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「当然です。家族以外で愛称呼びされたくありません。アレクサンドル第二王子殿下」
「それじゃせめて僕だけでも愛称で呼んでよ?」
だからイヤだって!
「それもお断りすると申し上げました。フィンウェイ王国第二王子アレクサンドル・フォン・フィンウェイ殿下」
「めっちゃ長くなってるよ!? 分かった分かった、今まで通りでいいよ...」
フフンッ! 良し! 勝った! なんの勝負かよう分からんけど...
「それとお付き合いとのことですが、それはどのような意味合いのものでしょうか? 友人関係ということでしたら百歩いや千歩いやいや一万歩譲って渋々承諾致しますが?」
「随分譲ったね...まぁ出来れば恋人関係になりたいと思ってるんだが...」
だからイヤだって言ってんだろ!
「では速やかにお帰り下さい。シンシア、王子様がお帰りよ?」
「ちょっ! 待っ! 分かった! 分かったよ! まずは友人関係から! それでいいんだろ?」
「まずは? 永遠に友人関係ですが?」
前世でも良く聞いたなぁ。まずは友達からってセリフ。それって遠回しに断ってるって意味だからな? ちゃんと分かってんのか?
「そこまで言う!? ハァ...まぁとにかく、友人としてならまた遊びに来てもいいってことだよね?」
「あくまでも友人としてなら構いません。ただ、いらっしゃる時は今日のようにいきなりではなく、必ず先触れをしてからおいで下さいまし」
そん時はどっかに出掛けちゃおう! 後で文句言ってくるだろうが、
『あ、すいませ~ん♪ すっかり忘れてました~♪ ベアトリーチェったらお馬鹿さん♪ キャルーン♪』
とかなんとか言ってアホな子を演じればなんとかなんだろ。
「あぁ、分かった。そうするよ」
「ではシンシア、今度こそ王子様がお帰りよ?」
「どうしても僕を早く帰したいみたいだね...分かったよ。今日の所はこれで失礼しよう。ベアトリーチェ嬢、また会おう」
「ご機嫌よう」
アレクサンドル王子が帰った後、やはり緊張していたのかドッと疲労感に包まれた私は、頭からソファーにグッタリと倒れ込んだのだった。
「シンシア、塩撒いておいて」
戻って来たシンシアにそう言うと目を丸くされた。
「お嬢様、本当によろしかったのですか? 王子様との婚約なんて女の子だったらみんなが憧れることじゃないですか!」
「シンシア、あなたちゃんと話聞いてた? あの王子は私を政争の駒として利用しようとしているだけなのよ? そんなの真っ平ゴメンだわ!」
「それはそうかも知れませんが...」
「いいからコーヒー入れて頂戴。喉がカラカラよ」
「畏まりました」
シンシアが入れてくれたコーヒーを飲みながら、私はこのことをどのように両親に伝えるべきか考えていた。
「それじゃせめて僕だけでも愛称で呼んでよ?」
だからイヤだって!
「それもお断りすると申し上げました。フィンウェイ王国第二王子アレクサンドル・フォン・フィンウェイ殿下」
「めっちゃ長くなってるよ!? 分かった分かった、今まで通りでいいよ...」
フフンッ! 良し! 勝った! なんの勝負かよう分からんけど...
「それとお付き合いとのことですが、それはどのような意味合いのものでしょうか? 友人関係ということでしたら百歩いや千歩いやいや一万歩譲って渋々承諾致しますが?」
「随分譲ったね...まぁ出来れば恋人関係になりたいと思ってるんだが...」
だからイヤだって言ってんだろ!
「では速やかにお帰り下さい。シンシア、王子様がお帰りよ?」
「ちょっ! 待っ! 分かった! 分かったよ! まずは友人関係から! それでいいんだろ?」
「まずは? 永遠に友人関係ですが?」
前世でも良く聞いたなぁ。まずは友達からってセリフ。それって遠回しに断ってるって意味だからな? ちゃんと分かってんのか?
「そこまで言う!? ハァ...まぁとにかく、友人としてならまた遊びに来てもいいってことだよね?」
「あくまでも友人としてなら構いません。ただ、いらっしゃる時は今日のようにいきなりではなく、必ず先触れをしてからおいで下さいまし」
そん時はどっかに出掛けちゃおう! 後で文句言ってくるだろうが、
『あ、すいませ~ん♪ すっかり忘れてました~♪ ベアトリーチェったらお馬鹿さん♪ キャルーン♪』
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「あぁ、分かった。そうするよ」
「ではシンシア、今度こそ王子様がお帰りよ?」
「どうしても僕を早く帰したいみたいだね...分かったよ。今日の所はこれで失礼しよう。ベアトリーチェ嬢、また会おう」
「ご機嫌よう」
アレクサンドル王子が帰った後、やはり緊張していたのかドッと疲労感に包まれた私は、頭からソファーにグッタリと倒れ込んだのだった。
「シンシア、塩撒いておいて」
戻って来たシンシアにそう言うと目を丸くされた。
「お嬢様、本当によろしかったのですか? 王子様との婚約なんて女の子だったらみんなが憧れることじゃないですか!」
「シンシア、あなたちゃんと話聞いてた? あの王子は私を政争の駒として利用しようとしているだけなのよ? そんなの真っ平ゴメンだわ!」
「それはそうかも知れませんが...」
「いいからコーヒー入れて頂戴。喉がカラカラよ」
「畏まりました」
シンシアが入れてくれたコーヒーを飲みながら、私はこのことをどのように両親に伝えるべきか考えていた。
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