転生したら死亡エンドしかない悪役令嬢だったので、王子との婚約を全力で回避します

真理亜

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 結果として、アレクサンドル王子がお見舞いに来ることはなかった。

 ただ王都の屋敷には、私の安否を確認するべく訪れたらしい。まぁ、ある意味予想通りの行動だ。両親に事前周知しておいて良かった。父親からの手紙によれば上手いこと遇ってくれたらしい。感謝感謝。

 これで当分はなにもして来ないだろう。だからもうダイエットする必要はない...訳がなくて、

「ほら、お姉様! 頑張って! あと半周ですよ!」

「ヒーハー...ヒーハー...」

 いつ王子が来てもいいように体型は維持しておく必要がある。そんなこんなで私は今日も汗を流している。


◇◇◇


「ふうん、ラインハルト。どうやら新劇場の方はリハーサルがそれそろ本格化して来たみたいよ? 今度観に行きましょうか?」

「いいですね!」

 私は今、私達が王都に行っている間の各部の進捗状況報告書に目を通しているところだ。

 新劇場と農園化の方は至って順調。新劇場は改造工事がほぼ完了し、あとはこけら落としを待つだけという状態だ。

 農園化の方も種蒔きが終わって芽が出るのを待っている状態。今は果樹園に植える若木を剪定しているところだ。

「博物館より先にこけら落としを迎えられそうね」

「そうですね」

 実はこの前、王都の屋敷に緊急の里帰りをした際に、博物館の進捗状況を確認して来ていたのだ。改造工事は既に終わり、今は展示物を集めているところだった。

 王都の旧本館や旧別館に飾ってあった絵画や彫刻の内、鑑定して貰って良さそうな物は何点か売らずに展示する予定だ。

 それはこっちの旧本館や旧別館に飾ってあった物も同様で、何点かは既に博物館行きとなっている。

 王都に農園を造る方も順調に進んでいて、向こうは既に芽が出ていた野菜もあった。王都産の野菜を手に入れたいと申し込んで来ている業者も既にあるそうで、先行きの展望は明るそうだ。まずは一安心といったところか。

「そうだ、エドワード。地産地消の話はどう? 食い付いた業者は居たかしら?」

「はい、既に何件か来ております」

「良かったわ」

 うん、こっちも順調のようだ。私は胸を撫で下ろした。

「それにしてもお姉様、地産地消なんて言葉どこで覚えたんです? 僕は全く知りませんでしたよ?」

「私も聞いたことがございませんな」

 二人に突っ込まれた私はちょっと焦った。まさか前世の知識だとは言えないし。

「さぁ...どこだったかしらね...なんかの本で読んだ気がするんだけど...ゴメン...良く思い出せないわ...」

 取り敢えず適当に誤魔化しておいた。
 
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