ?」
シンシアは瓶を手に取り不思議そうに眺めている。
「即効性の媚薬」
「......」
シンシアが瓶を手にしたまま固まってしまった。
「これを入れたお茶をシンシアがラインハルトに運べばそれで終了。後はケダモノと化したラインハルトがシンシアに襲い掛かるのを待つだけ。簡単なお仕事でしょ? まぁ倫理的、道徳的にどうなんだ? って話はあるだろうけど、既成事実さえ作っちゃえばオールオッケーみたいな感じ? どうよ?」
私はドヤ顔でそう言った。
「お分かり頂けましたか」
シンシアはあからさまにホッとした様子だが残念! 私は理解はしたけど納得した訳じゃないんだよ!
「でも...それでも私はあなたとラインハルトを絶対に結ばせて見せるわ!」
「だからどうしてそうなるんですか...お分かり頂けたんじゃなかったんですか...」
今度はあからさまに呆れたような表情を浮かべるシンシアに対し、
「当たり前じゃないのよ! あなた達が結ばれなかったら、ストーリーがむちゃくちゃになっちゃうじゃないの!」
私はキッパリと言い切った。
「ストーリー!? なんですかストーリーって!?」
「あ、間違えた! 運命よ! 運命!」
危ない危ない...素で言い放っちゃったよ...この世界は小説のストーリーの中なんだ! なんて言ったりしたら狂人扱いされるの間違いないかんね...気を付けないとな...クワバラクワバラ...
「運命って...お嬢様、いつから運命論者になられたんですか?」
「そんなのいつだっていいじゃないのよ! とにかく、あなたとラインハルトは結ばれる運命なの! これはもう決まったことなのよ!」
「意味が分かりませんけど...」
シンシアは呆れを通り越して蔑むような表情になってるけど、私だってここは引く訳にはいかないんだよ!
「今は分からなくてもいいのよ! その内に分かる時が必ず来るから! ね? 騙されたと思って私の言う通りにしなさい!」
「何度も言いますがイヤです。騙されたくありませんし」
シンシアは素っ気なく言い切った。
「だからなんでよぉ~!」
私は泣きたくなって来た。
「なんでもなにも、肝心のラインハルト様にその気がない以上、どうしようもないんだってことをさっきから言ってんですけどね...」
「お色気作戦...」
ギラリ! シンシアの目が怪しく光ったので、
「...はダメなのよね...」
私は慌てて取り繕った。
「しょうがない...この手は使いたくなかったけど...」
背に腹は代えられない。私はカバンの中からとある瓶を取り出した。
「なんですかこれ?」
シンシアは瓶を手に取り不思議そうに眺めている。
「即効性の媚薬」
「......」
シンシアが瓶を手にしたまま固まってしまった。
「これを入れたお茶をシンシアがラインハルトに運べばそれで終了。後はケダモノと化したラインハルトがシンシアに襲い掛かるのを待つだけ。簡単なお仕事でしょ? まぁ倫理的、道徳的にどうなんだ? って話はあるだろうけど、既成事実さえ作っちゃえばオールオッケーみたいな感じ? どうよ?」
私はドヤ顔でそう言った。
0
お気に入りに追加
2,150
あなたにおすすめの小説

【完結】冤罪で殺された王太子の婚約者は100年後に生まれ変わりました。今世では愛し愛される相手を見つけたいと思っています。
金峯蓮華
恋愛
どうやら私は階段から突き落とされ落下する間に前世の記憶を思い出していたらしい。
前世は冤罪を着せられて殺害されたのだった。それにしても酷い。その後あの国はどうなったのだろう?
私の願い通り滅びたのだろうか?
前世で冤罪を着せられ殺害された王太子の婚約者だった令嬢が生まれ変わった今世で愛し愛される相手とめぐりあい幸せになるお話。
緩い世界観の緩いお話しです。
ご都合主義です。
*タイトル変更しました。すみません。

【完結】私ですか?ただの令嬢です。
凛 伊緒
恋愛
死んで転生したら、大好きな乙女ゲーの世界の悪役令嬢だった!?
バッドエンドだらけの悪役令嬢。
しかし、
「悪さをしなければ、最悪な結末は回避出来るのでは!?」
そう考え、ただの令嬢として生きていくことを決意する。
運命を変えたい主人公の、バッドエンド回避の物語!
※完結済です。
※作者がシステムに不慣れかつ創作初心者な時に書いたものなので、温かく見守っていだければ幸いです……(。_。///)
※ご感想・ご指摘につきましては、近況ボードをお読みくださいませ。
《皆様のご愛読に、心からの感謝を申し上げますm(*_ _)m》

