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「他にはジャガイモを使った料理が昔から好まれているようです。肉ジャガとかマッシュポテトとかポテトグラタンとか」
「あぁ、ジャガイモは飢饉対策用に元々作るつもりだったからちょうど良いわね」
「飢饉対策用ですか?」
「そうよ。サツマイモと一緒にね」
「なるほど。あっ、サツマイモといえば、次に紹介しようと思っていた人気のスイーツの中にもありました。スイートポテトとか大学イモとか」
「そうなの。ま、定番だものね」
「はい、その他にはアップルパイやアップルタルトなどリンゴを使ったスイーツが人気でした。あと旬の果物を使ったフルーツの盛り合わせとかも人気でしたね」
「そう、果樹園の参考に出来そうね」
「お姉様、人気所のスイーツはお土産として買って来ました。お茶請けにどうぞ」
「あら、ありがとう。でも一人で食べるのは寂しいわ。ラインハルトも一緒にどう?」
「す、すいません...僕はちょっと食べ過ぎちゃいまして...」
見ると確かにラインハルトのお腹がポッコリしている。私は苦笑しながら、
「あぁ、なるほど。それじゃ無理させたら悪いわね。ちなみにラインハルト、ちょっと質問なんだけど、さっきクラムチャウダーが人気だって言ってたわよね? この辺りに海は無いはずだけど、貝類はどうやって手に入れているのかしら?」
「えぇ、僕も疑問に思って聞いてみたんです。そしたらこの近くに湖があるらしいんですよ。そこでシジミが獲れるそうなんです」
「なるほど。シジミかぁ...」
「お姉様!? どうかしましたか!?」
「いや、なんでもないのよ...単なるホームシックに掛かっただけ...」
あぁ、シジミのお味噌汁飲みたい! 前世の私の大好物だったんだよ! ホントなんでこの世界にゃ味噌も醤油も無いんだろ...
どうせ日本の季節感で描いている小説なら、食文化も日本に準じてくれれば良かったのに...あぁ、シジミのお味噌汁で白米食いたい...お新香食べたい...卵かけご飯に醤油をたっぷりぶっ掛けたい...
一応、探してはみたんだよ? 国中や他の国で作ってる所はないか。結果は惨敗だった...味噌や醤油どころか米すら作ってる所はなかった...絶望したもんだったよ...
かといって自分で作ろうにも、味噌も醤油も作り方すら知らないし。大豆が原料だっていうくらいしか知らない。稲作に至っては全くなんの知識もない。
詰んだ...元日本人としては悲観するしかなかったんだよなぁ...あぁ、思い出したらなんか泣けて来たよ...
「あぁ、ジャガイモは飢饉対策用に元々作るつもりだったからちょうど良いわね」
「飢饉対策用ですか?」
「そうよ。サツマイモと一緒にね」
「なるほど。あっ、サツマイモといえば、次に紹介しようと思っていた人気のスイーツの中にもありました。スイートポテトとか大学イモとか」
「そうなの。ま、定番だものね」
「はい、その他にはアップルパイやアップルタルトなどリンゴを使ったスイーツが人気でした。あと旬の果物を使ったフルーツの盛り合わせとかも人気でしたね」
「そう、果樹園の参考に出来そうね」
「お姉様、人気所のスイーツはお土産として買って来ました。お茶請けにどうぞ」
「あら、ありがとう。でも一人で食べるのは寂しいわ。ラインハルトも一緒にどう?」
「す、すいません...僕はちょっと食べ過ぎちゃいまして...」
見ると確かにラインハルトのお腹がポッコリしている。私は苦笑しながら、
「あぁ、なるほど。それじゃ無理させたら悪いわね。ちなみにラインハルト、ちょっと質問なんだけど、さっきクラムチャウダーが人気だって言ってたわよね? この辺りに海は無いはずだけど、貝類はどうやって手に入れているのかしら?」
「えぇ、僕も疑問に思って聞いてみたんです。そしたらこの近くに湖があるらしいんですよ。そこでシジミが獲れるそうなんです」
「なるほど。シジミかぁ...」
「お姉様!? どうかしましたか!?」
「いや、なんでもないのよ...単なるホームシックに掛かっただけ...」
あぁ、シジミのお味噌汁飲みたい! 前世の私の大好物だったんだよ! ホントなんでこの世界にゃ味噌も醤油も無いんだろ...
どうせ日本の季節感で描いている小説なら、食文化も日本に準じてくれれば良かったのに...あぁ、シジミのお味噌汁で白米食いたい...お新香食べたい...卵かけご飯に醤油をたっぷりぶっ掛けたい...
一応、探してはみたんだよ? 国中や他の国で作ってる所はないか。結果は惨敗だった...味噌や醤油どころか米すら作ってる所はなかった...絶望したもんだったよ...
かといって自分で作ろうにも、味噌も醤油も作り方すら知らないし。大豆が原料だっていうくらいしか知らない。稲作に至っては全くなんの知識もない。
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