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今日はマルガリータがウチの屋敷に来てからちょうど一年経つのを記念してのお祝い会を開いている。
「えっ!? お兄さん!? マルガにはお兄さんが居たの!?」
「はい、アンドリューって言う私より5歳年上のお兄ちゃんが一人居るんです」
その席上でいきなりマルガリータがカミングアウトした。
「聞いてないわよ? なんで今まで内緒にしてたの?」
「内緒にしていた訳じゃないんですが...ちょっと言い辛かったというか...」
珍しくマルガリータが口ごもっている。
「どういうこと?」
「お兄ちゃん、お父さんとケンカして家を飛び出しちゃったんです...」
「ええっ!? 一体なにがあったの!?」
私はビックリして問い返していた。
「お兄ちゃん、家の跡を継ぐのがイヤだって...俺は役者になるんだって言ってお父さんと言い合いになっちゃって...決裂してそのまま家を出ちゃったんです...お父さん、カンカンに怒っちゃって勘当するって言い出しちゃって...もうアイツとは親でもなければ子でもないからお前もそのつもりでいろって言われて...だから私も今まで言い出せなかったんです.. .」
「そうだったのね...」
マルガリータが内緒にしていた理由に納得した私は軽く頷いた。
「それで? なんで今になって打ち明けようと思ったの?」
「実は私、お父さんには内緒でお兄ちゃんとはずっと連絡を取り合っていたんです」
「あぁ、なるほど」
「お兄ちゃん、役者になるのを目指して王都に向かったんですけど、やっぱり中々芽が出なくて苦労しているみたいなんです。生活するためのバイト掛け持ちもキツイって言ってました。だから私、そろそろ夢を追うのは諦めて帰って来たらどうか? って再三言ってたんですよ。もう良い歳なんだからって」
「いやいや、良い歳って...私達と5歳違いならまだ二十歳前じゃないのよ? 十分に若いじゃないの? 役者には遅咲きの人だっている訳だし、夢を諦めるにはまだまだ早いんじゃない?」
「お兄ちゃんが目指しているのは歌って踊れるミュージカルスターですから、若い内に芽が出ないと厳しい世界なんですよ」
「そういうもんなの?」
私はちょっと納得が行かなかった。
「お兄ちゃんはそう言ってました。それで夢を追うのは諦めて、やっと帰って来る気になったみたいなんです」
「そうなんだ」
「それで職を探す必要があるんですけど、なにか良い仕事はありませんでしょうか?」
「どんな仕事に就きたいって?」
「出来れば劇団関係の仕事に就きたいみたいです」
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「ええっ!? 一体なにがあったの!?」
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「お兄ちゃん、家の跡を継ぐのがイヤだって...俺は役者になるんだって言ってお父さんと言い合いになっちゃって...決裂してそのまま家を出ちゃったんです...お父さん、カンカンに怒っちゃって勘当するって言い出しちゃって...もうアイツとは親でもなければ子でもないからお前もそのつもりでいろって言われて...だから私も今まで言い出せなかったんです.. .」
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「それで? なんで今になって打ち明けようと思ったの?」
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「あぁ、なるほど」
「お兄ちゃん、役者になるのを目指して王都に向かったんですけど、やっぱり中々芽が出なくて苦労しているみたいなんです。生活するためのバイト掛け持ちもキツイって言ってました。だから私、そろそろ夢を追うのは諦めて帰って来たらどうか? って再三言ってたんですよ。もう良い歳なんだからって」
「いやいや、良い歳って...私達と5歳違いならまだ二十歳前じゃないのよ? 十分に若いじゃないの? 役者には遅咲きの人だっている訳だし、夢を諦めるにはまだまだ早いんじゃない?」
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「そういうもんなの?」
私はちょっと納得が行かなかった。
「お兄ちゃんはそう言ってました。それで夢を追うのは諦めて、やっと帰って来る気になったみたいなんです」
「そうなんだ」
「それで職を探す必要があるんですけど、なにか良い仕事はありませんでしょうか?」
「どんな仕事に就きたいって?」
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