【完結】【35万pt感謝】転生したらお飾りにもならない王妃のようなので自由にやらせていただきます
宇水涼麻
恋愛
王妃レイジーナは出産を期に入れ替わった。現世の知識と前世の記憶を持ったレイジーナは王子を産む道具である現状の脱却に奮闘する。
さらには息子に殺される運命から逃れられるのか。
中世ヨーロッパ風異世界転生。

悪役令嬢に転生したら手遅れだったけど悪くない
おこめ
恋愛
アイリーン・バルケスは断罪の場で記憶を取り戻した。
どうせならもっと早く思い出せたら良かったのに!
あれ、でも意外と悪くないかも!
断罪され婚約破棄された令嬢のその後の日常。
※うりぼう名義の「悪役令嬢婚約破棄諸々」に掲載していたものと同じものです。

【完結】母になります。
たろ
恋愛
母親になった記憶はないのにわたしいつの間にか結婚して子供がいました。
この子、わたしの子供なの?
旦那様によく似ているし、もしかしたら、旦那様の隠し子なんじゃないのかしら?
ふふっ、でも、可愛いわよね?
わたしとお友達にならない?
事故で21歳から5年間の記憶を失くしたわたしは結婚したことも覚えていない。
ぶっきらぼうでムスッとした旦那様に愛情なんて湧かないわ!
だけど何故かこの3歳の男の子はとても可愛いの。

誰からも愛されない悪役令嬢に転生したので、自由気ままに生きていきたいと思います。
木山楽斗
恋愛
乙女ゲームの悪役令嬢であるエルファリナに転生した私は、彼女のその境遇に対して深い悲しみを覚えていた。
彼女は、家族からも婚約者からも愛されていない。それどころか、その存在を疎まれているのだ。
こんな環境なら歪んでも仕方ない。そう思う程に、彼女の境遇は悲惨だったのである。
だが、彼女のように歪んでしまえば、ゲームと同じように罪を暴かれて牢屋に行くだけだ。
そのため、私は心を強く持つしかなかった。悲惨な結末を迎えないためにも、どんなに不当な扱いをされても、耐え抜くしかなかったのである。
そんな私に、解放される日がやって来た。
それは、ゲームの始まりである魔法学園入学の日だ。
全寮制の学園には、歪な家族は存在しない。
私は、自由を得たのである。
その自由を謳歌しながら、私は思っていた。
悲惨な境遇から必ず抜け出し、自由気ままに生きるのだと。

【完結】ずっと、ずっとあなたを愛していました 〜後悔も、懺悔も今更いりません〜
高瀬船
恋愛
リスティアナ・メイブルムには二歳年上の婚約者が居る。
婚約者は、国の王太子で穏やかで優しく、婚約は王命ではあったが仲睦まじく関係を築けていた。
それなのに、突然ある日婚約者である王太子からは土下座をされ、婚約を解消して欲しいと願われる。
何故、そんな事に。
優しく微笑むその笑顔を向ける先は確かに自分に向けられていたのに。
婚約者として確かに大切にされていたのに何故こうなってしまったのか。
リスティアナの思いとは裏腹に、ある時期からリスティアナに悪い噂が立ち始める。
悪い噂が立つ事など何もしていないのにも関わらず、リスティアナは次第に学園で、夜会で、孤立していく。

婚約破棄されたショックですっ転び記憶喪失になったので、第二の人生を歩みたいと思います
ととせ
恋愛
「本日この時をもってアリシア・レンホルムとの婚約を解消する」
公爵令嬢アリシアは反論する気力もなくその場を立ち去ろうとするが…見事にすっ転び、記憶喪失になってしまう。
本当に思い出せないのよね。貴方たち、誰ですか? 元婚約者の王子? 私、婚約してたんですか?
義理の妹に取られた? 別にいいです。知ったこっちゃないので。
不遇な立場も過去も忘れてしまったので、心機一転新しい人生を歩みます!
この作品は小説家になろうでも掲載しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる