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「な、なんですって!? ど、どうしてアレクサンドル王子が!?」
「わ、分かりません! と、とにかくお嬢様! その格好で王子様の前に出るのはマズいです! 急いでお着替えを!」
「そ、そうよね...」
私はシンシアに引っ張られるようにして自室に戻ると、部屋着からドレスに着替えさせられ髪もキレイにセットされた。
「ねぇ、シンシア。お父様は出掛けてて居ないのは聞いてるけどお母様は居るのよね?」
「いいえ、奥様はお茶会にお出掛けになっておられます」
「ウソでしょ!? 私一人で王子様を相手しろって言うの!?」
不敬に問われたらどうしよう...しかも相手はラスボスみたいなもんなのに...困った...心の準備なんか全く出来ていないぞ...
「お嬢様ならきっと大丈夫ですよ!」
「なんなのよその根拠のない自信は!?」
「さぁ、お嬢様! お急ぎ下さい! これ以上王子様をお待たせする訳には参りません!」
「ちょっと待って待って! まだ心の準備が!」
抗議も虚しく、またもや私はシンシアに引き摺られるようにして、アレクサンドル王子の待つ客間へと連れて行かれたのだった。
◇◇◇
「お、お初にお目にかかります。バレンタイン公爵家が長女ベアトリーチェと申します...」
私は緊張して噛みそうになりながらも、なんとか無難に挨拶してカーテシーを決めた。
どうやら以前のベアトリーチェが体に叩き込まれていたようで、前世ではもちろんカーテシーなんてしたことなかったけど、体が勝手に反応してくれたようだ。
ちなみにバレンタイン公爵家というのが我が家の名跡である。
「突然お伺いして申し訳ありません。アレクサンドル・フォン・フィンウェイです。よろしくお願い致します」
そう言って金髪碧眼の美少年がペコリと頭を下げる。私はしげしげと観察してみた。当たり前だが小説の挿し絵に描かれていた姿からは想像できないほどに幼い。
だが確かにその片鱗は感じさせる。このまま成長すれば挿し絵の通りになるのだろう。
小説の中のベアトリーチェが夢中になったのも分かるような気がする。美少年であることは間違いない。だがしかし、今の私の精神年齢は二十歳前の大人だ。つまり私から見たらショタだ。
無いな! 恋に落ちるなんて有り得ない!
『YES! ショタ NO! タッチ!』だよ! 間違って手を出したりなんかしたら犯罪だっての!
私は心の中でそう思いながら、アレクサンドル王子の突然の来訪理由を考えていた。少なくとも思い至る節はないと思う。もっとも両親の方になにか用があったのかも知れないけど。だったら申し訳ないけど出直して貰わないと。
一体なにしに来たんだろうか?
「わ、分かりません! と、とにかくお嬢様! その格好で王子様の前に出るのはマズいです! 急いでお着替えを!」
「そ、そうよね...」
私はシンシアに引っ張られるようにして自室に戻ると、部屋着からドレスに着替えさせられ髪もキレイにセットされた。
「ねぇ、シンシア。お父様は出掛けてて居ないのは聞いてるけどお母様は居るのよね?」
「いいえ、奥様はお茶会にお出掛けになっておられます」
「ウソでしょ!? 私一人で王子様を相手しろって言うの!?」
不敬に問われたらどうしよう...しかも相手はラスボスみたいなもんなのに...困った...心の準備なんか全く出来ていないぞ...
「お嬢様ならきっと大丈夫ですよ!」
「なんなのよその根拠のない自信は!?」
「さぁ、お嬢様! お急ぎ下さい! これ以上王子様をお待たせする訳には参りません!」
「ちょっと待って待って! まだ心の準備が!」
抗議も虚しく、またもや私はシンシアに引き摺られるようにして、アレクサンドル王子の待つ客間へと連れて行かれたのだった。
◇◇◇
「お、お初にお目にかかります。バレンタイン公爵家が長女ベアトリーチェと申します...」
私は緊張して噛みそうになりながらも、なんとか無難に挨拶してカーテシーを決めた。
どうやら以前のベアトリーチェが体に叩き込まれていたようで、前世ではもちろんカーテシーなんてしたことなかったけど、体が勝手に反応してくれたようだ。
ちなみにバレンタイン公爵家というのが我が家の名跡である。
「突然お伺いして申し訳ありません。アレクサンドル・フォン・フィンウェイです。よろしくお願い致します」
そう言って金髪碧眼の美少年がペコリと頭を下げる。私はしげしげと観察してみた。当たり前だが小説の挿し絵に描かれていた姿からは想像できないほどに幼い。
だが確かにその片鱗は感じさせる。このまま成長すれば挿し絵の通りになるのだろう。
小説の中のベアトリーチェが夢中になったのも分かるような気がする。美少年であることは間違いない。だがしかし、今の私の精神年齢は二十歳前の大人だ。つまり私から見たらショタだ。
無いな! 恋に落ちるなんて有り得ない!
『YES! ショタ NO! タッチ!』だよ! 間違って手を出したりなんかしたら犯罪だっての!
私は心の中でそう思いながら、アレクサンドル王子の突然の来訪理由を考えていた。少なくとも思い至る節はないと思う。もっとも両親の方になにか用があったのかも知れないけど。だったら申し訳ないけど出直して貰わないと。
一体なにしに来たんだろうか?
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