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 次の日からラインハルトの教育が始まった。

 当然ながら私も一緒に受ける。父親はあまり良い顔をしなかったが、新聞を読んだ私の言った通りに株を売り買いした結果、かなりの利益を上げることになったのでなにも言えなくなった。

 屋敷を別館に移す件に関しても前向きに検討してくれている。良い傾向だ。もっともっと私の有能さを示すことが出来れば、何れは領地の経営を任せて貰えるようになるかも知れない。

 家督はラインハルトが継いで、私は領地に引っ込み領地経営に専念する。これが理想の形だと思っている。

 そして一緒に教育を受けるようになってから気付いたことがある。それはラインハルトが9歳とは思えないほど賢い子だということだ。

 聞けばなんと! 5歳の頃から将来公爵家の後継者となるべく、厳しい英才教育を受けていたとのこと。これには恐れ入った。

 しかもラインハルトはその期待というか重圧に応えるべく、真面目に努力を重ねて来たというのが端で見ていると良く分かる。

 えぇ子やなぁ~♪ 私にゃ絶対無理! 私だったらきっとグレてるね! だって5歳だよ!? 普通なら鼻垂らしてる歳だよ!? 泥ン子になって走り回っている頃だよ!? 私なんてまだオネショしてたよ!? 汚いガキンチョだったよ!?

 ラインハルトはそんな頃から遊ぶのも我慢して、将来のために頑張っていたんだねぇ。偉い偉い! 頭撫で撫でしてあげたい!

 でもさぁ、それはある意味不幸な生い立ちと呼べるのかも知んないよねぇ。間違いなく本人の意志でやってたことじゃないだろうし、強制されてやらされていたのは間違いない訳だしね。

 だからその分、ウチの子になったからには少しずつ甘やかして行こうと思っている。具体的には勉強の合間に外へ連れ出して、その青っチョロい体を健康的に日焼けさせたり走り回らせたり。

 体力は付けておかないと貴族としての責務を果たせなくなるかも知れないからね。今の内から体力作りは必須なんだよ。

 それに一緒になって走り回っていると単純に私が嬉しい! 子供に返ったみたいで物凄く楽しい! かくれんぼや鬼ごっこするのがめっちゃ懐かしい!

 しかしまぁ、今は子供の体なのに『懐かしい』って思うのはなんかね...心と体が合ってないみたいで、どことなく違和感を感じたりはするんだけど...

 それはともかくだ、私はちゃんと空気を読める女でもあるからね。さりげなくシンシアとラインハルトを二人っきりにさせたりもしてるよ。

 だってシンシアを一目見た瞬間のラインハルトが、一瞬で恋に堕ちたのは顔が真っ赤になってなくても丸分かりだったからね。やっぱり運命の相手なんだなってつくづく思ったもんだよ。

 初々しいのぉ~♪ なんだかキュンキュンしちゃうよね~♪
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