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その日、朝食の席で父親が躊躇いがちに口を開いた。ちなみに母親はまだ起きて来ていない。
「あ~...リーチェ...明日からその...ラインハルトがやって来るからヨロシクね?」
「お父様、なにをどうヨロシクしたらいいのか分かりませんが、それよりも私の希望に関してはどうなっているんですか?」
「あ~...それはその...前向きに善処することはやぶさかではないと思ってたり思ってなかったり...」
「国会答弁か!」
私は思わずそう叫んでいた。ダメだこりゃ! どうやら両親は本当になし崩し的に私の希望を無視するつもりのようだ。
「あぁ~! 忙しい忙しい!」
父親は朝食を終えた途端、そそくさと席を立って行ってしまうし、
「お嬢様~!」
そしてシンシアは目をウルウルさせながら見詰めて来るしで、残された私は頭を抱えるしかなかった。
◇◇◇
結局、ラインハルトがやって来る日まで両親とマトモに会話することが出来ないまま当日を迎えてしまった。
「ど、どうも...は、はじめまして、ら、ラインハルトと申しまぴゅ...」
あ、噛んだ。それも思いっきり噛んじゃった。照れて真っ赤になってる。
可愛い~! なにこの可愛らしい生物は! 癖毛なのか軽くウェーブのかかった淡い金髪に真っ青な円らな瞳。体つきは9歳にしては華奢な感じで私よりもちょっとだけ背が低い。初対面で怯えているのか、おどおどした小動物を思わせるような動きに、私の中の萌えが収まらない~! お持ち帰りしたい~!
ハッ! ダメだダメだ! 落ち着け私! ヒッヒッヒッフ~! ヒッヒッヒッフ~! まずは腹式呼吸だ!
『YES! ショタ NO! タッチ!』
その精神を忘れるな!
「やぁ、ラインハルト。はじめまして。僕の名はクリンスマン。今日からは君のお父さんだよ。よろしくね?」
「ラインハルト、はじめまして。私の名はエカテリーナ。今日からあなたのお母さんよ。よろしくね?」
両親はラインハルトに穏やかに笑い掛けながら挨拶している。そして私の番になった。
「ラインハルト、はじめまして! 私の名はベアトリーチェよ! 今日からあなたのお姉さんになるわ! お姉様とお呼びなさい!」
「お、お姉様!?...」
「ラインハルト~!」
「うっぷ...く、苦しい...」
気が付いたら私はラインハルトを力一杯抱き締めていた。
『YES! ショタ NO! タッチ?』
知るかそんなもん! これは姉としての特権じゃい!
私の熱烈なハグは、ラインハルトの顔色の悪くなって来たことに気が付いた両親が、慌てて私から引き離すまで続いたのだった。
「あ~...リーチェ...明日からその...ラインハルトがやって来るからヨロシクね?」
「お父様、なにをどうヨロシクしたらいいのか分かりませんが、それよりも私の希望に関してはどうなっているんですか?」
「あ~...それはその...前向きに善処することはやぶさかではないと思ってたり思ってなかったり...」
「国会答弁か!」
私は思わずそう叫んでいた。ダメだこりゃ! どうやら両親は本当になし崩し的に私の希望を無視するつもりのようだ。
「あぁ~! 忙しい忙しい!」
父親は朝食を終えた途端、そそくさと席を立って行ってしまうし、
「お嬢様~!」
そしてシンシアは目をウルウルさせながら見詰めて来るしで、残された私は頭を抱えるしかなかった。
◇◇◇
結局、ラインハルトがやって来る日まで両親とマトモに会話することが出来ないまま当日を迎えてしまった。
「ど、どうも...は、はじめまして、ら、ラインハルトと申しまぴゅ...」
あ、噛んだ。それも思いっきり噛んじゃった。照れて真っ赤になってる。
可愛い~! なにこの可愛らしい生物は! 癖毛なのか軽くウェーブのかかった淡い金髪に真っ青な円らな瞳。体つきは9歳にしては華奢な感じで私よりもちょっとだけ背が低い。初対面で怯えているのか、おどおどした小動物を思わせるような動きに、私の中の萌えが収まらない~! お持ち帰りしたい~!
ハッ! ダメだダメだ! 落ち着け私! ヒッヒッヒッフ~! ヒッヒッヒッフ~! まずは腹式呼吸だ!
『YES! ショタ NO! タッチ!』
その精神を忘れるな!
「やぁ、ラインハルト。はじめまして。僕の名はクリンスマン。今日からは君のお父さんだよ。よろしくね?」
「ラインハルト、はじめまして。私の名はエカテリーナ。今日からあなたのお母さんよ。よろしくね?」
両親はラインハルトに穏やかに笑い掛けながら挨拶している。そして私の番になった。
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「ラインハルト~!」
「うっぷ...く、苦しい...」
気が付いたら私はラインハルトを力一杯抱き締めていた。
『YES! ショタ NO! タッチ?』
知るかそんなもん! これは姉としての特権じゃい!
私の熱烈なハグは、ラインハルトの顔色の悪くなって来たことに気が付いた両親が、慌てて私から引き離すまで続いたのだった。
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