転生したら死亡エンドしかない悪役令嬢だったので、王子との婚約を全力で回避します

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　ヘルマンさんとの面接から三日後、

「ベアトリーチェお嬢様、お待たせ致しました」

「えっ!?　ヘルマンさん!?　どうしたんですか!?」

　用事があって外出していた私は、屋敷に戻って来た時、門の所でヘルマンさんにバッタリ出会ってビックリした。

「この間の件のご返事をしようと思いまして」

「えぇっ!?　そんなのご連絡を頂ければこちらから出向きましたのに!?」

　というより、こっちがお願いしてる立場なんだから、そうするのが当然のはずなんだが....

「一刻も早くご返事したいと思いまして。それにちょうどこちらの方に出掛ける用事がありましたので」

「そうなんですね。取り敢えず客間にてお待ち下さい。エドワード、ご案内して?　それとアンドリューを呼んで?」

「畏まりました」


◇◇◇


「結論から申しますと、今すぐにでもウチに来て欲しいです」

「本当ですか!?」

「えぇ、それくらい素晴らしい才能を感じました。間違いなく一流の脚本家になれることでしょう」

「アンドリュー!　良かったわね!」

「はい!　ありがとうございます!」

　私達は手を取り合って喜んだ。面接で手応えを感じていたとはいえ、こうやって評価されるのは嬉しいものだ。

「ヘルマンさん、ありがとうございました。これからよろしくお願い致します」

「こちらこそよろしくお願い致します」

「それでヘルマンさん、町長さんとの折衝の件に関しましては...」

「はい、そちらの面でも活躍してくれることを期待しております」

「重ね重ねありがとうございます!」

「ところでアンドリューさん、お住まいは決まっているのですか?」

「いえ、まだです。どこか安い所を探そうと思っております」

「それでしたらちょうどいい。宿泊施設に一室空きがあるんです。そこにお住まいになられませんか?　家賃はタダですよ?」

　この宿泊施設というのは無論元別館のことだ。

「本当ですか!?　それはとても助かります!」

「では決まりですね」

「ヘルマンさん、何から何まで申し訳ありません」

「いえいえ、こちらとしても、それだけの待遇に値する人物であると評価した結果ですから」

「ありがとうございます。アンドリュー、期待に応えるよう頑張るのよ?」

「はい!　お任せ下さい!」

「それじゃあ早速、荷物を纏めなさい。妹との別れもちゃんと済ませておくのよ?」

「分かりました!」

　アンドリューが部屋を出て行った後、ヘルマンさんとは別の話を少しして、最後に改めてアンドリューをよろしくとお願いしてから別れた。