転生したら死亡エンドしかない悪役令嬢だったので、王子との婚約を全力で回避します

真理亜

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「それにしても、リーチェ様のアイデアはいつも斬新ですよね~♪ 驚かされます~♪ しかもそのアイデアのほとんどが商品化して大ヒットしてるんですもん♪ アイデアの豊富さももちろんだけど、その着眼点がお見事ですよね~♪ 私、尊敬しちゃいます~♪」

「アハハ、そんなに誉めてももうなにも出ないわよ?」

「ハァ~♪ 私、リーチェ様にお会い出来て幸せです~♪」

「あら? それは私だって同じ気持ちよ? マルガに会えて幸せだわ」

「リーチェ様ぁ~♪」

「マルガ~♪」

 私とマルガリータはもう一度熱い抱擁を交わした。チラッと周りを見ると、ラインハルトとシンシアが白けた目でこっちを見てやがる!

 フンッ! 知ったことか! そんなに羨ましいんだったらお前らもそこで抱き合えばいいじゃんか!

「コホン、お姉様...ここには視察に来たんじゃなかったでしたっけ?」

 しばらくマルガリータの体を堪能していたら、ラインハルトの野郎がまたもや無粋なことを言って来やがった!

「いちいちうっさいわ! そんなに視察したかったらお前ら二人で回って来やがれ!」

「えぇ~...ちょっと...なにそれ...」

「お嬢様...そういうのを本末転倒って言うんですよ...」

 あぁもう! ホントにコイツらウゼえな! だから付いて来なくていいって言ったんだよ!

「フゥ...仕方ない...マルガ、新しく出来た温室の方に案内してくれる?」

「は、はひ~♪」

 私は名残惜しく思いながらもマルガリータから体を離してそう言った。

「いやいや、仕方ないって...」

「完全に目的が変わってますよね...」

 なんか二人が後ろの方でまだごちゃごちゃ言ってるけど無視無視! 私はマルガリータと手を繋いでそそくさと歩き出した。


◇◇◇


「うん、問題なく稼働しているようね」

「はい、バッチリです!」

 現在、私達は視察を終えて村に一軒だけあるオープンカフェでお茶していた。例のバラの香りがするお茶だ。

 普段はコーヒー党の私も、こういう時はちゃんと空気を読むのだ。

「順調で良かったわ。やっぱりこうして自分の目で確かめないとね。あと何回来れるか分かんないし...」

「えっ!? そ、それってどういう意味ですか!?」

 今までご機嫌だったマルガリータの顔が一瞬で曇った。うん、なんか申し訳ない...

「あと2年もすれば、私は王都に戻らないといけないからね。今までみたいな頻度では来れなくなるっていう意味よ」

「あぁ、王立学園に入学するんでしたっけ...」

 するとマルガリータは思案に沈んだ後、

「だったら私も王立学園を受験します!」

 そう高らかに宣言したのだった。
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